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KoZiR4w 4th Album "Bass of EMPIRE"の曲コメントを書いてみました。

はじめに

KoZiR4w 4th Album "Bass of EMPIRE"

noteを書くのはこれが初めてなので、いろいろ拙いですがよろしくお願いします。m(_ _)m
2024年4月28日、私KoZiR4wの4th Albumがリリースされました。当初は20部のみ生産し、「まあ多分売れ残るだろうなぁ…。」なんて思っていたら、まさかの完売です。完売ですよ皆さん!!
いつも応援してくださる皆様には感謝しかありません。
今回、私が来年度をもって新社会人となり、自由に活動できる期間が短くなったので、その思い出を書き残す一環として、曲コメントを書くに至りました。
(ちなみに、この記事を書こうと思ったのは、我が盟友のterao殿の記事からです。感謝。)
では、前置きはほどほどにして早速書いていきます!

コンセプト

今回のアルバムを作成するにあたって、一番悩んだのが「アルバムのテーマ」です。まさしく根幹をなす要素であるこの議題が決めきれなかったのは、私が3rd Album "Devastating Fangz"をリリースした直後まで遡ります。
↓3rd Album "Devastating Fangz" Crossfade DEMO

この作品は、「自分の曲を10曲、リミックスを10曲用意する」という、無謀にも思えるほどの超大作になりました。(今となってはいい思い出)
これをリリースしたはいいものの、その後私は曲制作におけるスランプにはまりました。
全然いい曲が書けなかったんですよ。何も思いつかないし、唯一手癖で書けるUplifting Tranceもなんだかパッとしないものばかり…。はっきり言って、4thアルバムを出すまでの曲はほとんど低クオリティだったと、今振り返ると思うんですよ。

そんな状況が回復し始めたのは今年の1月終わり。それは、大学の期末考査が終わり、コンピレーションの準備をしている時でした。
この頃、Sullivan King氏のサンプルパックに目をつけて「Metalstep書きたいなぁ」と不意に思い、その曲は2月ぐらいに完成しました。
その頃は、かの有名なDragon_Klub氏と仲良くなり、Metalstepへの興味が本格的に湧いていた時期でもありました。
で、1年以上もリリースしていなかった個人アルバムを放置したくなくて、最終的に完成目標が「帝国のような凶暴さ」になりました。
これは、自分が曲を完成させるうちに、どんどん定まっていきました。
いやぁ、サンプルパックによる創作意欲の向上は馬鹿にならないですね。

で、肝心のジャケットですがかねてからお世話になっている宗方シロウ氏に描いていただきました。彼、すごい有能です。(でもリアルがなぁ…w)
では、いよいよ曲解説に入りたいと思います。

1. Introduction ~Enter the EMPIRE~

前作で試験的に導入したIntroductionですが、今回も導入してみました。
いやぁ、Introductionの概念を授けてくれたかめりあ氏には頭が上がりません。
Introductionは、自分の場合2曲目との親和性を高めるために導入すると思っているので、今回はメタルとハードコアをミックスしたという、いわばこのアルバムのテーマを端的に表したような存在です。
序盤はMetal Breaksで温めていき、1st DropではまずDubstepのような展開を作りました。これは、後のBass of EMPIREやHeat Your Engineがベースミュージックだったことが導入の要因ですね。
そして、2nd DropではまさかのUptempo Hardcore(with ダブステップ)みたいな展開に。MALICE KICKBASSとかXtra Rawも結構入っているから歪んだキック入れたくなっちゃったんすよ。
ね、このアルバムの全要素が入っているといっても過言ではない。(全然そんなことないけど)

2. Bass of EMPIRE

表題曲!!いやぁ、今回は特に力を入れましたね。(あたりまえだけど)
普通Metalstepと言えば、Drumstepのbpmでメタルの要素をぶち込むんですが、今回はSummon the Beast氏の「Beast」という曲を意識しました。
1st Dropは、Dubstepを本筋としつつ、ギターループを入れるだけであら不思議!!Metalstep感が強くなります。
全体的には王道なDubstepを展開しつつ、Metal要素が入り込んでさらにグルーブ感が強くなりました。
2nd Dropでは、もはや私のDubstepではお馴染み、「4つ打ち」です。この展開死ぬほど好き。(もっと言うなら直前にフェイクドロップ出す展開から好き。)
これやると途端に疾走感出るから好きなんですよねぇ。もう「強靭!!無敵!!最強!!」ですよ!!
個人的には、かなりMetalの要素を表面に出すことができて満足しています。でも、ドロップ部分のMid Bassの音量調整には死ぬほど苦労しました。
あと、めちゃくちゃDragon_Klub氏から影響を受けています。彼、自分でギターリフとか作れる超人なんだよなぁ…。

