エージェント_オブ_ブラッドカタナ

ニンジャスレイヤーTRPG:PvPセッティング『エージェント・オブ・ブラッドカタナ』

初めに

 この記事は『ニンジャスレイヤーTRPG』のプラグイン環境で利用可能な、PC同士が『ソウカイ・シンジケート』と『ドラゴン・ドージョー』に分かれて2対2で戦うPvPセッティングである。想定所要時間は3~4時間程度。PCは合計15ポイントを割り振ってのスクラッチビルドで産み出される。またこのPvPセッティングはPvPという要素を扱っているものの、一般的なシナリオのようなはっきりとしたシチュエーションも設定されており、ロールプレイ、ストーリーテリングが行いやすい。展開次第ではセッションの終了後、イクサの結果を踏まえた新たなシナリオへと繋げることも可能だろう。

背景

ドラゴン・ゲンドーソーの孫娘『ドラゴン・ユカノ』が行方不明になった。ユカノはなんらかの理由で記憶を失っており、現在『ブラッドカタナ・ヤクザクラン』の事務所でニンジャエージェントとして活動している。ドラゴン・ドージョーはユカノとその記憶を取り戻すため、ソウカイ・シンジケートはドラゴン・ゲンドーソーの孫娘を捕らえるため、それぞれ『ブラッドカタナ・ヤクザクラン』の元へ向かいイクサを繰り広げることとなる。

選択可能組織

ソウカイ・シンジケート:ソウカイヤ上層部がダイダロスの情報網によってドラゴン・ゲンドーソーの孫娘であるドラゴン・ユカノが行方不明であることと、彼女とよく似たアムニジアを名乗るニンジャがブラッドカタナ・ヤクザクランの事務所でエージェントとして活動していることを掴んだ。PCたちはゲイトキーパー直々にブラッドカタナ・ヤクザクランの事務所へと向かいアムニジアの身柄を確保してくることを命じられる。
ドラゴン・ドージョー:PCたちはドージョー総出でユカノの行方を捜す中で、ブラッドカタナ・ヤクザクランのエージェントとしてユカノに似た、アムニジアというニンジャが活動していることを掴む。しかし周囲の様子を探ってみたところソウカイヤのニンジャたちも、このヤクザクランの周辺で不審な動きをしているようだ。事態は急を要するかもしれない。あなたたちはドラゴン・ゲンドーソーへの報告を行えるほどの時間的猶予なしと判断し、ブラッドカタナ・ヤクザクランの事務所へと独力で潜入することを決めた。

採用ルール

1:アトモスフィアがウルトラハードまで上昇した場合スリケンとジツの回避難易度が+1される。
2:『特殊近接武器』による『二刀流』は不可とする。
3:味方に対して『消耗品』を使用する場合、隣接して『その他の行動』を消費する。
4:各キャラクターは遮蔽について考える上で味方への攻撃のみ遮り敵陣営への射撃は遮らない。

追加ルール

1:1度でも誰かが通行した扉は開いているものとみなされそれ以降は射線を遮らない。
2:『キヨシ』が脱落した時点で『アトモスフィア』が1段階上昇する。
3:PCが1人でも脱落した場合『アトモスフィア』が1段階上昇する。
4:8ターン目の開始時に『アトモスフィア』が1段階上昇する。
5:PCは自身の攻撃によって【体力】0以下もしくは【精神力】-1以下にしたキャラクターを殺さず行動不能にしたことにしてもよい。アムニジアに対しては特別に殺害を宣言しない限り自動的にこの効果が適用される。アムニジア以外のNPCは行動不能にすることを選択した場合も死亡した場合と同様マップから取り除かれる。アムニジアを爆発四散させたPCは即座に【DKK】を10獲得するがこのセッティングでニンジャスレイヤーは出現しない。
備考:脱落=死亡または行動不能状態になることを指す。

勝利条件

『アムニジア』を『近接攻撃』で行動不能にしたPCはその場で『アムニジア』を運搬することを宣言できる。また行動不能状態の『アムニジア』がマップ上にいる場合隣接して『その他の行動』を消費することで同様に運搬を宣言できる。『アムニジア』を運搬した状態でマップから脱出することができれば勝利である。
運搬:アムニジアの運搬中はあらゆる行動の難易度が+1され【脚力】が-1される。また、ブラッドカタナ・ヤクザクランのNPCはアムニジアを運搬中の運搬中のPCが攻撃可能な位置にいるなら必ず攻撃する。『近接攻撃』によって死亡または行動不能状態となった場合、攻撃者はアムニジアの運搬を引き継ぐことを宣言してもよい。宣言しなかった場合、または『近接攻撃』以外の手段によって死亡または行動不能状態となった場合、アムニジアはそのPCのいたマスに再配置される。死亡ではなく行動不能状態だった場合、行動不能状態となったPCの側がアムニジアと隣接するマスに押し出される。

