「アフリカの夜」㉙吸引力半端ない衝撃シーン

ドラマ「アフリカの夜」。このドラマが好きで何度も見て来たけど、感覚人間の私は、具体的にどこが好きなのか考えて来なかった。

きっとこのドラマのことは、これからも好きだと思う。しかし、少し距離を置いて、次の好きのステップに行くことができるように、全話文字起こしをしてきた。

ぼんやりとではあるが、見えてきた。例えば、自分を八重子に投影させて、礼太郎やみづほに「道は開かれている」って励ましてもらっていたんだなぁとか、緑のセリフにあるような常識を疑う物の見方や、メゾンアフリカの住民たちの関わりが好きだったんだなぁとか。

しかし、それだけでない。このドラマをついつい観てしまう吸引力として、衝撃シーンがある。

1話ラストから2話のトップシーン
八重子の元婚約者史郎が、復縁を迫って現れる。
雨に濡れるのも気にせず、ヤバい目つきでやって来る。

その時、雨の中に史郎が現れる。
八重子「……!」
礼太郎「……?」
有香「……?」
緑「……?」
史郎、礼太郎と有香の前を通り、八重子に向かって、ゆっくり歩き出す。
史郎「(ブツブツひとり言のように言っている)俺は無実だ」
八重子「……!!(金縛りのようになって動けない)」
一同、史郎にただならぬ気配を感じる。
史郎、突然、速度を上げて、八重子に向かって突進する。
史郎「俺のどこがいけないんだーー!俺は会社のためにやったんだ!お前は俺のもんだー!俺のもんだー!」
八重子「(恐怖で声がでない)」

大石静「アフリカの夜」第2話より

第3話では、みづほが3階のベランダから飛び降りるシーン。
警察が逮捕しに来たと勘違いして飛び降りる。
しかも、着物に草履で。足はくじいてしまうが、そのまま走って逃げる。

○メゾンアフリカ・1Fエントランス
帰宅する八重子。
みづほが3Fベランダから下を見ているのを見つける。
八重子「……!」
以下、適宜みづほと八重子のカットバック。
みづほ「(ハァハァハァ)……」
八重子「……」
みづほ「(飛び降りて)ひゃー……」
八重子「!!!」
みづほ「(着地し痛い)……」
八重子「(唖然)」
みづほ、すぐに立ち上がり、足袋で駆けて行く。

○同・礼太郎の部屋・ベランダ
礼太郎、玄関で警官と話している。
ヘリコプターの音がしている。

○路上
足袋で駆けて行くみづほ。
みづほ「(野獣のような息づかい)……」
みづほ、角を曲がると、有香が歩いている。
有香「あ!おかん!」
みづほ「(構わず走る)……」
有香「(みづほを追いながら)待ってよ、待ってよ。私、今からCMのオーディションなんだけど、羊羹っていつの時代から日本にあんの?」
みづほ「(有香の元へ方向転換し)……一度しかない人生。幸せになれ!……諦めんな、後ろを振向くな!……」
有香「ねえ、どうしたの、裸足で……?」
みづほ「不退転の覚悟で生きろ!いいね!」
と、再び去って行く。
有香「……不退転?何ソレ?」

大石静「アフリカの夜」第3話より

ただ衝撃であるだけでなく、みづほが切羽詰まって逃げる時に有香に「不退転の覚悟で……」と言うことで、有香の人生も大きく変わるきっかけとなる。


史郎が逮捕されて八重子を追いかけ回している記者が、八重子の居場所を突き止めて、しつこく追いかけてくる。
路上で話掛けたり、塾に電話したりと……
そんな記者を撃退したみづほの一言。

記者「ちょっと」
みづほ「ああ、いらっしゃい!何か?」
記者「あ、あの、杉立八重子さんのお知り合いですか?」
みづほ「あんたこそ、誰?」
記者「杉立さんの取材をしている者なんですけど、ね?お話伺えませんでしょうかね?」
みづほ「フフーン、アタシはね、あんたが誰かって聞いてんのよ」
記者「アハハ、(名刺を出し)日刊ゴールドの堀田と言います」
みづほ「……(名刺を見て)フlン……フフフ……出て来なさいよ。こんなヤツにビビってどうすんの?」
八重子「……」
八重子、記者に正面から向かい。
八重子「私は、何も悪いことをしていませ。なぜ、私を苦しめたいんですか?」
記者「あんたは関係無いって言うけどさ、アンタが火野史郎とデートで使った金、飲んだワイン、結婚式の費用、それみんなあいつが使い込んだ金なんだよ。そこんとこ、分かってんのかな……?」
八重子「だったら、勝手に書いたらいいわ!」
みづほ「……」
八重子「興味本位で書くならどうぞ」
みづほ「……」
八重子「私はもう負けませんから……好きにしたらいいわ」
記者「フーン、強くなったね?こりゃ面白いわ、ははは」
みづほ、記者をはえたたきで叩き、名刺をびりびりにする。
みづほ「フッ」
記者「……」
みづほ「(記者の耳元で)殺す……」
記者「えっ……?」
みづほ「……」

○あの日・あの時~みづほの回想
酒乱の夫に、暴力を受けるみづほ。
みづほ「いや、いや、きゃー」
みづほ、左手の傷から血が出る。
みづほ「(恨み)……」
夫を殴るみずほ。

○元の店内
みづほ「書いたら……殺す」
記者「……!?」
八重子「……!?」
指名手配のポスター

大石静「アフリカの夜」第4話

室井滋さんの顔が、この時は殺人犯の亀田伸枝と分かる表情でおそろしい。
命の危険を感じたのか、このあと記者は仲間に八重子を追うのはやめると言うシーンがある。

要所要所で、亀田伸枝が夫をアイロンで撲殺して庭に埋めるシーンも入ってくる。

そう考えると、衝撃シーンを担ってるのは、火野史郎とみづほなんだなぁ。

第5話からの衝撃シーンは、次回で書こうと思う。

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