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りこちゃんと魔法の傘 10

昨日から雨が降り続いています。

「昨日は ひんやりしたけれど、今日は ちょっと蒸し暑い感じがするね。」
「ああ、かき氷、食べたいなぁ。」
「そういえば、この時期、京都に行った時に食べたかき氷、とっても美味しかったね!」
こざる達、うんうん頷きます。

そんなこともありました。

「りこちゃんと 僕たちで 京都に旅行に行った時、歩いていたらちょっと道に迷っちゃって…」
「そしたら、サーッと雨が降ってきて、りこちゃんがパッとあの傘を差したんだよね。」

明るい水色の傘は、その場をパーッと明るくしてくれました。

「僕たちも、慌てて傘を出して差して、でも雨がザーって降ってきて、それで雨宿りしようと 目の前のお店の軒下に入って…」

そこは甘味処でした。

「これは きっと、ここで一休みしなさいっていうことなんじゃない? って言って、それで入ったんだよね。」

ガラガラと戸を開けて入って、落ち着いた居心地のよい感じのお店に 皆、ホッとしました。

「蒸し暑かったし、喉も乾いていたから、皆、かき氷を頼んだんだ!」

きめの細かい氷で出来たかき氷は、とってもとっても美味しかったのです。

「りこちゃんも、僕たちも、にこにこしながら食べたのを覚えているよ。」
「冷たいかき氷の水分と程よい甘さとが、体中に染み渡っていって、本当に美味しかったなぁ。」
「道に迷って、雨が降ってきて、よかったねって皆で話したよね。」
「食べ終わって、そしたら お店の人が、温かいお茶を持ってきてくれて…」
「あのお茶も美味しかったね。」
こざる達、うんうん頷きます。

一休みしていたら、雨が上がって 青空になりました。
お店の人に道を教えてもらって、すぐ近くだった 目指していたお寺に無事に辿り着きました。

話は続きます。


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