キャラメイク

キャラメイクの際は以下記事の『15スクラッチビルド』を用いる。オプションルールは使用不可。ジツ種別は基本5系統に加え『LITE:追加のジツとニンジャソウル』に収録されたものが選択可能。初期アイテムとしてのサイバネ装備は可能だがこちらは同チームのニンジャと被ってはならず『ジツ拡張サイバネ』選択は不可とする。ドラゴン・ドージョー陣営でサイバネを利用する場合、サイバネを入れた後でドージョーに所属したニンジャということにしてもいいし、サイバネをドージョー所蔵の武具などに読み替えてもよい。

情報戦

それぞれのキャラシートが出揃ったら各陣営の最も【ニューロン】判定ダイスが多いPC同士で【ニューロン】による難易度NORMALの対抗判定を行うこと。引き分けだった場合はやり直す。勝利したPCのチームは『事務所』マップへの初期配置の際、先に配置マスを選ぶことができ、さらに【ニューロン】判定ダイスが同値のPCがいた場合、どういった順番で行動するかを自由に決めることができる。

事務所

アムニジアの事務所

アムニジアの事務所 マス

マップは公式シナリオ『ヤクザの事務所』のマップ構造を踏襲しつつ、より狭く調整したものを用いる。
トレジャーボックスにはランダムなアイテムが入っている。入手アイテムの決定には以下のランダムトレジャー判定表を用いる。
◇ランダムトレジャー判定表◇
1:『オーガニックスシ』
2:『スダチカワフ・バズーカ』※ブラックマーケット銃器の拡張を参照。
3:『トロ粉末』
4:『超振動ブレード』※追加近接武器を参照。
5:『*オーガニック・トロスシ*』※装備ルールとアイテムを参照。
6:『プラズマ・カタナ』※追加近接武器を参照。

NPCデータ

ボスの回避ダイス:アムニジアとキヨシはそれぞれのチームに半分ずつ回避ダイスを使用できるものとする。つまりアムニジアは素の状態ではソウカイヤチームの攻撃を回避するための回避ダイス4個と、ドージョーチームの攻撃を回避するための回避ダイス4個を持つ。回避ダイスダメージが入った場合、攻撃者のチームに使用するための回避ダイスにダメージが入る。次ターンへの回避ダイスダメージ持ち越しが発生した場合も同様で、相手チームに使用するための回避ダイスには影響を与えない。どちらかのチームが全滅した場合、上記の制限は撤廃される。サツバツ!による欠損などで端数が発生した場合、端数は『情報戦』で敗北したチームに割り振られる。
◆アムニジア:エージェント・オブ・ブラッドカタナ(種別:ニンジャ)精密近接9 回避8 側転7
カラテ     4  体力    5
ニューロン   4  精神力   4
ワザマエ    7  脚力    6
ジツ      0  万札    0
スキル:『●連射2』『●疾駆』『◉タツジン(イアイドー)』
『◉常人の三倍の脚力』『◉ドラゴン・ツジギリ』
装 備:『*ブラッドカタナ(近接武器)*』『タクティカルニンジャスーツ』
ジ ツ:なし
サイバネギア:なし

◇ドラゴン・ツジギリ:『近接武器』装備時のみ『連続側転』後『その他の行動』として
発動を宣言できる。発動を宣言した場合、直前の移動フェイズで上を通行した敵を
4人まで選択しその全員に『近接攻撃』による『ダメージ1』を与える。
行動指針:『ドラゴン・ツジギリ』で可能な限りPC全員を攻撃しようとする。どちらかの陣営が全員脱落した後は『戦闘スタイル:精密攻撃』による【体力】の低いPCへの連続攻撃に切り替える。
◆キヨシ:マスター・オブ・ブラッドカタナ(種別:モータル/重サイバネ)近接3 回避4
カラテ     3  体力    3
ニューロン   3  精神力   3
ワザマエ    3  脚力    3
ジツ      0  万札    0
スキル:なし
装 備:『スダチカワフ・ショットガン』
ジ ツ:なし
サイバネギア:『ヒキャク』
行動指針:一手目は冒頭の『情報戦』で敗北した勢力のPCを狙い、それ以降は各勢力のPCを交互に狙っていく。複数の同陣営PCが射程内にいる場合は【体力】の低い方を優先する。視界内に該当勢力のPCがいない場合、射撃を行うための移動も行う。狙える位置に該当勢力のPCがいない場合は陣営にかかわらず狙える位置にいるPCを攻撃する。
◆チャカガンヤクザ(種別:モータル)アイコン:ヤ
カラテ     1  体力    1
ニューロン   1  精神力   1
ワザマエ    3  脚力    2
ジツ      0  万札    0
スキル:なし
装 備:『ノーカスタム・チャカガン』
ジ ツ:なし
サイバネギア:なし
行動指針:それぞれ視界内のPCをランダムに選んで射撃する。移動せずに射撃できるならその場からの射撃を優先するが、視界内に敵がいない場合射撃を行うための移動も行う。
行動指針:各NPCは基本的に自身のいる部屋にPCが足を踏み入れるまで行動しない。ただし4ターン目になってもアムニジア達のいる部屋にPCが足を踏み入れていなかった場合、その時点で生存しているNPC全員が行動を開始する。

