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ニンジャスレイヤーTRPG:シナリオ『スパイス・オブ・インフェルノ』

1.初めに

 このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」に対応したシナリオである。最低でも一般的なニュービーニンジャ4人以上の戦力で攻略することを前提にデザインされており、成長の壁を超えた、ベテランニンジャ複数人での攻略を想定したクリアに関係のない高難易度コンテンツも含まれている。基本的にはソウカイヤに所属するPCのためのシナリオだが、導入を多少変えればそうでないPCも無理なく参加できるだろう。
 また、このシナリオにおいてニンジャスレイヤーはインターラプターの調査に出動したシックスゲイツを狩りに向かっているため『Wasshoi!』判定が成功した場合はニンジャスレイヤーの代わりにインターラプターが独自の展開で現れる。どちらにせよ、ソウカイ・ニンジャであるPC達に自分の存在を知られたなら全力で倒しに来るはずだ。インターラプターのデータや動かし方についてはページ下部を参照。オンラインセッションでこのシナリオのプレイヤーを募集する際、募集文でこのシナリオでは『Wasshoi!』判定が成功してもニンジャスレイヤーが現れないことを断っておくべきである。尚、このシナリオにおいて、クリア時のWasshoi!判定は基本的に存在しない。尚「5.違法カキノタネ工場」に至るまでにPCニンジャが爆発四散してしまった場合、そのPCのプレイヤーはデスハイクルールに従って新たなPCを作成し、増援として再度参加してもよい。

NM向け記号解説
:「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。

「イヤーッ!」(命中判定)「グワーッ!」
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

<DKKが最も高いキャラクター>の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が<>で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。

※当シナリオは第二版に対応したリメイク版が公開されている。

2.導入

 PC達はソウカイ・ネットを通じてトコロザワ・ピラーに集められ、ソウカイ・シックスゲイツのビホルダーからミッションを受ける。NMはプレイヤーのロールプレイに合わせて、以下のセリフを必要な情報が失われない程度に変化させてよい。尚、NMが「ビホルダーはすでに死亡している」と判断した場合は他のシックスゲイツに彼の代役を務めさせてもよい。その場合は適切に台詞を変更するべきだろう。

:「ドーモ、若きソウカイニンジャの皆さん。ビホルダーです」

:「この度、ソウカイ・ネットに看過しがたい情報が二つ入りましてね。一つは行方不明のヌケニン、インターラプター=サンのものと思われる目撃情報です。彼はかつてシックスゲイツ最強と謳われた強豪の中の強豪であり、こちらはとても貴方たちに任せられる案件ではありません」

:「あなた達が覚えておくべきは、発見時すでにアイサツを終え、インターラプター=サンと思われるニンジャと交戦状態にあった、もう1人のニンジャについての情報です。報告によるとそのニンジャは、周囲のモータルを無差別に巻き込みながら戦いを続けていたが、強烈な一撃を胴体に受けた時点で不利を悟ったのか戦闘を止め『血の竜巻』とでも言うべきものに包まれてどこかへ消えたとのことです」

:「調査を行った結果、そのイクサが目撃された地域について、ここ最近、浮浪者やヒョットコの間で迷信めいた恐怖が広がっていることが分かりました。おそらく、奴は定期的にモータルの殺戮を行っており、その過程でインターラプター=サンと交戦することになったのでしょう。ソウカイヤに目を付けられるような富裕層に犠牲者が出ていないところを見るに、ニンジャスレイヤーのような節度も何もない怪物ではなく、身の丈に合わない相手は敵に回さない知恵を持った存在であることが伺えます。しかし、もし彼が本当にインターラプター=サンと戦闘したなら、今なおそのダメージは完治していないはず」

:「そこで、あなた達には奴が傷を癒している"アジト"を見つけだし、調査するミッションを与えます。手に負えないと判断したのであれば撤退も許可しますが、可能であれば捕獲してきなさい」

