今だからこそ
かつて世界が戦争の中にあった時、ドイツではヒトラーがあらわれた。また、日本ではお国のために命を差し出すのがあたりまえで、戦争反対などと声をあげることも出来なかった。
その話を聞く度に、当時の人たちはなぜとめられなかったのか、二度と同じ事を起こしてはいけない、そしてそんな事が起きるわけないと思っていた。
しかし、人間は流されやすい。
『感染しやすく、持病のある人は重症化しやすいウイルスがあらわれたので、感染しないようにしましょう』
そうして始まった外出自粛。
人が集まる狭い空間や飲食、おしゃべりなど感染リスクが高いということで休まなければいけない職種が出てきた。
そのような職業に対して、休むべきだという圧力。世の中の空気。
そうして始まる職業への差別。きっと普段から無意識にあった事が表に出てきたのでしょう。
「今やらなくて良い」
「こんな時に不謹慎」
どんな職業だって、違法や犯罪でないなら、成り立っている以上必要とされていて、働いてる人にも思い入れやプライドがある。
簡単に休める訳がない。
前回『今だけじゃない④』にも書いたが、他人の批判をするけど、自分は別という人が多い。
それが行き過ぎると『自粛警察』とかいうのが現れる。
戦時中は戦争反対を訴える人や政府の批判をする人を密告したり、ドイツではユダヤ人というだけでひどいめにあっていた。
状況はかなり違うけど、今は外出自粛の中遊びに出たり、飲食店が営業しているとメディアやSNSで晒され袋叩きにされたりする。
ただ共通しているのは
「非常事態なのだから」
「こんな時に」
「みんな我慢している」
また、多くの人がしていることに歩調を合わせない。協力的でない。
そんな理由で簡単に個人の自由はなくなり、非難の的ととなる。
さらにこういう状況の時には、みんなを引っぱってくれる強い指導者が求められる。
能力のない権力者も困るけど、言うこときかない者を公表してさらし者にしたり、平気で袋叩きをうながしてしまう権力者はもっと恐ろしい。
ヒトラーを生み出したのは、民衆だったということを忘れてはいけない。
どんな時でも命と同じように人権は守らなければいけないと思う。
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