第1回SODAソーダの会&NHK「ろうを生きる難聴を生きる」に!
私の目標だった第1回聞こえないきょうだいをもつSODAソーダの会の開催が実現すると同時に、「私の紅白」と数年前から言っていたNHK「ろうを生きる難聴を生きる」に取り上げていただきました。(2019年2月2日放送、7月6日アンコール再放送)
主な内容は優生保護法裁判のろう者の原告の方との打ち合わせ、「きょうだい・家族」について聞こえる側と聞こえない側のソーダ・デフで語り合った座談会、筑波技術大学の授業などです。
コミュニケーションの壁を越えて~聴覚障害者とともに闘う弁護士~紹介より
去年5月、優生保護法被害弁護団に加わった、聴者の弁護士・藤木和子さん(36)。彼女には、聴覚障害者の弟がいます。差別的な言葉を投げかけられ、悔しい思いをしたこともありました。「聞こえない人と聞こえる人の、懸け橋になりたい」という藤木さん。聴覚障害者と聴者が集まり意見交換を行う場を作り、大学では自分の思いを次の世代に伝えています。自身の経験をもとにさまざまな活動を展開する藤木さんの姿を追いました。
※「聴覚障害者とともに闘う」と「懸け橋」の部分については、その意味を今回すごく考えました。最後に触れます。
まずは参加してくれた大人のソーダ・デフの友人への感謝
実は、ソーダの友人とは今まで1対1でしか会ったことがなく、3人以上で会うことが小さな目標・夢でした。番組をきっかけに勇気を出して声をかけたところ集まってくれた3名、メッセージをくれた5名、合計大人ソーダの友人8名には本当に感謝です。
また、集まってくれた大人デフの友人4名にも感謝です。私のソーダとしての活動は、デフの方々から勇気や励まし、協力が大きいと思います。本当の家族ではなく、友人だからこそ話せた話もたくさんあったと思います。
一緒に活動しているNPO法人インフォメーションギャップバスターの仲間もデフのメンバーとして座談会に参加してくれました。
「私は聞こえることが申し訳ないと思い時があるけれども、ソーダに対して聞こえてうらやましい、ずるい?と思うことはない?」、「結婚して家を出てからきょうだいに不満を言われたけどもっと早く言ってほしかった」など、座談会は3時間以上にわたる濃い内容でした。
子どもソーダとお母さんも登場!感謝!
最年少はお母さんと一緒に来てくれた子どもソーダの男の子。
子どもも大人も、ソーダもデフも、きょうだいは「遠慮なく話したい!」「ケンカするのはいいこと」「お互いに不満は今言おう。言えば解決できるかも」など、「対等・平等」がキーワードなのかなと感じました。
最後に集合写真を撮る前のこの動きがある写真なんだかとても好きです。
番組を見ての感想
私が伝えたいと思っていたことが凝縮された番組で感謝しています。
特に、1時間くらいインタビューしていただいた中で、あの「セリフ」が使われるとは思っていませんでしたが、私が人生で一番言いたいことだったのかもしれません。
「親の期待が私に向かった大きな理由には弟が聞こえないことがあって、弟に申し訳なかった。聞こえる私にプレッシャーが来るのもおかしいと思っていた。」です。(母への陰口の点もそうですが。)
原点としては大切にしつつ、でも言う事ができたからこそ縛られずに過去のことにしていかなくちゃな、私も弟もまずはそれぞれの人生、今とこれからの未来、を大切にしていきたいなと改めて思いました。
そして、私自身のことはさておき、最年少の参加者の小学生の男の子(妹が聞こえない)が、聞こえる側、聞こえない側両方と話して「(友達にはわからないと思う)ここに来てよかった。すっきりした。」、「ソーダの会にまた行きたい」と言ってくれたのが一番未来につながることかなと思いました。
全文ダイジェストはこちらです。
ちなみに、「聴覚障害者とともに闘う弁護士」、「懸け橋になりたい」について
「私」のめざす「ともに闘う」や「懸け橋」は、たぶん少し変わっています。2つの「当事者」としての側面があるからです。
①私の「ともに」の意味
最初の紹介の部分に、私も「差別的な言葉を投げかけられ、悔しい思いをしたこともありました。」と入れていただけたのは私としてはとても嬉しいことでした。私にとって優生保護法の課題は「弟のこと」よりも「自分事」です。聞こえるけれど「支援者」としてではなく、近い部分の体験を持っている「当事者同士」としての「ともに」が私は強い方かなと思います。
②「懸け橋」
もうひとつは、「懸け橋」なのですが、「懸け橋」(支援者?)ではなく「当事者」でいたいという思いがあります。優生保護法の弁護団では本気でろう者の原告の方々と弁護団、支援者の方々をつなぎたいと思っていますが、日常となると、デフの方にも周囲の方にも「できることはやってほしいな」「私がいなくても直接関わってくれるようになったらうれしいな」と思っている「懸け橋」です・・・。
「ともに闘う」「懸け橋」は概念が広く、私が書いている意味も広い意味では含まれていると思います。「聞こえないきょうだいをもつSODAソーダの弁護士」ではタイトルとしてわかりにくく、インパクトが薄いし、「懸け橋になりたい、懸け橋になりたくない」もやや同様。しっくりくる表現がいつか見つかればいいなと、そんなことを思い、考えていることが、少しでも伝わればうれしく思います。
追記(2019年9月3日)
半年考えた結果、「聴覚障害者に助け合いを求める弁護士」(こっちはちょっとビミョー)と「ただの懸け橋にはなりたくない」(けっこうピッタリ!)を思いつきました。
こちらはメッセージのアップです。
ソーダ8名とデフ5名。珍しく弟も書いてくれました、笑。
関係者の方々、ご協力してくださった方々に感謝します。
ちなみに、次回は3月10日、5月12日、7月28日の予定です。インフォメーションギャップバスター、親の会との連携も進みつつあります。
これからの予定や詳細、集まりの様子は、こちらの聞こえないきょうだいをもつソーダの会のHPをご覧ください。
「きょうだい」がいつか辞書などにも載るコトバになりますように!!