:今回のシナリオで敵ニンジャは【体力】0で行動不能となる。そのまま戦闘を終えれば捕獲に成功したものとみなす。

 PC達の端末に現場の情報が送信される。

:トミモト・ストリートを越えた先にある貧しい地域で、ビニールハウスでの農業が盛ん。
:周辺地域にはソウカイヤに無許可で違法カキノタネの取引が行われている痕跡が存在するが、調査の優先度は低く、製造者がどこを拠点としているのかは不明。

データ『違法カキノタネ』
:極めて刺激の強いオツマミである。この地域ではオムラ・インダストリの提携企業であるオナタカミの製品を改造したものと思われる、謎めいたロボットが販売しているが、所有者についての質問には一切答えないため、今だに実際の販売元は掴めていない。

NMの情報:商品の補充はニンジャ「ホットソース」が行っており、その様子がモータルに目撃されたことはない。

この章で戦闘が起こることは基本的にないが、もし戦闘が起きた場合13×13マスの中心5×5マスをPCと敵の初期地点として戦闘を初めてもよい。以下のマップが存在しない章も同様。

3.トミモト・ストリート

:このマップにおいて「十分調べ終わった」と感じたらPC達は自由に次のマップに進んでよい。

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※『ヒョットコ』『ヒョットコスモトリ』が持つ武器にはプラグイン『リボルバー・アンド・ヌンチャク』のデータが含まれているが、プラグインを導入しないのであれば『粗悪』『小銃』の効果は無視してもよい。

:「アイエエエエ!」なんたるマッポー的光景か!ヒョットコの面を被ったギャングが浮浪者を囲んで棒で叩き、なけなしの通貨で購入したと思われる塩をコケシマートの袋ごと取り上げようとしている!しかし、このような光景はここ、トミモト・ストリートではチャメシ・インシデントなのだ!「アイエエエ!これだけは!キャンプの仲間たちが待っているんです、助けて!」

PC達が介入しなかった場合:「アバーッ!」鉄パイプで繰り返し殴られ、浮浪者は絶命!「アッハ!死んだヨ!」「オイオイ、俺のショットガンが撃てなかったじゃないノ」ナムアミダブツ......おお、ナムアミダブツ!

PC達が介入した場合:「ア?何アンタら」「こいつらは俺らが痛めつけてんのヨ」「見てこれ、ショットガン。ワカル?ムテキよ?」彼らのリーダーと思われる「火をつける男」と書かれたTシャツを着たヒョットコが、ショットガンとスモトリめいた巨体をあなたたちに誇示する。

 PC達が介入した場合、ヒョットコたちは浮浪者への攻撃を一旦止め、PC達に攻撃を仕掛けてくる。ヒョットコたちは奇妙な宗教を信仰しており、交渉は不可能と考えた方が良いだろう。

ヒョットコ描写案
PC達がニンジャとしての力を見せた場合:「ニンジャ!?」「ニンジャナンデ!?」「テストに出ないぞ!?」と一時動揺するが、彼らのボス格であるヒョットコスモトリが「ニンジャが何だ!我々は選ばれしヒョットコだぞ!」と叫ぶと「そ......そうか!さすがボス!」「そうだ、ニンジャが何だ!ヤッチマエー!」と他のヒョットコもそれに同調し、すぐに戦意を取り戻す。

 もしここでPC達が浮浪者を助けた場合、この浮浪者はニンジャの存在に怯えつつもプレイヤー達に感謝の意を示してくれる。話を聞くと、このあたりにはワタナベという名のヨージンボがいることと、数ヵ月前までならず者たちに睨みを聞かせてくれていた、高潔なイアイドー・ドージョーの主、シヤマ・タクラが行方不明であることを教えてくれるだろう。

浮浪者からの情報:「エエト......あんたたちはもしかして、ここ最近噂になってる、ブッダデーモンのことを話しているのかな?」
:「ここ最近、騒ぎになっている通り魔事件に纏わる、くだらない噂さ。少し前まで、このあたりは他と比べてまだマシだったんだ。強いヨージンボがいるし、高潔なドージョー主の運営するイアイドー・ドージョーもあったからな」