3. Just Give Me

純粋なBass Houseです。(といっても流行りとか全然わからん)
毎回Bass House書くたびに、「Jauz氏やJoyride氏はすげえなぁ」って思って、そのたびに手が止まります。
でも今回、Dropのベース音がうまい感じに仕上がったので、ノリで作っちゃいました。
お気に入りは2nd Drop。キックのみで鳴らす展開って、わりと無いようでよくある展開だと思うんですよね。それで、「本当のドロップはこの先にある!!」みたいな?そんな思いを抱きながら作りました。
これ車走らせてるときに流すと、スピード100km/hぐらい出ます。(法律は守りましょう)

4. MUZE-KZX

ゴリゴリSchranz!こういうテクノ系も自分大好きなんですよねぇ。世のedmジャンルをムシャムシャ聴いているのは俺だけ??
Schranzは、制作までのハードルがべらぼうに高いです。Hardstyleなどとは別ベクトルでの難しさがあります。
まず、リズム隊の編成。ここでまず使用する楽器がとにかく多いです。そして、その楽器のアタックを調整したり、楽器のピッチまで下げます。本当に工程が多いんですよね。でも、これをしないとSchranz特有の疾走感が出せないのもまた事実。
そして、SchranzがHard TechnoやTechdanceの流れを汲んでいるため、他ジャンルとの融合がとにかく難しいです。この曲と親和性の高いサウンドは、私の知る限りRave Generator 2にあるような、80~90年代のオールドサウンドです。
これほど我が強いジャンルってあまりないと思うんですよね。

曲名なんですが、nichicon社が製造していたハイグレードオーディオ用コンデンサ「MUSE KZ」から来ています。コンデンサのブランド名から曲名をつけるって、私が史上初な気がするんですよね。
終盤の展開では、なぜかRawstyle化します。暴れたくなっちゃったんだろうね。

5. MALICE KICKBASS (Remaster)

Dubstep X Rawstyle = Rawstep
これ、試験に出るよ!!
私が創作したオリジナルジャンル「Rawstep」です。初出は、私の企画したコンピレーションアルバム「HARDSTYLE BREAK-BLASTERZ 1」です。
Dubstepの凶悪なベースとRawstyle特有の派手なキックで、聴く人の耳ぶっ壊してやろうぜ的な脳筋発想です。
なんでこの曲が生まれたかというと、自分がScreech音の配置をとにかく苦手としているからなんです。
そこで何か代替案で曲を盛り上げようと思った際に思いついたのが、Dubstepを始めとしたGrowl Bassなどでした。
今思うと、よくこんな凶悪マシマシな曲作れたなぁって自分に感心する日々です。
2nd Breakの聴くからに凶悪なリード音がめっちゃ好きです。なんか世界の終わりを告げるような音になってて、もう笑うしかないですよね。

6. Heat Your Engine

Tanukichi氏が主導となって推し進めている4x4 Drum'n'Bass(フォーバイフォードラムンベース)を自分の解釈で作ってみた曲です。
自分にはReese BassやNeuro Bassを作る才能はないので、派手なベースを元にドカドカならした音楽になってます。
1st Dropはすごい気に入っているのですが、2nd Dropの作りこみが甘かったなぁと思っています。
また機会があれば、今度は別の形でこのジャンルを書いてみたいですね。

7. Attractive Speed (Remaster)

自曲のトリを務めるのは、堅実なUplifting Tranceです。(面白みがなさすぎる。)
初出は、Trance Villageからリリースされた「WHITRANCE 02」です。
この当時、なぜか自分は「全トラックにコンプレッサーを刺せば音が良くなる!」という訳のわからん思想に取りつかれてて、その結果酷い音源になっていたのはいい思い出です。
ここ最近のUplifting Tranceって、最初のドロップがElectro系のようなTranceとは無縁の音を使う曲を見かけるようになりました。
また、この時期自分の作風がよくわからず、自分の中で悩みながら作った曲です。
ピアノフレーズ直後に来るデカいリード音が好みです。あれこそTrance!って感じがして満足しちゃいます。

