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レボリューション・デザインで回転しよう!

この20年の間にいくつの「〇〇デザイン」が生まれたのでしょうか?

デザインが関われる領域が増え、これまでの一般的なデザインの常識だけでは通用しない、専門性が必要な領域に進出したことの裏返しでもありますが、新しいデザインを追求する中でデザインの手法や思考を生み出してきたと言うこともできます。

デザイン経営、サービスデザイン、コミュニティデザイン・・・などなど。

私も何か新しいデザインを考えてみようと思い自分がこだわっているデザインに名前を付けることをしています。

例えば最近のマイブームなのが「Atomic Design」と「Cosmic Design」です。個別製品開発とシステム全体開発に名前を付けることで、チームの中で改めてデザイン対象をリフレーミングしてもらえます。

この視点は、数年前から話題になっている「デザインシステム」の考え方を自分なりに整理した結果、2つのデザイン領域に分けておかないと、デザインチームが混乱してしまい不幸になると気付き作りました。

実はその整理の時にもう一つ考えていた視点が、今回の記事のタイトルになっている「レボリューション・デザイン」です。

レボリューションとは「回転」という意味で、回転させるものは「開発”対象”のデザイン」と「開発”環境”のデザイン」です。

開発対象のデザインは従来から「デザイン」と言われていたものです。

では開発環境のデザインとは何かというと、デザインに必要な周辺情報やツールなどを揃えることです。プロジェクトマネージメントのさまざまな書類はここに相当します。

開発環境をしっかりと整えることによって、本当に価値のある使い易い製品をデザインができるのです。

対象と環境の2つのデザイン領域を、短期間に相互に実行していくイメージから回転を意味する「レボリューション」としました。

同じことを繰り返すのではなく、回転させながら改革していくことで、ストレスを減らしながら、デザインを加速していくイメージとも重なります。


アジャイル開発とスクラム朝会

回転サイクルには時間あたりの回転数=周期があります。

製品開発やデザインが一段落したところで「振り返り」ミーティングをおこない、次期製品開発に申し送りすることは従来も行われていましたが、これでは製品開発期間が長くなれば周期も長くなってしまいます。

レボリューション・デザインでは、アジャイル開発が基本になります。

アジャイル開発では、単に開発範囲を細分化、ステップ化して、短期間に実行できるようにするという特徴(スクラム)の他に定期的なミーティングを実施するという特徴があります。

単なる反省会にせずに、今日(今週)やることをお互いに確認する宣言会にするために朝におこなうことが多いみたいです。「スクラム朝会」や「スタンドアップ・ミーティング」と呼ばれています。


6割は開発”環境”に対しての、不満・提案に費やす

スクラム朝会で話す内容は、開発対象に関することが多くなり勝ちですが、開発では通常問題が発生するため、開発課題が増える一方になりチームにストレスが溜まってきます。

そこで大切になるのが「開発環境」に対する不満や提案といった発言です。

不満に思っていること、それに対する改善提案を話題の中心にしていけば、開発対象をただ開発したり改善するだけでなく、具体的にストレスを無くして効率的な開発ができるようになります。

レボリューション・デザインは、スクラム朝会で開発環境をみんなでデザインし、その後各自の作業で開発対象をデザインするというサイクルを回していくことで実現していきます。

開発対象と開発環境の2つのデザインに分けて議論することで、たとえ開発対象がウォーターフォール型であっても、開発環境に対してはアジャイル型の開発をおこなえるのです。


開発環境のデザイン

デザインシステムに必要なガイドラインやテンプレートなどは開発環境デザインの成果物になりますが、もっと具体的で身近なものの方が大切な場合があります。

例えば具体的にペン立て、小さな看板、キッチンタイマーを誰かが買ってくれば、ちょっと環境を整理整頓しようとか、メッセージをみんなに出そうとか、作業リズムを見直そうなどのメッセージになります。どれも100均に売っているものですので自由に買ってきて良いルールにすることもできます。

デザイン環境を良くすることに軸足を置くことで、メインのデザインの効率と品質が上がり、結果として良いデザインチームができてくると思います。


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