:「けど少し前、ドージョー主であるシヤマ=サンが門下生ともども失踪しちまったんだ。その結果、ヨージンボのワタナベ=サンも1人では対応できなくなってこのザマさ。そのことを割り切れない連中が、近頃の連続通り魔事件と絡めて『シヤマ流イアイドー・ドージョーの剣士たちは今まさにこの地を襲っているブッダデーモンへ勇敢に立ち向かい、散っていった』という噂を産み出した。くだらない話だが、その気持ちは痛いほどわかるぜ」

※PC達はワタナベがインターラプターのモータルネームであることを知っていて構わない。誰が知っていて誰が知らないかは相談して決めても面白いだろう。このモータルは通り魔事件についてこれ以上のことを知らないので、さらに情報を手に入れたいなら他のモータルを探すこと。

他のモータルに声をかけた場合得られる情報:連続通り魔事件
:「ああ、ブッダデーモンの話か?ひでえもんだぜ。俺の知り合いも何人かやられたよ」ボロ布を身にまとった浮浪者は、そう言うと乾いた笑いを漏らした。「朝、目を覚ますと、血だまりを残してキャンプから何世帯か消えているんだ。犯人を見た奴はだれもいない。思うに、あれは人間の仕業じゃないね。案外本当にブッダデーモンの仕業かもしれん」

 浮浪者やその他モータルの能力値が必要になった場合ジツが0、それ以外の能力値を1とし、【カルマ:善】を持たせるとよい。所持している万札の枚数は1D3で決めるのが妥当だろう。また、PC達が彼らを殺害した場合、2D6を振ること。12が出た場合ニンジャソウル憑依現象が発生したということなので、PCキャラクター作成時と同じようにダイスを振り、その場に新たなニンジャを出現させ、以下のようなマップで戦闘を行うこと。アイサツはモータルネームでもよいので、ニンジャネームはすぐに決めなくてもよい。戦闘時、その場にいるモータルは悲鳴を上げながらマップから逃げるように移動するが、新たなニンジャがシナリオ上どのようにふるまうかはNMへ完全に委ねられる。

違法カキノタネ販売マシン

販売マシン:「カライ、オイシイ、カキノタネ」

:素朴な見た目の、円錐状の帽子を被った売人を模した販売マシンには「美味しい」「万札3枚1パックな」「破壊すると爆発します」などの文字がペイントされている。ソウカイヤへのミカジメ料を支払わぬ、愚か者のマシンだが、今の所、今回のミッションと関係があるようには思えない。

カキノタネ販売マシン
 6個の【違法カキノタネ】が収納されており、一台の販売マシンからそれ以上手に入れることは出来ない。現在「残り6個」と表示されており内部の【違法カキノタネ】が無くなると「売り切れ」と表示される。

 購入以外で【違法カキノタネ】を減らす方法もあるが、NMからは提示せず、出来る限りプレイヤー側の提案を待つべきだろう。物理破壊するにはカラテ『HARD』判定が必要。破壊すると大爆発を引き起こし、回避難易度『HARD』の1D3ダメージをPC達に与える。ハッキングを行う場合はニューロン『ULTRA-HARD』で判定。失敗すると1ダメージを受けるが、成功すると「ピガー!」と音がし、アイテム【違法カキノタネ】が1個手に入る。【違法カキノタネ】が無くなるまで何度でも挑戦でき、このシナリオの間は重複して所持できる。補充と万札回収を行うための蓋は物理鍵で施錠されているようだ。その隣には「品切れになったら押してください、担当が補充に向かいます」との説明が添えられたボタン。このボタンは品切れになってから押さないと効果を発揮しない。鍵を破壊したとしても上と同じように大爆発を起こす。

【万札:3】で【違法カキノタネ】が購入できる。【違法カキノタネ】は【万札:1】で売却可能。ニンジャであるPC達が食べても特に何も起こらないが、プレイヤーが適切な利用方法を提案したなら消費することでモータルにインタビューなどを行う際の判定にボーナスが得られることにしてもよい。

