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横浜鶴見の町中華「龍慶飯店」【サンプルケース遺産1】

題して「サンプルケース遺産」

食品サンプルの登場がいつだったかは正確な記録がなく、大正末期から昭和初期にかけてといわれています。食堂として店頭に食品サンプルをケースに陳列し、どんなメニューを幾らで提供するのかPRする手法は百貨店の「白木屋」が茅場町に作った食堂が最初だったのではいわれています。

メニューそのものの形状が陳列され値段も表示されているサンプルは一眼で分かりやすく、一気に広まったものと思われます。

さて、現在も食品サンプルは商業施設のレストランでは一般的な店頭訴求の手法ですが、街場の食堂となるとほとんど見られなくなってしまったのではないでしょうか。

残っているのはもう何十年も前から営業している食堂です。

そうは言っても老舗の古さではなく、寂れた感じの大衆的な古さ。そんなお店に魅力を感じます。

コロナ禍により、飲食店は今、戦後最大の危機。こうした店は次々に閉店しています。

素敵なデザインの店でも無いので記録もされず、壊されてしまう。これは写真にして残さねば、との思いもあり撮りためております。

食べログにも載らない、名も知れぬ店。

こうした店は内装もメニューも魅力的なことが多いのですが、この記録はあえて、サンプルケースとファサードに絞り紹介したいと思います。(たまに実食した店はメニューや内装も紹介します)

第一回は私の家の近所の店。

横浜市鶴見区の町中華「龍慶飯店」です。

中華定食という文字が業態を的確に表現。 サンマー麺ののぼりが横浜の町中華鉄板。
サンプルケースは店主とお客を繋ぐコミュニケーションスペース。 よく見ると店主のキャラが滲み出しています。 全品お持ち帰り、と言いたいところですが、いや汁物は難しいか、というニュアンスが素敵。

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