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デジカメ業界のトレンドを俯瞰する<2022年>

一時は死んだようになっていたデジカメ業界ですが、CANONやNIKONの復活によってちょっと面白くなってきているのでこのタイミングで俯瞰しておきたいと思います。

市場には色々なランキングが出ていますが、それらを年間を通して見ている私が感じている業界形勢になりますのでよろしくお願いします。(いわゆる個人の感想です)

今回の記事では併せていくつかの注目しているトレンドについてもまとめておきます。


フルサイズが市場を安定させている

一眼カメラの売上ランキングでベスト10を構成しているのが、SONY、CANON、NIKONの3社です。新製品が出たときはその他のメーカーも瞬間的に入ってきますが、年間を通してこの3メーカーが占めています。

デジカメが登場した2000年代前半には半年ごとに新製品が出て、前の機種の性能を超えると共に価格が安くなるような激動の次期が続きました。その後は一眼レフかミラーレスか、APS-Cかフォーサーズかというような取捨選択期が長く続きあって、よくやくフルサイズ+ミラーレス+新マウントで安心してシステムを育てていくことができるようになってきました。レンズラインナップを見てもハイグレードのものが売れており、その背景には将来に対する安心があるはずです。

まとめると3つのキーワードが見えてきます。

ミラーレス

フルサイズ

APS-C兼用マウント

3つめの「APS-C兼用マウント」はフルサイズの普及に無関係のように思いますが、安価にサブ機を持つことができたり、望遠系の画角を1.4倍に伸ばして使えるなどシステム導入にあたり重要な存在となっています。その点で現在売れているメーカーは条件を満たしています。

同じようにフルサイズ機を出しているPanasonicはマイクロフォーサーズとの関係からフルサイズ用マウントでAPS-C対応をやりにくい状況ですが、SIGMAの方がその制約はありませんので、シネマカメラとVlogカメラを兼用したような「fp c」が出てくる可能性があります。


デジタルを楽しくする小フォーマット機

OMDS、Fujifilmのようなフルサイズ以外の選択肢によってデジタルならではの機能や価値を楽しむことができています。

画素数やレンズのボケではフルサイズ機に対して不利な小フォーマット機ですが、フィルムシミュレーションやコンピュテーショナル フォトグラフィによる表現の幅を楽しむことができます。

技術的にはフルサイズ機でも同じことができますが、フルサイズの保守的なイメージとは違い、小フォーマットは果敢にデジタル表現を進めていますので今後進化の差が大きくなっていく可能性がありそうです。

またレンズを含めた機動性の高いシステムを組むことができ、フィルム時代のフォーマットに縛られない小型軽量の価値を訴求しており、その点でも一定のシェアを持ち続けそうです。


高級コンパクトカメラは不滅

Richo GR、Leica Q2は安い一眼カメラが買える価格帯にもかかわらず販売ランキングの上位に登場しており、良いものを長く使いたいという意識の表れに感じます。

コンパクト(レンズフィックス)カメラの魅力は、お気に入りのレンズ1本であれこれ悩まずにサクサクと撮影していけるところです。つまり道具としての透明性が高く被写体と自分の意識をダイレクトにつないてくれる感覚が魅力なのです。

一般にコンパクトカメラはスマホのカメラ性能の向上によって完全に市場を失いましたが、高級コンパクトには何か心理的な魅了が存在します。スマホも道具としての透明性がありますが薄いプラスチックのような感じです。一方で高級コンパクトの方は厚みのあるガラスを通した深みのある透明性のような感じがします。


アクションカメラは多様性

カメラメーカーが挑戦したアクションカメラはことごとく失敗に終わりましたが、アクションカメラを中心にした新興メーカーはしっかり市場を作り上げました。GoPro、Osmo、Insta360が代表的なところですが、それ以外のメーカーからも沢山の製品が販売されています。

アクションというとスポーツシーンを想像すると思いますが、もう少し広くアクティビティカメラとして裾野を広げてきており、YouTubeやTickTokのような動画系メディアの撮影に無くてはならないアイテムになってきています。

特に重要なのが主観映像として手など身体の一部をフレームに入れてアクティビティを体験しているような表現にしたり、手持ち撮影することで恋人目線のように隣で体験しているような表現が生み出されています。


ドローンカメラはどこに向かう?

アクションカメラの派生として自分のアクティビティを撮影するだけでなく、自分では行けない場所を探索し撮影していくることができます。DJIが有名ですが移動機構が重要な機能になりますので、今後オモチャメーカーやロボットメーカーが参入してくる可能性があります。

究極のドローンと言えば、NASAのボイジャー、JAXAのはやぶさなどがあります。ちょっとだけ身近なところでは玩具メーカーのタカラトミーがJAXAと一緒に開発した月面ロボットが一般販売されるみたいですよ。


以上2022年の中間を過ぎた段階ですが今年のトレンドをまとめてみました。

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