ドラゴン・ドージョー勝利ルート

ドラゴン・ドージョー陣営が勝利した場合、しばらく時間を置いてアムニジアはドラゴン・ユカノとしての記憶を取り戻す。ユカノとゲンドーソーはPC達に感謝の意を示す。
◇報酬◇
勝利:【万札:20】を山分け。全員【名声:ドラゴン・ドージョー】+10。

敵PC撃破:1人脱落させるごとに【万札:5】が追加され全員【名声:ドラゴン・ドージョー】+2。

※余暇は4日である。

ソウカイ・シンジケート勝利ルート

ソウカイ・シンジケート陣営が勝利した場合、アムニジアはショックで再び記憶を失ってしまう。ゲイトキーパーはこれを受け、アムニジアをソウカイ・ニンジャの一員として迎え入れるという判断を下す。
◇報酬◇
勝利:【万札:40】を山分け。【名声:ソウカイヤ】+5。【DKK】+5。
加えて『ヤクザの事務所』と同様のアジトを入手。

敵PC撃破:1人脱落させるごとに【万札:10】が追加され全員【名声:ソウカイヤ】+1。

※余暇は4日である。このシナリオでのカルマ・ロンダリングは不可。
オプション:アジトへの入居
:ソウカイヤ陣営が勝利した場合、NMはPC達がゲイトキーパーから記憶を失ったアムニジアの目付け役を任せてもよいと声をかけられたことにしてもよい。これをPC達が受け入れた場合、アムニジアはアジトの任意のマスに配置される。この際、アムニジア以外のニンジャネームを与えることもでき、望むなら彼女の自由選択スキルをPCとNMの相談によって別のものに置き換えてもよい。どちらも最終的な決定はNMが行う。彼女と同じアジトに住んでいるPCは彼女をセンセイとすることでPCをセンセイとした場合と同じように余暇スロット2個で【ワザマエ】の壁突破修業に挑戦することができるが、ペナルティとしてWasshoi!判定の出目が-2されてしまう。
オプション:敗北陣営の余暇
:敗北した陣営のPCが生き残っていた場合、余暇を与えるかはNM判断となる。余暇を得られることにした場合、敵PC撃破による報酬を通常通り獲得した上で余暇4日を得られる。

記憶喪失の原因

ユカノが記憶を失った原因は適切に設定すればロールプレイやストーリーテリングを行う上で大いに助けとなる。そこで、以下に原因の例をいくつか記す。NMはこれらのうちどれを採用してもよいし、ここにない原因を用意してもよい。もちろん設定せずともPvPに支障はない。
1:信頼していた仲間の裏切り。アンサラーやサラマンダーといったニンジャがドラゴン・ドージョーをヌケニンした際、それを追ったユカノは心身共に大きな傷を負うこととなった。
2:ニンジャスレイヤーの暴走。フジキド・ケンジがニンジャへの復讐心に呑まれ、ナラク・ニンジャとして山となった屍の上で狂笑する姿はユカノの心を砕いた。
3:リアルニンジャの関与。セトやケイトー・ニンジャのような太古のリアルニンジャが、なんらかの目的をもって意図的にユカノの記憶を奪った。

データの改定について

このセッティングは試験的なものであり、予告なく改訂される場合がある。改訂が行われた場合、変更、追加が行われた箇所は明記される。NMは最新のデータに拘らず、好きな版のデータを用いて構わない。

2020/03/11:敵陣営への射線は遮らないことを明記。LITE版のジツを解禁。ジツ被りを解禁。ユカノを抱えた場合、側転難易度だけではなく全行動難易度上昇。さらにこのPCを狙える位置にいるNPCはかならずこのPCに攻撃するようになる。キヨシのチャカ・ガンをダメージ2のショットガンに。

セッション用Googleスプレッドシート

利用規約

 NMはこの記事に含まれるデータをセッション中に利用したり、自作のシナリオへ流用することができる。既存のルールに対して独自の調整を行ったり、全く新たなルールを追加しても構わない。ただし当記事のデータを流用して作成したものを公開する場合、引用元を明記すること。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。

参考資料:「ニンジャスレイヤープラス」ダイハードテイルズ

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