 なんらかの方法で内部の「違法カキノタネ」を品切れにし、ボタンを押してから張り込むと商品を補充しに来たニンジャ、ホットソースと遭遇できる、その場合、NMは違法カキノタネ販売マシンの下のマスにホットソースを配置すること。ホットソースの能力値は「5.違法カキノタネ工場」を参照。プレイヤー達が望むなら、ホットソースの体力を0にした際、爆発四散させたのではなく捕獲したことにしてもよい。尚、このシナリオのボスであるキルアラシも同様の方法で捕獲できる。PC達がここで消費した【万札】は回収した時点で、もともと内部に入っていた【万札:12】と合わせてホットソースの手持ちに加えられるので、倒して取り戻してもよい。購入やハッキングで減らすのもいいが、プレイヤーの提案次第ではモータルを脅して多めに購入させるなどしてもよいだろう。品切れをのんびり待つこともできるが、『タイムイズマネー』ペナルティによりクリア時の評価が1段階低下する。このことはPC達が品切れ状態にさせずに張り込みを始めた時点で「ラオモト・カンの『タイムイズマネー』という声が脳裏に響いた」などといった形で、それとなく伝えておくべきだろう。

このシーンでホットソースと戦闘になった場合の描写
:夜の闇に紛れ、何者かが違法カキノタネ販売マシンの元へと飛び来たった。大した威圧感は感じないが、明らかにニンジャだ。物理鍵をマシンの背中に差し込んで、中身を取り出そうとしている。

:「ド、ドーモ。ホットソースです。ソ......ソウカイヤ!」
:「アイエエエ......!助けてください!殺さないで!」
:「私は......私はどうすれば......」

シヤマ流イアイドー・ドージョー

 このドージョーに、PC達の判断で寄り道することが出来る。シナリオクリア後に向かってもよい。

:あなたたちはぼろぼろの廃ドージョーにたどり着いた。「バカ」「臆病者」「カタクチイワシ」などのラクガキや、鈍器によるものと思われる破壊行為の痕跡があり、かつて備えていたであろう威厳はもはや見る影もない。略奪できるような品は、もはやここには存在しないだろう。

:内部は浮浪者やヒョットコさえもいない、完全な無人である。床にはばらばらになった「シヤマ流イアイドー・ドージョー」のカンバンが痛々しい姿で散乱しており、壁際には「禁忌」「ネダヤシ」二つのカケジクが添えられた、カタナの台座が配置されている。

:部屋の隅にあるゴミ箱には中身が入ったままの、違法カキノタネの袋が捨てられていた。

浮浪者からシヤマの話を聞いていた場合:ここで全員【ニューロン】判定U-HARDに挑戦できる。

成功した場合:浮浪者の「高潔だった」という言葉を信じるなら違法カキノタネはこのドージョーにふさわしくないものだ。あなた達はドージョー主のシヤマが、密かにこれを食べていた門下生から取り上げ、中身の入ったままゴミ箱に捨てたのではないか?という推測が頭に浮かびますね。

:あなたたちはシヤマのものと思われる「違法カキノタネ工場」について調べたメモが置いてあるのを見つけられます。しかし場所を特定する前に事件が起きたらしく厳密な場所までは分かっていません。

NMの情報
 この廃ドージョーの周辺は今や呪われた土地として周囲の浮浪者やヒョットコから恐れられている。また、キルアラシはニンジャとなる少し前、違法カキノタネを門下生から取り上げたことがきっかけで独自に調査を行っていた、違法カキノタネの工場をニンジャとなってから見つけ出し、占領して自らのアジトとした。

4.ビニールハウス農場

:ミッションで示された地域に到着した後、しばらく調べていると異様なニンジャ存在感が漂う、不審なビニールハウスの存在に気付いた。

:ビニールハウスの中では、体に包帯を巻いた作業員がバイオダイズやバイオコムギ、バイオトウガラシなどの作物を育てていた。ジツによって操られているような気配は感じず、話しかけることも出来そうだ。

