学力をあげるには日常で注意を払おう

今日は2月3日。
僕の母校の中学入試の日です。昨日フォロワーに言われて思い出しました。

さて、いわゆる難関の中学入試は難しいことや高い処理能力ばかりを問うてるものだけではありません。
3・4年前に産経の記事にもなりましたが、開成の中学入試の問題でこのようなものがありました。
JY22目黒。このJYとは具体的に何を示しているか答えなさい

・・・皆さん分かりましたか?
駅のナンバリングです。JR山手線の22番目の駅ということですね。

当然ですがこれは中学入試向けの社会の参考書には書いてありません。
開成としては「参考書を覚えてくるだけではなく、日常に注意を払う人がほしい」ということなのでしょう。

よく、我々東大卒や現役の東大生を指して〝頭でっかち〟というレッテルを貼りたがる人がいますがこれは的外れです。
前述の東大合格者数一位の開成の問題しかり、「日常への注意」が重要になってきます。

他の例を出しましょう。
おなじ、駅関連であれば、大学入試では〝料金〟を示す単語として運賃であるfareを文法・語彙問題として聞いてくることがあります。
また紙幣を英語ではbillといいますがこれも同様に聞かれます。
正直、fareやbillを文法書や単語帳で始めた見たという方は「日常への注意」が足りません。
なぜなら精算のところにfare adjustment machineと書いてあるし、紙幣のところにもbillと書いてあります。
ほかにも「日常でみるものを英語でいうとどうなるかな?」という思考に至れば、救急車がambulanceというのは単語帳で覚えるものではないでしょう。

文法書や単語帳で「あー、あれか!」となったり、「うんうん知ってるよ」とならないとターゲットですと1900個ですかアレ全部暗記するきわめて非効率なことになります。
そしてそこまで非効率な勉強では東大には入れないでしょう
(いや1科目くらいテキトーでも受かるのが本学ですが、1科目が非効率な勉強法の人は全部が全部という感じですので)
つまり東大生・東大卒の人間は「日常への注意」を身に着け効率的に勉強していて、参考書だけを読んでる頭でっかちではありません。

具体例には枚挙にいとまがありませんし、英語に限らずですが、このように「日常への注意」だけで知識量は自然と増えるし、入試問題に限らず社会の問題について自分で疑問を抱くことで社会人になってから仕事の解決で役に立つ場面はあるでしょう。

つまり、受験や仕事で成果を出したければ確かに参考書・問題集をやるのも大事ですが「日常への注意」を気にかけましょう。

~ここから2月4日追記~
別記事として書こうとも思っていましたが、この記事に「ひらめき」「地頭」などという漠然としたもので「俺は東大生より地頭がいい」とかそういう意味不明な僻みを粉砕する部分も追記します。

上に書いたように日常生活で英語(に限らずいろいろな教科)の知識が増えたり、課題発見ができます。
これは教科書をひらいているときも意識します。

たとえば日本史でこういう問題が出たとしましょう。
問 桜田門外の変は次のうち何年か
(こういうストレートな聞き方はあまりなく、4つか5つの出来事の時系列の並び替えを問うものが多いですが話の都合上こうします)
A、1850年 B、1860年 C、1870年
ここで前提知識として基礎レベルの
・ペリー来航 1853年
・大政奉還 1867年
・いつかはしらないが安政の大獄の中身、桜田門外の変はしっている
は知ってるものとしましょう。
「え、桜田門外の変って何年だっけ?ペリー来航と大政奉還は覚えてるけど・・・」と1つ1つ暗記をしなきゃいけないと思う人は焦るかもしれません。
しかし、歴史の時系列と出来事の中身で考えればこの基礎知識で解けます。

ペリー来航の際は江戸幕府が交渉に当たりました。
大政奉還とは江戸幕府がその権力を朝廷・薩長に渡すことで15代将軍
徳川慶喜が行いました。
そして安政の大獄とは次期将軍として候補に挙がっていた徳川慶喜(当時一橋)らの派閥である一橋派をときの大老である井伊直弼が弾圧した事件で、
桜田門外の変とは日米修好通商条約をすすめた井伊直弼が暗殺された事件です。

A、の1860年であればペリーが来る前なので殺される井伊直弼が日米修好通商条約をむすぶことすらできないので却下。
C、の1870年ではそもそも江戸幕府が終わってるし、井伊直弼が安政の大獄で弾圧した徳川慶喜が将軍になれてるのがおかしいので却下。
ということでB、が正解になります。

これをいちいち「桜田門外の変は1860年で・・・」と覚えたら、英語の例のところにあげたようにいちいち全部おぼえる必要がでてきます。
前後関係を覚えていれば、覚える総量は少なくていいのです。
桜田門外の変の年号も覚えたら覚えることが3/2倍になり非効率です。
このことを言葉足らずな日本史・世界史教師の方が「歴史は流れでつかもう」といっているのですが、しっかり説明を受けてない学生諸氏はその言葉の意味をよく知らずに、そっかー歴史は流れをつかむことが大事なんだーといって今回の場合であれば覚えなくていい桜田門外の変の年号まで覚えてしまいます。

このように「これは覚えなくていいでしょ」や理系科目の場合「その場で導出できるからいいや」ということを考えることこそ、いわゆる「地頭」ではないでしょうか。
そしてこれは大学受験に止まらず、会社に入ってから覚えることでも、「これは覚えなくてもいい」とすることで処理速度があがるわけで仕事の出来にもつながるのではないでしょうか?



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