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児孫に残すは金にあらず| 人生と財産―私の財産告白 本多 静六 (著) | #塚本本棚

金持ちが言う”世の中金じゃない”は、大変為になる。

児孫に与えるべきは美田ではなく、この世の中を自由に生きるための処世術なのだと思う。愛情を与え、遺伝的長所を発見し、様々な選択肢や機会や経験を与えることに注力したい。

今日は「人生と財産―私の財産告白( https://amzn.to/3ZAb9uY )」 本多 静六 (著) #塚本本棚

伝説の億万長者本多静六が、金銭と財産の真実について、本音で語った不朽の名著。戦前戦後の経済人に見識を示した、その堂々たる蓄財術と見事な金銭哲学を公開。


【書評】
少し前までは、子供の為に資産管理会社を作り、子供は30までは社会でもまれたのち、30を超えたらその会社に入り、その会社の中で事業投資をしてもよいし、各々の遺伝的長所に従った事業をやってもよいではないかと思っていました。

しかし、いろんな人の考えや富豪などの自伝(本書)、話などを聞く中で、”それもまた不自由を子に強いるのではないか?”という思いに至っています。

最近は最低限のお金を若いうちに贈与した後は、愛情と経験と選択肢を与え、ひたすら自己錬磨し、自由に生きられるきっかけを与える事に集中すればいいのではないかと思うに至ります。

本多静六氏は莫大な財と地位、名誉を得ましたが、10代の頃には勉学が振るわず自殺騒動を起こしており、辛くも生き残るという経験をしています。

そこで死線を超えたことにより、努力を覚え、且つ時流が味方して今に至るのだから人生一寸先はわからないものだなぁと思います。


【本を読んで考えたこと・メモ】
・本多静六氏は、まず給料の4分の1を強制的に貯蓄し、その後コツコツと株や土地に投資して財を築いた

・人は一生のうちに、早かれ遅かれ貧乏を経験する。子供の頃に贅沢を知ったものはあとで貧乏をするし、その反対に早く貧乏を経験した人は必ず後が良くなる

・”とにかく、金というものは雪だるまのようなもので、はじめはホンの小さな玉でも、その中心となる玉が出来るとあとは面白いように大きくなってくる”。←これは僕も腑に落ちる。昔10年かかって得たお金が今では1年で手に入る

・何人も「貯金の門」をくぐらずに巨富には至りえない。貯金とアルバイトで雪だるまの芯を作る

・好景気時代には勤倹貯蓄を、不景気時代には思い切った投資を←思いっきり逆張り思考なのがうかがえるが、これこそ個人投資家の生きる道と思う

・金なんか、仕事という道楽をした後の残り粕(かす)なのだ。そんなものはどうだっていいじゃないか

・幸福とは決して親から譲ろうと思って譲れるものではない。幸福は各自、自分自身の努力と修養によって勝ち得られるもので、教育とか財産さえ与えてやれば達成されるものではない

・それよりももっと大切なのは、一生涯絶えざる精神向上の気迫、努力奮闘の精神であって、これを生活習慣の中に十分沁みこませること

・我が子が可愛ければ可愛いほど、一人で世の中に立っていけるように教育や仕事、技芸の習得で食っていけるように心配してやるべきで、金を残すとか財産をくれてやるとか、そんなことばかりを考えてはいけない

・子供らへの遺産配分のごときもいわゆる「生き形見」として出来るだけ早く引渡済みにすべきだ。子供が親の死ぬのを金の為に待つなど滑稽で悲しい

・金は貸すな。今日の経済組織においては、筋の通った本当に必要な資金は、信用のある人にはそれぞれの供給先がある。とにかく、個人的に金を借りに来る人にはたいてい何かの欠点があり(病気災難の場合は別)、短所があるものでそれを自ら矯正しない限り、いくら金を貸しても到底成功はおぼつかない

・ただし、その戒めと共に多少の金ならその場で恵んでやるくらいのゆとりは持ちたい(不必要な恨みや敵を作らない為にも)

・金は職業道楽の粕である。精神的に儲け、生活的に儲け、社会的地位、名誉に儲けた、儲け粕でしかない

・人は一人では生きられないのだから、収穫の全てを独り占めしようなどという考え方は大間違い。「儲けようと思えば儲けさせろ」人を儲けさせることで大成に至る

・渋沢栄一翁は”理にはじめ、情で終わられる”、めずらしい存在であった。「義理と人情・論語と算盤」

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