8. Devastating Fangz -D_KLUB's Another Vision-

来ましたよ、リミックス編!!
そのトップを務めるのは、Dynamixなどで音楽を出しているDragon_Klub氏です。

彼と知り合ったのは、彼がリリースしたEP「Dragonewt」まで遡ります。このCDのクロスフェードを聞いて「超カッケェ!!!!」となって、そのCD購入したんですよ。
そこでとあるトラブルが発生したのですが(すごい中が悪くなったとかそういうのじゃないですw)、なんやかんやあってそこから仲良くなった経緯があります。
Devastating FangzというゴリゴリのDubstepが、ここまで哀愁漂うMetalstepになるとは、いつ想像できただろうか。
そんな衝撃が今でも鮮明に蘇ります。
ちなみに作者曰く、「1日で作った。」とのことです。うん、有能すぎて頭が上がりません。
Dragon_Klub氏がいなければ、私がMetalstepを作ることもなかったでしょう。それだけ縁のある方に書いてもらったということが何より幸せです。

9. Girl in the Dancehall (Ru! Hz Remix)

次は、前作でも書いてくれたRu! Hz氏によるリミックスです。
彼とは、4年前に自分から合作を持ちかけ、それを承諾してくれた恩人です。(めっちゃ迷惑かけて大変申し訳ない💦)
それ以降、彼を私が所属するLIFE LIBERTY RECORDSに加入させたりと、かなり長い付き合いになっています。
この曲、K-POPサウンドを目指しただけあって、「彼ならうまく調理してくれるだろう」と謎の自信でステムを送りました。
そして聴いたら驚き!!Ru! Hz氏特有のサウンドがこれでもかと出ていて大満足!
彼のサウンドメイキングは俺には絶対真似できませんw
それぐらいすごい曲ということDA。
ちなみに、この曲のサウンドメイキングを本人自身がXにて公開されています。

自分も見ましたが、「これだけのサウンドがあの曲を作り上げてるのか」と、ただただ壮観でした。
興味ある方は、ぜひぜひ見てみてください。

10. !!BLAST-LAZERRRRRR!! (WIRED Remix)

続いては、Rawstyle界隈で今勢いのあるWIRED氏によるリミックスです。
彼を知ったのは、彼の楽曲「Make me sad」でした。

最初にこれを聴いたときは衝撃的でした。それまで聴いたことのない独特なRawstyle Kickが暴れていたんですから。
Rawstyleというジャンルは、製作者によってキックの個性が出やすい楽曲です。だから、彼の個性は本当に魅力的でした。
今回話を持ち掛けた際に、快諾してくださったことに感謝しています。
リミックス曲も、まさにユニークの塊。キックの配置、音、展開など彼を象徴するサウンドが詰まっています。
いわば、彼は「リミックス元の曲を自分の音楽センスに引き込む」才能があるんだと感じます。そういった意味では、他の方々も同じですね。

11. Attractive Speed (ZumaTK Remix)

続いては、トランス系の音楽に定評があるZumaTK氏のリミックスです。

彼と知り合ったのは、私が所属しているTrance Villageに入った時です。
その時、VIOLETRANCEというコンピ企画が持ち上がり、自分も参加しました。
リリース後、彼の曲を聴いたときはびっくりしましたね。「クオリティ凄い…」と。
その時、Tranceが徐々に書けなくなった自分にとって、衝撃ともいえるサウンドでした。
個人的に好みなのは、Hi-techに切り替わる部分。というか、全体的に疾走感がある中で、それを昇華できるジャンルへの切り替えは天才的だと思います。これは自分の中で、TranceとHi-techの親和性の高さを知ることができる出来事にもなりました。
(M3終了後、彼と一緒に飲みに行きましたが、とても気さくな人ですごく楽しかったです。)

12. MALICE KICKBASS (493Water Remix)

ラストを飾るのは、SDVXなどで有名な493Water氏のリミックスです。

彼を知ったのはかなり最近で、Dragon_Klub氏のEP「STRaTUS ClouDs」からです。
そこで、「Adranus (493Water remix)」を聴き、一瞬でファンになりました。
Uptempo Hardcoreを作っている人は、国内にそうたくさんいるわけではないのですが、彼の作るハードコアってどことなく「激しさの中に秘める美しさ」みたいな、他の方とは一線を画す曲だったんですよね。
この点、自分の作曲コンセプトと似ていることもあり、今回思い切ってお話を持ち掛けました。
その時に快く承諾していただいたことは、感謝しかありません。
曲全体がよりイカつくなったXtra Rawです。
とにかく強い。キックが強い。メロディが強い。全部強い。トリにふさわしい曲と言えます。
まあ、つまり、「最高!!!!!!!!!!!」

おわりに

以上、コメントどころか解説どころか、ただ思い出話に浸っているだけのような記事でした。
でもこうして振り返ると、自分もいろいろ考えながら曲を作っていたんだなぁと改めて感じます。
CDの再入荷をなるべく早くできるよう努力しているのでお待ちください。
DL版は、こちらから買えます。

次回は、前作のアルバム"Devastating Fangz"を解説する予定です。お楽しみに。


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