話しかけた場合:あなたたちが話しかけると、作業員は一瞬大きく震えた後、おずおずと振り向いた。「あなたたちは......?」

:情報を聞き出そうとしても、何かを恐れているのか、怯えるばかりで口を割ろうとしない。しかし、適切なダイスロールによる拷問や安全の保障を行えば、次の情報を吐くだろう。

情報
:「私達は、少し前まで違法カキノタネの製造で生計を立てる、ごく普通の作業員でした」

:「しかしある日突然、ただの従業員だったツルダ=サンがニンジャになり、農場も、工場も、そこで働く従業員ごと完全に掌握してしまったのです。それ以降、我々はしばらくの間、奴隷として働かされていました」

:「しかし......アイエエエ!恐ろしい!ツルダ=サンよりももっと恐ろしいニンジャが.......ニンジャであるツルダ=サンも奴には手も足も出ず......ツルダ=サンの管理下のほうがまだマシでした。もはやここはジゴクです!コワイ!」作業員はNRSのフラッシュバックを起こし、うずくまり、涙を流し始めた。これ以上の情報は得られないだろう。

5.違法カキノタネ工場

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ショーユタンク
:真っ赤な液体がなみなみと蓄えられたタンクがあり、その表面には「アブナイ」と書かれたシールが威圧的に貼られている。タンクの下に備え付けられた機械から伸びる、ベルトコンベアの前では労働者たちがマグロめいた目で作業を続けていた。

ギミック:ショーユタンク
:合計12以上のダメージを与えることで破壊できる。このショーユは極めて刺激、酸性が強く、ニンジャであってもウカツに触れれば恐るべき激痛が襲い、モータルであれば溶解して死に至ることもある。ショーユタンクが破壊され、内部の液体が漏れ出した場合、以後このマップの通常マスに1ターンでもとどまったキャラクターは激痛によりこのマップから脱出するまでの間、【体力】の最大値から現在の【体力】を引いた数値だけカラテが減少する。この効果ではカラテを元の値の半分(端数切り上げ)になるまで減少させられる。例えば、キルアラシの初期体力は12として扱うので、ショーユタンクの効果が発動している間、キルアラシのカラテは6になる。両方のタンクを破壊してもこの効果は重複しない。また、ショーユタンクへのダメージはアトモスフィアの変化に影響を与えない。
ギミック:作業員
:作業員は基本的にトミモト・ストリートのモータルと同じく、ジツ以外の能力値が1のモータルである。キルアラシの『ヤイバの嵐』を止めるために作業員を殺害することを選択した場合、そのキャラクターは一度にまとめて5のDKKを得る。これはモータルを殺害するたびにDKKの判定をしていてはあまりにも処理が重くなってしまう点と、インターラプターが出現しやすいタイミングをシナリオに設けるための措置である。


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ホットソース台詞案
:「アイエエエ......ソ、ソウカイヤ!ド、ドーモ。ホットソースです。この工場と、奴隷農場の管理人を兼任しております」

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※キルアラシがスカウトに応じることはない。

:赤いニンジャ装束を身にまとい、全身から歪なヤイバを生やしたニンジャがこちらを一瞥する。そのニンジャ装束の隙間から覗く包帯には、痛々しい出血の痕が残っており、小さな棘に覆われた右手にはへし折られた巨大なカタナの切っ先に、持ち手として布を巻きつけたような歪極まる深紅のカタナが握られていた。

キルアラシ:「ドーモ、キルアラシです。そうか、貴様らがワタナベ=サンの言っていたソウカイヤか」

:「ホットソース=サン。ソウカイヤのこと知ってたならなんで言わねえんだ」ホットソースは恐怖に顔をゆがめ、声も上げられず失禁!「まあいい、まずはあいつらが先だ。ケジメはその後だ」

:キルアラシは貴方たちに向き直り、深紅の歪なカタナを構える。「ワタナベ=サンほどのカラテは感じねえが......この傷じゃあ、少々厳しいか?まあいい、やってやろうじゃねえか」

ホットソース:「お願いです、この場はお引き取り下さい、お互いのために!」

キルアラシ台詞・描写案

強烈なイアイドー斬撃:「イヤッ、イヤーッ!」歪なカタナが見たこともない軌道を描き、攻撃の残像がまるで無数のヤイバを突き立てられているかのような錯覚を覚えさせる!(命中判定)「ハイヤーッ!」骨を断つジゴクめいた一撃!鮮血が噴き出す!

