医療事務が脳梗塞で入院した話・その21

売店に行ったときに、髪をしばる輪ゴムを買いました。

もともと昔から髪は長くしているのをひとつに縛っていました。髪が肩につくくらいになったら縛ること、と所属していた業務委託会社の規定に書いてあるので。会社の規定では髪の色も決まっていましたので、この20数年色など入れたことはありません。そもそも勤め先は病院ですし、髪の色を明るくしようものなら病院のご意見箱にクレームとして投書が来ますよ、実際わたしじゃないけど来たことありますよ。まあそれはどうでもいいんですが、わたしは髪の量が多いので、太い髪ゴムでひとつに縛ると縛ったところがかなり大きくて当たると痛いし何かとジャマです。

そんなわけで、職場から直接この病院に来てそのまま入院になったので、髪はひとつに縛っていたまま、つまり髪ゴムは使っていたひとつしか持っていませんでした。それで、複数にするために買いました。

なぜ複数にしたかったか。ずばり左右に2つに分けて縛りたかったからです。縛ったところは半分の大きさになりますね。

それより、アラフィフのおばさんがツインテール!?なんじゃそりゃ!?とか思いますよね。わたしもそう思います。

でも、髪を2つに分けて縛って、仰向けに寝た時に髪ゴムでしばったところが頚椎に当たらないようにしないと、不便だったのですよ。

不便というか、痛かった。

MRIを撮るときに仰向けになって寝ると、ちょうど後頭部に当たってかなりジャマです。痛いです。特に入院中は何もしなくても頚が痛くて、髪を縛ると尚更痛い、つまり頚や頭に何かあるともう痛い、という感じだったので。そもそも、枕があるだけで頚が痛いからセブンスピローなんか注文しちゃったんだからして。セブンスピロー、かなり低いんですよ、枕の高さ的に。

そんなんだったら、そもそも髪を縛らなければいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、縛らなければウザさと重さが増します。この時点で美容院には1年くらい行っていなかったので。

そんな感じで、頭や頚への刺激はちょっとマシになったけど、アラフィフのクセに左右違う蛍光色の髪ゴムでツインテールにしているイタイおばさんが出来上がりました。

SCUから一般病棟に移って何が変わったか。その1つなんですが、

朝イチで前日に何回トイレに行ったかと便が何回出たかを訊かれるようになりました。

そんなんいちいち覚えとらんわ。

これって毎日報告しないといけないっぽいけど、昨日何回トイレに行ったかとか全然覚えてないわ。ていうか、皆さん日常的に1日何回トイレに行ったかとか数えてますか?覚えてますか?わたしは覚えていません。朝はなんだかんだで起きてから仕事が始まるまでに2回トイレに行きますが、習慣として自覚しているのはそこまでです。

しかも、それだけではなくてですね、言語療法士に「朝昼夕食を何分で食べられたか測っておいてください」と言われたところだったのですよ。

そっちはもう本当に覚えられない。無理。

というわけで、売店で小さいメモ帳を買いました。

その前に、入院したての頃に、この入院はあとでなにがしかのネタになるから取りあえずメモっておこうと思って、ダンナちゃんになんか書く紙買ってきてと頼んでレポート用紙を買ってきてもらってはいたのだけど、いざ白い紙を目の前にすると、頭の中のぐるぐるはちっとも文章にならなかったので、このシリーズは同じ事が何回も書かれていたりするのですよ。もう時系列がわからない。

取りあえず4月16日つまり入院して1週間後くらいに食事にかかった時間を計るように言われたので、その翌日辺りから食事の時間はレポート用紙に書いてはいたのだけど。

食べ始めた時間をメモしておきながら、食べ終わりの時間を書き忘れるとか連続でやらかすんだけど。

そもそも、レポート用紙のA4版の紙は入院環境には大きすぎた。まあ、A4の用紙よりA6のメモ帳の方がジャマにならなくていいので、サイドテーブルには常にA6のメモ帳がスタンバイ、という形になった。

毎日、日付と曜日と、
朝食 7:37~8:02
昼食 12:00~12:25
夕食 18:15~18:50 のように時間記入。最初は何分かかったか計算してたけど、それも途中で面倒になってやめていた。
トイレ小 正の字で回数を数える
   大 正の字で回数を数える

一般病棟にいるときはこれだけ書いていたが、そのうちリハビリのスケジュールも書くようになった。あと、売店の営業時間とか休みとか。

これでわかったことは、入院したばかりの頃は食事に1時間近くかかっていたけど、病棟を変わる頃には25分から35分くらいで食べられるようになっていたということ。いや、ひょっとしたら1時間近くかかっていたというのは食べるのがしんどかった自分の勘違いで、本当は40分から45分くらいで食べていたのではないかという気がしているのだが。

食べている間に看護助手さん達が何度も食事を下げようと見に来るのですが、さすがにそんなに速くは食べられない。SCUの皆さんはわたしが食べるのに時間がかかる人だと割とすぐに察してくれたけど(だって飲み込めないんだよ)、一般病棟に移ったら同じ様に急かされる感じになったため、食事が終わったら自分でお盆を片付けに行きます、ということにしてもらった。メモを見ると、食べるのに30分もかかってはいないことが多いのだが、他の患者はそんなに食べるの速いのかと、むしろそちらの方がびっくりだよ。

わたしは子どもの頃、給食を食べるのがとても遅い子で、給食後に昼休みになるんだけど、その昼休みは殆ど給食食べるのに費やして終わってたからね。おばさんになっても給食食べるのが遅かったとはね。

いや待てよ、そうじゃない、今のわたしは嚥下障害でリハビリしているのではなかったか。食事時には必ずお茶を飲んで喉に溜まる食物を流し込めとか、そのお茶にはとろみ剤を入れてぐるぐるかき混ぜるとか、飲み込むときは右を向いてごっくんってするとか、そもそも目の前にあるのは噛みようがないペースト食とか、そのペースト食もなかなか飲み込めないとか、要するに、飲み込むのが大変だから時間がかかっているだけなのでは!?

SCUにいた頃は周囲と比べても食事に時間がかかり過ぎで疲れてたけど、一般病棟、というか個室に入って周囲があまり気にならなくなり、食器を自分で下げに行くことにしてから、随分気がラクになりましたね。

ていうか、飲み込めないって大騒ぎしてますが、わたしとろみ剤は備え付けのスプーンすり切り1杯なんです。

これ、軽症ってことでいいよね。だってとろみ剤のパッケージの説明書見てると、2杯3杯入れる人いるみたいなんだもん。

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