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まちがいはすぐ改めよ(過ちて改むる憚ること勿れ)

 誰でも、多かれ少なかれまちがいはある。神ならぬ身の人間として、やむを得ないことである。ただ、あやまりを犯した時、どう対応するかが大事であり、それによってその人のその後の人生が大きく左右される。

「オレが悪かった。二度とこういう失敗をしないようにしよう」と、自分の非を認めて改めようとする人は、失敗をこやしにして成長していく。しかし、そういう人は少ない。強情やまけ惜しみを押し通して自分のまちがいを認めず、あれこれ言い訳をしたり、責任を他に転嫁したりする人が多い。こういう人は、やがてまた失敗をし、向上のない一生を送る。

 現役時代は名横綱として鳴らし、引退後は親方として一代にして二横綱二大関を育てあげた先代若乃花(二子山理事長)はこう言っている。「欠点やまちがいを指摘され、注意され、それをすなおに認めて直すことに努力したヤツが強くなっていく」と。

『過ちて改むるに憚ること勿れ』(論語・学而篇)。まちがいはすなおに認め、意地を張ったり体面を気にしたりせず、ためらうことなく改めよう。それが結局は自分のためになる。

『過ちて改めざる、之を過ちと謂う』(論語・衛霊公篇)という言葉もある。まちがいを犯しながらいつまでたっても改めない、それこそが本当のあやまちなのだ。

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