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クリティカルシンキングとポジティブシンキングでつくる「シン・デザイン思考」

いま会社の研修として「クリティカルシンキング」のクラスに参加しています。昔から〇〇思考というものを色々と見聞きしてきたので、クリティカルシンキングも論理的思考の一つくらいにしか思っていなかったのですが、実際にクリティカルシンキング脳を持っている講師に接することで面白いことに気付きました。


クリティカルシンキングってなに?

「不足している視点を探す」「自分の常識を疑う」「根拠は何と聞く」など、ちょっと面倒くさい感じで仕事仲間としては良いけど、一緒に遊びにいくのはちょっとと思うような考え方をしたりします(笑)

クリティカルシンキングの本質は「批判的精神による客観的思考」にあると説明されています。だから決して意地悪でそういう事を考える訳ではないのですがパリピにはいないのではないでしょうか。

「立ち止まる」「振り返る」「周りを見渡す」というブレーキを掛ける思考は物事を次のステップに進めるときに重要になります。イノベーションのような大きな変化の時にはそれがどのように起きるかを想定しておかなければ意図的に起こすことはできませんので深い理解と言語化・共有化の作業として必要になってくるものです。


反思考としてのポジティブシンキング

クリティカルシンキングを学んでいるうちにその冷静さに対して何か反発したくなる気持ちが出てきました。いつもそういったテンションで仕事していないとダメ会社員ってことになるのか?と思いましたが、自分も一応大きな会社のプロセスに直接意見を言うような役割を持っていますが「さあ皆でクリティカルシンキングで進めましょう!」とは言いたくないのです。

基本的に現在の会社はロジカルシンキングやクリティカルシンキングで動いていて、そこに行き詰まり、不十分さを感じているのではないでしょうか。

その辺りを少し言語化していきたいと思います。

クリティカルシンキングの反対の思考は何かと考えた時「ポジティブシンキング」が思い浮かびました。まずはデータを見るより現場に飛び込んでみる、解決案を考えたら疑わずどんどん形にしてみるプロトタイピング的なやり方です。クリティカルシンキングの人から見るとパリピ的に見えるかもしれません。

そこで何か失敗したり後から分かったとしても「気付きがあった」とポジティブに考えちゃったりするので、もっと分かりやすく言うと「ハッピーシンキング」とか「Go Goシンキング」って呼ぶ方が近いマインドセットです。


「シン・デザイン思考」で最強チームを作る

このように切り分けて両極の思考法を見ていくと、どちらの視点やスタンスも必要だということになります。これらを意識的に再統合したものを「シン・デザイン思考」として再定義できれば、より企業のビジネスプロセスに合致したものになるような気がしています。

デザイン思考中でクリティカルシンキングの特徴が強く出ているのは先ず「自分が知らない世界がある」という自己批判のスタンスをもつということで自己表現としておこなうデザインとは別物です。このマインドセットを起点として次の瞬間にはポジティブな行動し未知の世界を知るために現場に飛び出しているというのがデザイン思考の大きな特徴の一つになっています。

さらに観察・共感から問題を見つけ解決案をプロトタイピングしていく段階ではポジティブが先行しますが、その結果を受けて新たな気付きや分析では謙虚な視点に切り替えてクリティカルになっていくイメージです。

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企業が大きくなってくるとサイロ化が進んでいきますが、デザイン思考がクリティカルシンキングとポジティブシンキングの両方の側面をもった統合思考になることで、全ての部門を一つにする横断的なチーム形成に思考、マインドセット、プロセスとして大いに役立つと考えています。

思考に幅があることで、それぞれの部門ごとに得意な視点をもっていても良くデザイナーはポジティブシンキング要素が多く、ビジネスパーソンやエンジニアはクリティカルシンキングが強くでる感じで、全体として有機的にバランスがとれそれぞれが居心地が良い状態が作れるのではないでしょうか。



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