ヤイバの嵐(再攻撃):「イイイ.......」<直前に殺害されたキャラクター>の血が竜巻めいてキルアラシを包む。「イイィヤアーッ!」血の嵐を纏ったキルアラシが物理法則を無視するかのごとき挙動で<攻撃対象となったキャラクター>に向かって飛来!(命中判定)死の竜巻が、<攻撃対象となったキャラクター>の体をネギトロめいて砕いていく!

ヤイバの嵐(遠隔攻撃):「イヤーッ!」<直前に殺害されたキャラクター>の血が弓のような形に形成され、硬質のヤイバとなり<攻撃対象となったキャラクター>に飛来!(命中判定)ヤイバ・ギロチン!深紅のヤイバが<攻撃対象となったキャラクター>の骨を断つ!

ホットソース台詞・描写案

カトン・マキビシ:「イヤーッ!」ホットソースの拳から、赤熱するエネルギー・マキビシがハナビのように巻き散らされる!

カトン・マキビシ(回避失敗時のダメージ):体勢を崩した<対象となったキャラクター>はホットソースのマキビシを踏んでしまう!激痛!そして立ちのぼる爆炎!ナムサン!これではまさに「弱ってきたらさらに棒で叩く」というコトワザの通りではないか!

残り体力が1になった場合:「死にたくない!でも、どちらに投降すれば!?ワカラナイ!アーッ!」

NPC行動指針
:キルアラシはなんらかの要因でカラテを下げられない限りニンジャを相手取る時は『強烈なイアイドー斬撃』を使用する。『油断ならぬ防御的イアイドー』はどのような状況であっても使用しない。
:キルアラシには、生存しているモータルへ隣接するように移動する傾向を持たせるとよい。『ヤイバの嵐』による遠隔攻撃に使用してもよいし、PC達が強力な近接攻撃を持っているようならあえてそれを待ち、モータル→PC→PC→PCという怒涛の4連続攻撃を叩き込んでもよい。
:ホットソースは直前にキルアラシが攻撃対象としたPCを対象に、カトン・マキビシでキルアラシの援護を行おうとする。
:インターラプターが乱入してきた場合、キルアラシがどちらへの攻撃を優先するかはNMの判断によるが、体力が3以下になり追い詰められた場合、インターラプターへの攻撃を放棄し、PC達をアノヨへの道連れにすべく集中攻撃を仕掛けてくる。

6.シナリオの終了

:シナリオ終了後に「シックスゲイツたちは運悪くニンジャスレイヤーと出くわし、インターラプター=サンを見つけられなかった」ことがわかる。幸い欠員は出なかったようだが、ラオモト・カンは相応に虫の居所が悪いようだ。成功度の基準は以下の通り、張り込みに時間をかけすぎた場合は「タイムイズマネー」ペナルティにより成功度が-1され、インターラプターと交戦し、そのことを報告した場合は成功度が+1される。PC達がインターラプターを捕獲した場合は特例的にSランクとし、以下の特殊エンディングに移行する。Sランク以外の報酬は公式ルールブック「ラオモト・カンの評価タイム」の項を参照。

S:インターラプターを撃破した。
A+:キルアラシを捕獲しインターラプターとの遭遇を報告した。
A:キルアラシを捕獲した。
B:キルアラシを爆発四散させた。
C:キルアラシは逃がしたが、ホットソースは確保、または始末した。
D:どの目標も達成できなかった。

成功度S特殊エンディング
:「......貴様らが、インターラプター=サンを倒したと?」ラオモトの表情から苛立ちが消え、代わりに驚きの色が浮かぶ。

捕獲していた場合:念入りに拘束されたインターラプターが、台座に乗せられ運ばれてくる。(この役割はPCが担ってもクローンヤクザにやらせてもよい)

