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【求人票】転職エージェントが企業人事に質問していること

転職エージェントの仕事の一つに、求人票の作成があります。

求人票には、どんな仕事内容、どんな労働条件、どんな応募要件、といったことが書かれているのですが、けっこうわかりにくいことも多いです。わかりにくいというか、想像がつかない。

そこで、私が普段、企業人事との求人ヒアリングで質問していることをまとめてみました。
もしかしたら、転職活動者にとっては「面接で企業に質問する場面で何を聞いていいかわからない」という悩みを解消するヒントになるかもしれません。

募集背景は?

なぜ今回採用をするのかを聞きます。
「退職者が出たから欠員補充したい」であれば、前任者がどんなスキルを持つ人だったかの話になります。
「リーダークラスがいないから、部長がマネジメントに追われて大変」であれば、いまの社員をリーダーに上げるには何が不足なのか(=今回採用する人に求めたいポイント)、部長はどんな人か、部長の本来の仕事は何か、といったあたりの話に展開します。
「1人で兼任していて業務負荷が高いので、分散したいから増員」なら、どんな業務を任せたいのかの話になります。この場合、応募者の強みによって任せる業務を変えることもありうるので応募要件は広くなる可能性もあります。

配属部署の組織構成は?

配属先の人数、年齢層などを聞きます。
募集背景と照らし合わせて「じゃあ今いる20代の方よりも少し年齢が上で、お兄さん的なタイプが合いそうですね」なんて話にもなります。
入社する人がメインで関わることになる先輩や上司がどんなタイプの人か、という話をすることもあります。応募者に入社後のイメージを持ってもらう材料になります。

目標は?

特に営業職であれば、目標数字を確認します。
個人目標がある場合もあれば、チームで目標数字はあるものの個人としては設定されていない場合もあります。
そのまま流れで、「皆さん目標は達成してるものでしょうか?」と目標達成者率を探ったりもします。9割が成し遂げてるのか、5割程度しか達成してないのかで、難易度が掴めます。
特に異業種での営業経験者を応募対象としている場合には、応募する側としては扱ったことのない商材なので、受注までにかかる時間や単価などがわかるとグンとイメージしやすくなります。
合わせて、評価はどのようにされるのかという話になることもあります。

他部門とどう連携するのか?

職種にもよりますが。
単に「データを加工します」とだけ仕事内容を聞かされるよりも、前工程としてどこからどんな形のデータを入手して、後工程としてどの部門に渡すのかというのがわかったほうが、何のためにその業務をするのか、が明確になります。
その業務の前後に、どんな部門とどう連携するのかがわかると、多角的な視点でその業務が理解しやすいです。

残業時間は?

働き方のイメージを持つために聞きます。
もし同業同職種と比べて残業が少ないのであれば、「残業を減らしたい」という転職動機の方には魅力的なポイントになります。
関連して、フレックスの有無や利用状況とかも聞いたりします。

テレワークの実施状況は?

この情報の有無は応募数に大きな影響を与えます。
テレワークをしたいから転職をしたいという人もいるので、制度としてどうなっているか、運用としてどうなっているかを聞きます。
関連して、テレワークに対する考え方や企業としてのスタンスなども伺い知れます。子育てにも理解ある職場で上司もよく保育園のお迎えに行っている、だとか。

今いる中途社員の出身企業や出社業界は?

ターゲット像を明確にするために聞くことがあります。
現社員のほとんどが同業界の出身者であれば、いくら応募要件で業界不問としたところでやはり同業界の経験者でないと活躍が難しいかなとか、いやそれでも異業界の人を受け入れるのであれば、研修を充実させているだとかマンツーマン指導するだとかの安心材料はないか、といった話になります。

面接スタイルは?

対面なのか、オンラインなのか。
オンライン可でも、一次のみOKなのか、なるべく対面が望ましいのかなど。
あわせて面接官も聞きます。
二次で社長面接をして、三次に最終面接として人事役員との場があるというケースもあります。そんなときは「これ三次は、実質ほぼ落ちることはないんでしょうか?」なんてことも聞いたりします。

その他

「こんな経験があってこんなことしてる人だとどうですかー?」と聞いて、ターゲット像をすり合わせたりもします。

「要件として、AとBはどちらが優先順位高いですか?」とか、「経験浅くてもなるべく若手を採用したいということですが、45歳で経験ピッタリ即戦力の人がいたら採用対象になりえますか?」とかも聞いたりします。いずれも、企業側の要件の強弱を確かめています。

さいごに

つまるところ、企業から見れば、マッチする候補者を選出するのが転職エージェントの役割です。だから、1)どんな人を採用したいのか、2)その人に応募してもらうにはどんな情報があればいいのか、を正しく理解するのが転職エージェントの仕事です。

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