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きょうだいは進路選択(進学や就職)で思い悩むことが多いけれど、自分の意思や希望を尊重することを法律も後押していると明確な根拠が得られた(きょうだい会SHAMS滝島真優さんからのご感想)


藤木和子著 中央法規(2024年)

『きょうだいの進路・結婚・親亡きあと 50 の疑問・不安に弁護士できょうだいの私が答えます』について、きょうだい会SHAMSの滝島真優さんにご感想をいただきました。どうもありがとうございます!

 私は、知的障害を伴う自閉症の弟の姉の立場のきょうだいです。本書を拝読し、真っ先に飛び込んできた感情は、"爽快感"と"安心感"でした。弁護士でありきょうだいのお立場である藤木さんだからこそ明快で、障害のあるきょうだいとのかかわり方について多様な思いを持つ、どのような立場のきょうだいにも寄り添うことができる内容となっています。

50の不安や疑問にポイントを絞ってシンプル

 本書は三部構成となっており、第一章では藤木さんのきょうだいとしての思いや経験、第二章では藤木さんが運営に携わっておられる全国きょうだいの会が2021年度に実施したアンケート結果から、きょうだいが抱くさまざまな感情を理解することができます。

また、現在きょうだいとして課題に感じていることを整理することができるワークシートが掲載されています。第三章では、進路選択や結婚、親亡きあとなどきょうだいが抱く50の不安や疑問を取り上げ、法律を根拠とした解説がイラストを交えて具体的にわかりやすく書かれています。解説のみならず、疑問や不安への対処方法もポイントを絞ってシンプルに示されているため、きょうだいが困っていることに対してすぐに対処できる点もきょうだいの立場として大変心強く感じました。

第二章に掲載されたワークシートを活用したうえで第三章を読み込むと、きょうだいとして自分が抱いている感情や課題が整理され、より深く読み込むことができます。

きょうだいは進路選択(進学や就職)で思い悩むことが多いけれど、自分の意思を尊重することを法律も後押し

イラストWOODYさん イラストをクリックすると立ち読みページで読めます

 私は今、学齢期のきょうだいのみなさんを対象としたきょうだい会を運営しています。活動の中で、きょうだいのみなさんときょうだいならではの思いや経験を分かち合うワークを行うのですが、その中でも特に、本書にも記載されている進路選択(進学や就職)についてはよく話題にあがります。

 障害のあるきょうだいのことを考え、親の期待に沿った進路選択をしなければならないのか・・家族に合わせて生活してきたので、自分のやりたいことが何かわからない・・と思い悩むきょうだいさんは少なくありません。

 私自身も家族のもとを離れて進学する決断をした際には大きな罪悪感を伴った経験があります。そのような悩みに対し、きょうだいさんたちに「自分の意思を尊重して良いのだよ」と伝え続けてきましたが、その心情は複雑で簡単に割り切れるものではありません。そこで根拠となるのが法律なのだと本書を読んで明確に感じることができました。

 これから学齢期のきょうだいのみなさんと将来の話をする際には、法律がみなさんの希望を後押ししてくれるのだということを伝えていきたいと思います。私自身も明確な根拠を得られたことで、安心感に包まれています。藤木さんのオリジナリティにあふれた素晴らしい本書に、自分を大切にしていいのだと励ましていただいた思いです。

 本書は、私のように親なきあとを考える世代のきょうだいのみならず、学齢期のきょうだいのみなさんにとっても、自分らしい人生を歩むための決断を支える1冊になるのではないかと思います。

試し読み・にしおかすみこさん(お姉さんがダウン症)とのトークイベント・滝島さんが代表のきょうだい会SHAMSのご紹介

大切なご感想をどうもありがとうございました!
複雑で難しい問題ですが、できるだけシンプルに考えて、きょうだいが悩まなくてよくなるように、微力ながらできることを一つひとつしていけたらと改めて思います。

もしよろしければ、本の試し読みやトークイベント詳細をご覧ください。イベントは2024年5月17日、会場、オンライン、字幕あり。アーカイブ配信は25日まで受付と視聴可能です。

滝島さんが代表をされているきょうだい会SHAMS(しぇいむず)さん

https://siblings-shams.jimdosite.com/

きょうだいってなんだろう?という子ども向けのイラスト付きのわかりやすい説明もあります◎

#きょうだい本
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「きょうだい」がいつか辞書などにも載るコトバになりますように!!