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価格を下げずに支払を下げる!?

1920年代、米自動車メーカーのフォードとGMは激しく競争していました。
フォードはT型フォードという単一車種を大量に生産し、品質と価格でGMに勝っていました。対するGMは、大衆車から高級車まで幅広くラインナップし、顧客のニーズに応えることでフォードに対抗していました。しかしGMは、価格で圧倒的に有利なフォードの市場に食い込めずにいたのです。

そこで考えられた奇策は、「価格を下げずに支払を下げる(!?)」という戦略だったのです!それによってGMはフォードの牙城をついに崩すことに成功したのです。

自動車を世界で初めて割賦販売する


当時、金融業界とのつながりが強かったGMのCEOピエール・S・デュポン氏は、自動車を割賦販売するというアイデアを思いつきました。いまでは当たり前ですが、当時としては画期的な手法だったのです。

フォード車を購入するには納車と同時に全額代金を支払わなければいけなかったものを、GMはわずかな頭金と月々の支払いだけで、いままで購入をためらっていた人にもその日からキャデラックに乗れる道をつくったのです。

もちろん消費者は利息を支払わなければいけないので、トータル的な支払額は増えますが、分割にすることにより購入しやすくなるだけでなく、価格さえも安く感じてしまうのです。

同じような手法を用いて成功したある日本の家電通信販売の会社が日本にもあります。そうジャパネットたかたです。

ジャパネットたかたの巧みな戦略


ジャパネットたかたは数万円する家電製品をお買い得価格にするだけでなく、毎月々の分割払いにすることにより購入しやすくし、さらには金利手数料はジャパネットたかたが負担するという徹底した価格戦略をとりました。

購入することへの消費者の金銭的負担だけでなく、心理的負担さえも取り除いたのです。

憧れの高級一眼レフカメラが、月々3千円から購入できたとしたら、つい注文してしまうのではなでしょうか。

いまでは自動車のリース販売やサブスクリプションモデルなど様々な価格戦略が存在します。どれが正しいかは別として、たとえ同じ物でも、同じ価格でも、購入のしやすさひとつで顧客心理は大きく変わってくるのです。

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