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炭酸水があるじゃないか。

40歳あたりでお酒が飲めるようになった。

20代の頃はビールの匂いをかいだだけで、うわあ何この匂いとげんなりしていた。飲めて甘いお酒、だが杏露酒しんるちゅうでさえアルコール感があって飲めなかった。

30代後半から少しずつビールやお酒が飲みたいと思うようになり、たまに晩酌をしようとした。それでもビールは美味しいと思えず、ようやく杏露酒が甘いお酒だと思えるようになっていた。

季節はめぐり、あれは暑い暑い灼熱の夏の日。出張先で会食だった。靴底から感じる梅田の熱気を感じながら仕事を終え、ほぼ初めましての方たちとの会食。

のどが乾ききっていたわたしは、一杯目だからというだけで頼んでいたビールジョッキに思わず手を伸ばした。


え?なにこの喉越しは。 うますぎる!


初めてビールをうまいと思う時は、きっと何歳でもこんな感想を持つものなんだろう。昔飲めなかった頃はよく「ビールは喉で飲むんだよ」と言われた。「おでこから声を出す」くらいピンときてなかった。とにかく初めて喉でビールを飲む意味がわかった。おでこからまだ声は出ていない。

そこから事あるごとに、缶ビール(といっても第三のビール)を買って帰り、気づいたら毎日まず缶ビール。外に出たらまず生ビール(エクストラコールドだいすき)。喉が乾いてもビールまで我慢、人前で話すときも終盤は水分取らずにビールまで我慢(のめよ)。喉が渇けば渇くほどビールがうまい。

お酒の扉が開くとあとは簡単なもので、そこから白ワイン、ハイボール、日本酒と次々飲めるお酒が増えてきて、梅酒を自分で作る始末。いつしか棚にはウイスキーやジン、バカルディなどの瓶が並ぶように。最近はジンがとにかく好きで、ちょうど先日アサヒのZINONを箱で48本買った。

無糖でプリン体0なのに、いやな味ひとつしないどころか、レモンの風味が最高。7%なのを忘れる飲みやすさ。

同じアサヒグループだから言ってるわけではありません笑

そんな、お酒が当たり前の生活になって数年が経ったある日のこと。今から3週間ほど前。

あいたたた、足がいたたたたた、あしいたい、え?なにこれ、あいたたた、いやまじいたい、いたたた!いたい!いたすぎる!なんてことだ!F◯◯t!F◯◯t!(足と叫んでるだけでFワードではありません)

いきなりの高尿酸値で俗に言う「風があたっても痛い」というアレになった(漢字逆から読んでみて)。値は少しはみ出たくらいなので、軽くダイエットすればいいってことに。

そういえば、痛くなることを発作というみたいなんだけど、発作がおきた日にZINON48本が家に届きました。

体型は普通、おなかはややメタボが気になってきてはいたけど、暴飲暴食の記憶もなかったはずのわたしに訪れた災難。これがほんとのジン災だったりして(おい)。

さて、毎日飲んでいたお酒たち。発作が起きてからはピタッと一滴も飲まなくなった。そこは数年前から飲め始めたからできたことなのかもしれない。お酒歴10年未満だし。

ただ気候がいっそう暑くなるにつれ、そう、初めてビールがおいしいと思えた灼熱の季節が近づくにつれ、プハーっと飲みたくなる衝動が気温と共に上がってきた(医者からはお酒飲んでいいよって言われてるんだけど)。せっかくいい時期なのにどうしよう。


そうだよ! 炭酸水があるじゃないか!


「♪生ビールが〜あるじゃな〜いか〜」という歌が流行ったCMがありました、ええそういうことです。これが言いたくて書き始めましたすみません。このCMライバル企業さんでしたすみません。

タンブラーに氷をたくさんいれる。タンブラーを少し傾けて炭酸水を注いでいく。液体がタンブラーの内側をなぞるように落ちていく。冷えた液体に触れたもっと冷たい氷同士が驚いたのか、氷同士が当たり動きこすれる音、と同時に炭酸水の泡がはじける音。フチぎりぎりまで到達して注ぐのをやめると指揮者がタクトを振っていたかのようにさっと音が鳴り止む。すべての音がなんとも耳に心地よい。

味はなくとも、その喉越しはビールにも負けない。

そうだよ、俺には炭酸水がある。

そんなわけで、今年の夏は黄金の液体の代わりに、この光輝な透明の液体でプハーっとやっております。炭酸水よありがとう。


(早く生ビールが飲みたいますたー。)


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