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デジタルツインとプロトタイピング

例えば「写真を撮ることと写真をシェアすること」が組み合わされることは現在では当たり前のことになっています。

このように、フィジカルな活動とサイバーの活動が繋がることで体験価値を最大化し社会を豊かにしていこうというのが内閣府などが推進している「Society 5.0」です。

グループ 1

内閣府資料より


フィジカルとサイバーの組み合わせ

「情報と実行」と言い換えることもできます。この順番には前後両方のパターンがあります。

予定の後で活動する場合と、活動の後で記録する場合です。実際のケースでは記録が次の予定の動機となりサイクルを形成します。

このサイクルを生み出すことが、デザインの中心になりつつあると感じます。人が活動をするためには何らかの動機を持つことが必要ですので、そこをサイバー空間を利用して増幅することで、ユーザーとの接点を増やしてサービスを向上させたり、マネタイズしやすくしたりする仕組みと合わせてユーザーの活動を活性化していくことが大切になってきています。


デジタルツインとプロトタイピング

工場などのフィジカルな世界をセンサーなどを使ってデジタルデータに置き換えてサーバーの世界で様々なシミュレーションをしていくことを「デジタルツイン」と言います。IoTの進化によって実体と仮想が一致した状態です。

先に実体があり、そこからデータを集めてデジタルツインを生み出します。仮想の世界でシミュレーションをおこない仮説が作られます。

仮説を元にしたプロトタイピングでは逆の流れがおこなわれ、実体によって検証されその結果がデジタルツインに反映されることで、フィジカルとサイバーの融合を加速していくことができるのです。


テック企業とメーカーが狙う大きな世界

GoogleやSonyが自動車を作るように、サイバー世界のテック企業はフィジカルな領域へと進出してきています。GoogleGrassやHoloLensも同じ文脈の中で生まれてきたものです。

逆にカメラメーカーが写真シェアサイトを運営しているのは逆のパターンですが、あまり積極的にデジタルツインを目指しているようには見えません。

日本のメーカーは、工場のデジタルツインには投資するかもしれませんが、UXデザインのためにユーザーサイドのデジタルツインを提供する意識が弱いように思います。そのような状況を変えるために開発部門・製造部門に集中する権力をマーケ部門・デザイン部門に移していかなければなりません。

フィジカルからサイバーへデータを取り込むデジタルツインでは、圧倒的にフィジカルに接点を持つメーカーが有利な立場にあり、主導権を握ることができると考えています。2020年代の早い時期にそのような状況を作り出せるように社内外で活動していきます。

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