:「ムッハハハハハ!ムッハハハハハ!アッパレ!まさか貴様らが、シックスゲイツさえしくじったミッションを代わりにこなすとは!成せば成るとはこのことだ!でかしたぞ!」

:「しかし、落ちたのう。インターラプター=サン」拘束されたインターラプターを見て、ラオモトが複雑な表情を見せる。

:「これは、相応の報酬を与えるべきであろうな」ラオモトは3度手をたたき、山積みにされたコーベインをPC達の目の前に運ばせる。「このコーベインはシックスゲイツ共にやるはずだったが、貴様らにくれてやろう!」

報酬:【万札:100】を山分けした上で、全員の【名声:ソウカイヤ】が+5される。さらに、各PCは任意の【成長の壁(1)】を取り除くことができる。

おまけ.ニンジャ名鑑

◆忍◆ニンジャ名鑑 #XXX 【キルアラシ】◆卓◆
本名シヤマ・タクラ。モータル時代は高潔なイアイドー・ドージョーの主であったが、ドージョー・ヤブリに敗れた際、使ってはならないとされていたカタナ「ネダヤシ」でドージョー・ヤブリに切りかかったことで潜伏していたニンジャソウルが覚醒。門下生ともどもドージョー・ヤブリを惨殺し、周辺地域でブッダデーモンと恐れられる怪物と化した。

◆忍◆ニンジャ名鑑 #XXX 【ホットソース】◆卓◆
ショウユ・プールに転落し死亡したカキノタネ工場の従業員ツルダにニンジャソウルが憑依。邪悪なニンジャ、ホットソースと化した。奴隷農場の作物を用いた違法カキノタネの製造、販売が彼のシノギだ。

EX.インターラプター

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・捕獲方法:このシナリオにおいてインターラプターは体力が0以下になっても行動不能になるだけで即座には爆発四散しない。その状態で1でもダメージを受けると即座に爆発四散する。このシナリオにおけるホットソースやキルアラシ、そしてサンプルシナリオ2のヤモト・コキとは違い、サツバツ!が出たり、一度に体力が-1以下になっても即死しないので注意。サツバツ!で6の目が出た場合は、プレイヤーの考案したヒサツ・ワザや急所への致命的なダメージなど、適切な表現に置き換えるとよいだろう。この状態でゲームを終了すると、捕獲成功とみなす。

行動指針

※あくまで指針なのでNMは状況に合わせ適切と思う行動をとらせて良い。

①攻撃の際は基本的にキルアラシを優先するが、マップから逃げようとしているPCがいた場合、NMはそのPCの能力値を見て逃げる前に爆発四散させることが現実的に可能かなどを考慮し、どちらを攻撃するか決めること。

②基本的にカラダチの効果を受けていない間、カラテダイスは3/3/8といった偏りのある割り振り方をし、サツバツ!と敵のカウンターカラテをトリガーとしたカラダチの発動を同時に狙う。攻撃を回避するために添えた手が吸いつけられた、といった状況をイメージしているので、カラダチを避けるためカウンターカラテを発動しないという選択は取れない。カラダチの効果中は連続攻撃を放棄し、一度の攻撃に全ダイスを注ぎ込むことが多いだろう。ただし、PC達の残り体力や回避ダイス次第では普通に連続攻撃をしかけてくることも当然ありえる。ただし「ショーユ・タンク」の効果でカラテが大きく減少している場合はリスクが高まるため、カラダチを積極的に狙ってくることはなくなる。もちろん、そのような状況を避けるためインターラプターは極力「ザムラ・カラテ」を利用し体力の減少を避けようとする。

③カラダチの効果によって回避ダイスが減少している場合、サツバツ!が発生していないダメージ2以下の攻撃は、それがターン中で最後に受ける攻撃でない限り、なるべく回避せず体力やザムラ・カラテで受けて回避ダイスを温存しようとする。

