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CP+2019 振り返り

今年のCP+は業界的にはちょっと異様な緊張感の中で開催されました。
ニコン、キヤノンから新マウントが出て最初の開催であり、またオリンピックの前年ということで、各社からフラッグシップ機やハイグレードレンズが多数展示されて、さらにオリンピックとは多分無関係のGRがお披露目されるという、なんだか良くわからない盛り上がりでした。

その他には、ユーチューバーの扱いが少し大きくなり、女子カメラは展示としては扱いが減った年になりました。(その分Photo Weekendの方でセミナーや映える撮影スポットで盛り上がっていたので、今後役割をて分けていくのかもしれない)

主催者発表の総来場者数は

過去最高の 6万9,615人

となっており、4日中3日も雨が降ったにもかかわらずお客様に来ていただけたので、世の中のカメラや写真に対する熱量は落ちていないことが証明されました。

私は3月2日(土)にCP+へ参加しましたが、その日は23,730人が来場し人、人、人で過去最高の来場者だったみたいです。

私はこんな体験した

私がCP+に参加する理由は、次の3つが中心になります。

①写真の楽しさを改めて感じる (カメラマンのトークショー、モデルさん撮影)
②最新カメラのUIを確認する (モデルさん撮影)
③会場の雰囲気や各社の展示をみて業界のトレンドを感じる (撮影体験被写体の観察、カメラマン作例、その他特別展示)

この他にもCP+の楽しみ方は、セミナーへの参加や、コンパニオン撮影、物品の購入などたくさんありますが、1日ではすべてを実行することは難しい状況になってきているので、テーマを絞らなくてはならなくなっています。

その中から長い列に並んで体験してきた機種について簡単にまとめておきます。

パナソニック Lumix S1R (データ持ち帰り不可)

今年の「みんなが気になるカメラ」No.1だったのがLumix S1です。
ハイクラスのフルサイズミラーレスとして最後に出てきたもので、多くの人が手に取れる初めてのチャンスとなりました。

これまでマイクロフォーサーズのLumixを使っていた人にとって気になるだけでなく、重厚な一眼レフ機を使っていたユーザーからも軟弱なミラーレスの中でも骨のあるカメラとして一目置かれている感じがあり、多方面からの注目を集めていました。

私はLumix G9PROを普段使っていますが、手に持った感想はステップアップを実感できる良い距離感だと思いました。風格が一段上と感じる一方で、武骨で線の太い感じは共通の雰囲気をもっていることを確認することができました。
上手い距離にポジショニングできていると思う一方で、レンズシステムを含めた大きさでは、やはり多くのユーザーにとってはそれなりの目的や理由が必要なカメラだと思いました。

画質と耐環境が理由になるというコンセプトですが、普段から重厚一眼レフ機を使っているユーザーからは「だったら一眼レフでいいじゃん」となるような気がしました。
もっとミラーレスのメリットが伝わった方が良かったのではないかと思いましたが、実際はどのような感想を持たれたのかとても気になるところです。

画質については、今回はSDカードによる持ち帰りができなかったことから、撮影結果は分かりませんでしたが、ファインダーが奇麗だったので、上手く撮れた気分になりました。やっぱりファインダーは大事ですよね。



ソニー α9 Ver.5.0β

今回のCP+に10時から18時までいた中で、満足できたのは2機種だけでしたが、その中の一つがα9の新しいファームウェアです。

ミラーレス機がオリンピックの競技撮影に使われるとすれば人物認識、瞳認識の価値が認められた場合だと思っているので、今回はやはり王者ソニーの技術が気になり体験をしてみました。

新しいファームウェアでは、半押ししただけで瞳にフォーカス枠が表示されるので、とても楽しく撮影することができました。
瞳にAF枠がつくと、モデルさんとの関係が強くなったように感じるのは私だけでしょうか?(笑)

私はモデルさん撮影で楽しみましたが、肝心のスポーツ対応はどうなのかと思い瞳AFに詳しそうな説明員にスポーツへの対応を聞いたところ「オリンピックでも十分に使える性能」との言葉がありました。

EVFのタイムラグを帳消しにする丸取り連写と合わせて、本気でオリンピックでプロカメラマンが使用するカメラになっていきそうです。



リコー GR III

私のGR Digital IIの使い方はマクロとモノクロに特化していますので、そこを中心に見てきました。

マクロ性能は、小さな花や虫は寄り切らないレベルでした。通常域の描写性能やレンズ部のサイズなどトレードオフの関係なのですが、究極のメモ&作品カメラとしては、もう少し被写体領域が広い方が良かったと思いました。

マクロONにして、最大寄った状態

ただクロップモードを上手く使えば、画素数や解像感の許容範囲で、マクロ的な使い方ができますので、マクロONでクロップ選択できるなどUIで工夫すれば楽しいカメラになるかもしれません。

もう一つのモノクロの方は、モノクロモードが4つもあり、さらにFnボタンで詳細のパラメータを調整できるので、オリンパス PEN-Fのモノクロプロファイルにような楽しみ方ができるのではないかと思いました。

こんな違いが出せる

ユーザーが画作りがを楽しむカメラでは無いかもしれませんが、重厚な表現の中にハッとする華がある写真が撮れないと値段にマッチしませんので、メーカー側で追い込むのか、ユーザー側に追い込みUIを提供するのか、しばらく注目してみたいと思います。

パラメータ的にはしっかりと「表現」できるカメラに仕上がっている



富士フイルム GFX 50R

今年の新製品ではありませんが、普段は使えない高級なカメラを体験してみるものCP+の楽しみですので、フルサイズよりも撮像素子の大きい中判フォーマットのGFXで撮影してみました。

体験のポイントは2つあり、ひとつは大きなボケを活かしたポートレートの美しさと、もう一つはフィルムシミュレーションの操作性です。

ボケの楽しさは写真を見ていただくとして、富士のカメラが欲しいと思ったのはフィルムシミュレーションの操作方法が、思っていた以上に多様で日常的だった点です。

フィルムシミュレーションはX-T3から、落ち着いたヨーロッパの映画を思わせるETERNAが加わり、それまでの人物の肌や自然の緑などを被写体を美しく見せるものから、より画面全体でストーリー性を持たせた表現ができるようになり選択の幅がでてきました。

これまでは「お気に入り」のフィルムを設定して、ずっと使い続けるというのが基本的な使い方だったと思いますが、表現に幅がでてきたことで、シーンや被写体によって最適なものに切り替えたり、また同じシーンでも複数の表現を切り替えて、全く違った雰囲気を出すなど、より日常的な切り替えを意識したUIが用意されていることが分かりました。

今回試したUIは、EVFを覗いたままで、液晶モニタのタッチパネルの右端を中央に向かってフリックするとフィルムシミュレーションの選択メニューが表示され、そのまま縦にドラッグすると、フィルムを変更することができる方法です。

背面の液晶では分かりにくかった微細な違いも、EVFでその効果がハッキリと確認でき、改めてフィルムシミュレーションの特徴を感じることができました。

この他にも、カスタムボタンに割り当ててダイヤルで変更する方法などがあるとのことでしたので、こんどカメラ店でじっくりと試してみたいと思います。

あー楽しかった。 来年もいきたいな。

※noteの仕様で10MB以上の画像がアップできないので、全てリサイズしてあります

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