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富士のデジカメの撮影スタイルを比較する

富士フイルムからこの秋に発売された2つのカメラ X-A7とX-Pro3は撮影スタイルが対局にあり、それを生み出しているUIに興味を持ちましたので少し分析してみます。

2つのカメラを比較した場合、一般には次のような認識をされています。

エントリーカメラ と ハイエンドカメラ

若者カメラ と おじさんカメラ

いまどきカメラ と クラッシックカメラ

このように価格もコンセプトも違う製品ですが、UIの視点から分析してみます。


作画設定のタイミングが撮影スタイルを決める

A7ではスマホと同じように常に撮影結果を見ながら撮影します。画像に対して直接操作をするような距離にUIが配置されており、「今の体験からその場で直接表現を決めて撮影し、新しい発見があれば嬉しい」という撮影スタイルになります。

自分の内面(らしさ)を表現するのに適したスタイルです。

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Pro3は作画系の設定を細かく調整するためには隠しモニターを開かなければならなかったり、サブモニターや光学ファインダーでは画像の仕上がりを事前に確認することができないようになっているため、必然的に「過去の経験から設定を決めて撮影し、結果がイメージ通りになっていると嬉しい」という撮影スタイルになります。

撮影時には被写体に集中し瞬間を切り取るためには適したスタイルです。

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被写体、モニター/ファインダー、操作UIの関係

背面モニターがありダイヤルやボタンで設定をするのが普通のUIとなっていますが、A7もPro3も意図的に新しいUIを提案しています。それによって製品のポジショニングを明確にし、ユーザーの満足度を上げようとしています。

A7では、スマホからのステップアップを意図して、これまでよりワイド(16:9)で大型の背面モニターを配置し、タッチを中心にした操作UIを採用しています。

被写体は背面モニターの中で一旦画像となり、それに対して直接操作をするような感覚になります。

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Pro3では、背面モニターを隠し必要な時だけ開いて操作する大胆なUIにすることで、ストイックでメッセージ性の強いカメラに仕立てようとしています。

撮影中はフィルムカメラと同様の操作だけをおこないます。隠しモニターを開けば通常のデジカメと同じ操作ができますが、使用は限定的になります。

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縦フレーミングの扱いの違い

A7はスマホを意識したUIになっており、それは縦フレーミングを重視した背面モニターのバリアングル機構にも表れています。

特にローアングから高い建物を狙うようなシーンでは、スマホよりも格段に撮影しやすくなります。

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Pro3では縦フレーミングで地面すれすれのローアングルや手を上に伸ばした状態でのハイアングルで撮影をすることは難しくなっており、クラッシックカメラのスタイルを守るために優先順位が低くなっています。

あくまでもファインダーを覗いて撮影するフィルムカメラのスタイルにこだわろうしていることが伝わってきます。

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このように2つのカメラは全く別の方向を向いていますが、「普通ではない」という共通性を持っており、それが今の富士フイルムのブランドいアイデンティティーになっているのです。


記事内の画像はプロモーションムービーより引用しています(画像にリンクを貼っています)

X-A7はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=aBKnXMWBnOI

X-Pro3はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=eE6xWnLfJho

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