④カラダチやタタミ・ケンを使う時、精神力の温存はあまり気にしない。ただし残り精神力が3以下になった上、オハギも持っていない場合や、PC側に強力なカナシバリ使いがいた場合などは例外としたほうがよいだろう。また、ムテキ・アティチュード持ちを相手取る場合、一度でもジツを見せたならその後はカラダチやタタミ・ケンをそちらに使用するのは控えるだろう。基本的にカラダチからのタタミ・ケンを回避しえないPCや、弾き飛ばし(プラグイン『デッドリー・ニンジャマジック』参照)やカナシバリ・ジツなどのカラダチへの対策となりうる能力を持ったPCがいればそちらを優先して狙うはずだ。

エントリー
⓵ダイス目に関係なく、【Wasshoi!】判定のトリガーとなったPCに、より短い経路で隣接できる出入口に出現する。出入口が存在しない場合は、最も近いマップ外との境界線に出現。

インターラプターに纏わる台詞や描写の案

PC達が狼藉を働いた場合:「ソウカイヤ、そこまでにしておけ」恐るべきカラテをみなぎらせた男が、あなたたちの前に姿を現した。身なりこそみすぼらしいが、あなたたちのニンジャとしての本能が、目の前にいる男がただならぬ存在であることを告げる。「......ドーモ、インターラプターです」

 違法カキノタネ工場の入口に出現した場合、顔を合わせるか、PC達の方からアイサツを仕掛けてくるまで謎のNPC扱いとして、アイサツは無しでもいいだろう。

違法カキノタネ工場へ現れた場合:恐るべきカラテをみなぎらせた男が、あなたたちの前に姿を現した。身なりこそみすぼらしいが、あなたたちのニンジャとしての本能が、目の前にいる男がただならぬ存在であることを告げる。「......ドーモ、インターラプターです」

キルアラシがその場にいた場合:インターラプターは様々な感情が入り混じった複雑な表情で、キルアラシに呼びかけた。「シヤマ=サン。もうよせ」「ワタナベ=サン......」キルアラシは一時逡巡した後、邪悪なカタナ『ネダヤシ』を構える。狂気に満ちた瞳が、インターラプターを見据えた。「なにやら勘違いしているようだ。俺はシヤマ・タクラではない......いい機会だ。貴様もネダヤシのサビにしてくれよう。ドーモ、インターラプター=サン。キルアラシです」

カラダチの描写:「フンハー!」<対象となったキャラクター>の攻撃は、確かにインターラプターの体をとらえたはずであった。しかし、おお、見よ!<対象となったキャラクター>の体が、謎めいた力でインターラプターの体に吸いつけられている!

ザムラ・カラテによる防御の描写:攻撃は確かに入ったが、奇妙な構えと鋼鉄のような肉体に弾かれ、ダメージが入らない!

タタミ・ケンの描写:「ハイーッ!」(命中判定)インターラプターの拳が<攻撃対象となったキャラクター>に打ちこまれる!<攻撃対象となったキャラクター>の体はバッファロー殺戮武装鉄道が激突したかのような衝撃を受け、凄まじい勢いで壁に叩きつけられる!

オハギ咀嚼:「ハーッ、オハギ......まだ1つ残っていたはず......!」インターラプターはコートからプラスチック製のタッパーを取り出し、中のオハギへ狂ったようにかぶりつく。「ああー、あまい......」インターラプターはしばらく恍惚とした表情をしていたが、すぐに恥辱と自嘲を感じさせる目であなたたちを見据える。「ああ......すまんな、続きをするか」

セッション用Googleスプレッドシート

セッションで利用可能なマップデータ

利用規約

 NMはこのシナリオに含まれるデータを自ら作成したシナリオへ自由に流用できる。例えば「ホットソース」や「キルアラシ」が生き延びた場合、それ以降のシナリオで自由に登場させることができ「インターラプター」のデータを他のシナリオで使用することも出来る。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、この記事を引用元として明記すること。
 リプレイ公開への制限は特にないが、可能なら事前にTwitterで「@koyazawa_ninja」に連絡を行うこと。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。

参考資料:「ニンジャスレイヤープラス」ダイハードテイルズ


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