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2015年LGBT当事者アンケート ~2,600人の声から~ を見て

2015年にNHKとLGBT法連合会が合同で行ったLGBT当事者アンケートを見る機会があった。この調査は、渋谷区、世田谷区でパートナーシップ宣誓制度が始まる前、2015年10月に21日間にわたり行われた調査である。

これをみて驚いたのは、調査に回答した年齢層が幅広いということだった。そして、回答の半数を占めていいたのが、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、愛知だったのだ。また、以外だったのは福岡、宮城の回答数が多くなかったこと、北陸は石川の回答数が多めだったことだ。

なんと、驚くべきは、カミングアウトを約94%の人が行っているのだ。この結果を見て、僕が思ったのは、50人以上にカミングアウトをしている人の割合が24.2%と多くなっているのは、アライ、LGBT当事者の友人・知人にカミングアウトしているケースが考えられる。また、カミングアウトを1~4人の場合、家族にカミングアウトしている割合がグーンと減るんじゃないかなって思った。

2015年のLGBT当事者アンケートでは健康面にも触れている。LGBTであることで健康に影響があった、ややあったを含めると、なんと60.2%となっている。本当に健康に影響がなかったかという点においては大いに疑問が残る。
と、いうのは、どの程度の人がストレスを認識していたかがわからないこともある。だから、「本当に?!」って結果かもしれない。

住まいに関するアンケートの項目では、約4割近くも実家暮らしだったのだ。10代の回答があるから仕方ないのかもしれないが、10代を除くと約3割もの人が実家暮らしということが調査結果から見えてくる。

僕自身、19歳から一人暮らしをしていたこともあるので、この結果は何ともまぁな結果といえるかなって思う。

そして、アンケート内ではパートナーについても聞いている。

パートナーに関するアンケート内容では、無回答の人が2.3%いるのだ。これは、アンケートに答えながらLGBTだと思われるのを好まない人が一定数いることが考えられる。

なにより、パートナーと同居しているかどうかを聞かれた時、無回答とする人も1.1%いるということは、パートナーがいてもクローズにしておきたいという心情が垣間見れると思った。

この2015年にNHKとLGBT法連合会が行ったアンケートは、渋谷区、世田谷区でパートナーシップ制度が導入される直前の10月に行われているので、パートナーシップについても聞いている。

アンケートでは、パートナーシップ制度を申請したい人、パートナーができたらしたいと思っている人は約8割強の人がいるのだ。理由は様々あるのだが、一番多い理由としては、医療の現場で家族として扱ってほしいというところが大きいようだ。

また、結婚についても聞いている。その中で同性婚をしたいと思っている人が7割もいるのだ。それに対し、結婚までは望んでいない人が約3割となった。

結婚に対する質問内容から見えてくるのは、

  • 意図しないカミングアウト

  • 地域格差

  • 家庭環境

  • カミングアウトに対する考え方

などが、LGBTの結婚観に繋がっていると思われる。

今回の記事を書くにあたらり、2015年のアンケート記事を見たのだが、2022年11月であってもLGBT当事者を取り巻く環境は、パートナーシップ制度を導入する自治体が増えたとはいえ、あまり変わっていないんだと感じた。

そして、LGBT当事者は多様な生き方を望んでいるが、それに対して、社会の風潮、社会制度が追い付いていない。なので、当事者差別という問題も解消されていない。

それにLGBT・・・とりわけゲイの人を取り巻く問題というのは、見えない問題として残り続けている。

もう少し、当事者が自分たちのことをしっかりと考えていく必要があるなと感じさせられた。

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