法律がきょうだいを守ってくれる内容、自分を守る知識、家族との関わり方を選ぶための知識が得られた~『きょうだいの進路・結婚・親亡きあと』感想(伊丹きょうだい会の河村友紀さん)#きょうだい児
『きょうだいの進路・結婚・親亡きあと 50 の疑問・不安に弁護士できょうだいの私が答えます』について、伊丹きょうだい会河村友紀さんにご感想をいただきました。どうもありがとうございます!
表紙と帯に、世間に埋もれて見えてこなかったきょうだいの悩みと苦労が一目瞭然
まず、蛍光グリーンの表紙にきょうだいの悩みがはっきりと書かれ、帯にはショッキングピンクで「私は一生、障害のある弟の世話をしなくてはいけないのですか?」と書いてある。世間に埋もれて見えてこなかったきょうだいの悩みと苦労が一目瞭然に書かれており、非常に小気味良いです。
第1章は藤木さんの自己紹介の中で「こんなに重大な問題なのに、どうして、きょうだいの悩みや気持ちは秘密にしたり、匿名で話さないといけないんだろう?」「法律を持ち出してまで、自分を守らないといけない状況は、弁護士の私でも非常にしんどい状況でした」と書かれており、きょうだいが感じる孤独感や重圧が表現されていると思いました。
「良かったこともあるでしょ?」という押し付けは×
第2章は、きょうだいの気持ちに対して「『こんなことがよかったでしょ?』と押し付けたり、結び付けようとすることは、周囲の人にやめてほしいこと」「きょうだいが自分で良い選択が出来たと思えていることが、一番よいことだと思います」と書かれています。
私自身、きょうだいとしての悩みや経験を話すと「良かったこともあるでしょ?」と結論を求められたことが何度もあります。善意だったのだと思いますが却って孤独感が募り、人と信頼関係を築く意欲を削がれた経験があります。また、立場も状況も様々で複雑な悩みを抱えるきょうだいにとっては、一つの答えに拘らず、自分で良い選択が出来たという自尊心や、周囲からの肯定が何より大切であると思います。
「家族がいるなら家族が介護を」という世間の発想から自分を守る知識
第3章は、法律がきょうだいを守ってくれる内容について掲載されています。Q2に記載のある民法第877条第1項「きょうだいの生活扶助義務(弱い義務)」については、社会全般に認識が不十分であると感じます。「家族がいるなら家族が介護を」という世間の発想から自分を守る知識を得られ、非常に心強くなりました。
Q23「家族との関わり方は選べる」Q27「生活保護の扶養照会の回答が任意である」Q34「連絡、住民票、戸籍についての検討事項」Q35「分籍」についても記載があり、家族との関わり方を選ぶための知識が得られました。
きょうだいは自分の人生を守るために、きょうだい以外の方々はきょうだいについて理解を深められる、とても勉強になる本でした。ぜひ、多くの方に読んでいただきたいと思います。
試し読み・にしおかすみこさん(お姉さんがダウン症)とのトークイベント・河村さんが所属されている伊丹きょうだい会のご紹介
大切なご感想をどうもありがとうございました!
複雑で難しい問題ですが、できるだけシンプルに考えて、きょうだいが悩まなくてよくなるように、微力ながらできることを一つひとつしていけたらと改めて思います。
もしよろしければ、本の試し読みやトークイベント詳細をご覧ください。イベントは2024年5月17日、会場、オンライン、字幕あり。アーカイブ配信は25日まで受付と視聴可能です。
河村さんが所属している伊丹きょうだい会のFacebook
直近では2024年4月21(日)の集まりについて掲載されています。ご関心のあるきょうだいの方はぜひ参加されてみてください◎
#きょうだい本
もしよろしければ、 #きょうだい本 のハッシュタグでnoteやXなどのSNSに投稿いただければ、ぜひ取り上げさせていただきたいと思います。拙書に限らず、きょうだいに関する本やきょうだいが登場する本の感想で、文章の長さは自由・・・!一言や短いのも大歓迎です!
インターネット上に、「きょうだい」に関する投稿や情報が増えれば、きょうだい自身、親、祖父母などの親族、学校の先生、支援者、周囲の方々など、必要な方、届くべき方に届きやすくなるのでは?という思いです。
ここまでお読みくださり、どうもありがとうございました!
他の方の感想、記事、イベントなどは、よかったらこちらをご覧ください。
ここまでお読みくださり、どうもありがとうございました!
「きょうだい」がいつか辞書などにも載るコトバになりますように!!