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干し柿

田舎の実家には、上の家と下の家を結ぶ通路のまん中に柿の木があります。

一抱えはある幹周りをしていて、子供の頃にはよく登って遊んだものです。

秋から冬にかけては、その木に柿の実がなるので、じいさんが干し柿を作っていました。

渋柿ですよ。

食べれたものじゃありません。

毎年毎年よく実を付けていました。

今では、良く実を付ける年もあれば、それほどでない年もあるようです。

干し柿にすると甘くなりお菓子のようになります。


一個ずつ丁寧に皮を包丁で剥いて、2個をシュロの葉を裂いてヒモ状にしたもので結んで1組とするんです。

シュロの木は裏山に植えています。

その葉を切ってきて、ヒモ状に裂いていきます。

ビニールのヒモだと情趣がないので、シュロを使います。

そして、軒下に物干し竿を渡して、そこに吊るして干すんです。

根気のいる作業ですね。

黙々とやっていましたので、煙が出やしないか心配したものです。

今では母親が主にやっています。

冬の風物詩です。

寒さを潜って甘みが増すのです。

出来上がった干し柿の甘いこと、甘いこと。

で、出来上がった干し柿は、親戚、近所にお裾分けです。

出来上がりは、来年の1月頃かなぁ。

お母ちゃーん、出来たら持ってきてよね。


【シュロの木】

葉は、ハエたたきに加工してました。

皮は、ほうきに、シュロ箒として利用します。


弘瀬厚洋

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