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生老病死の最前線で感じた「祈り」

鈴木秀子/野口法蔵 著
『悟りから祈りへ』(佼成出版社)

訪問看護の仕事をされている女性から、次のような読後の感想をいただきました。人間が抱える「病」と「死」の最前線で働いておられる、40代の看護士さんです。

――死の間際、呼吸に苦しむ患者さんの胸にそっと手をおき、私は呼吸をあわせていきます。吸って吐いてを同じタイミングで繰り返し、心臓の鼓動も同じタイミングで動いているのではないかと思うくらい、患者さんに寄り添おうとします。そして、いつの間にか険しかった患者さんの表情が穏やかな表情に変わっています。

この本を読んで仕事で実践していることです。
自分にこの仕事は向いてないのではないか、そんなふうに落ち込んでしまう日もありました。でも、『悟りから祈りへ』を読み、本当に自分がやりたいことってなんだろうか、本心を考えるようになりました。

高い技術を身に付けて、しっかり仕事をしていきたいという願いはもちろんあったのですが、その根幹にある私の本心に言葉として気づくことができました。

〈いま目の前にいる患者さんのためになれる私になりたい〉

私のなかにあったのは、たったそれだけでした。
その願いって、祈りなのでしょうね。

毎晩、一話だけ読んで、ちょっとだけ泣きます笑。
看護師になって25年。もっと、もっと、自分の本心に正直になって、仕事をがんばろうと思います――

(文:UZA)

鈴木秀子/野口法蔵 著
『悟りから祈りへ』(佼成出版社)