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20-21シーズンの失敗と成功

競技から少し離れたシーズンオフを過ごして、昨年春からの1年を冷静に客観視できるようになってきたところでまとめてみます。

スキー選手はこれから始まるオフシーズンのトレーニングを組み立てる際の参考になれば幸いです。
あくまでも一個人の考えです。これが良い悪いと鵜呑みにせず、一度自分で咀嚼して考えてみることをオススメします。その為の素材のひとつにしてください。

速く走れるようになるためには、ゆっくりと走らなくてはならない

記事の最後に紹介する本の中にある一節です。
昨シーズンは、この言葉が身につまされました。


成長と成功

そんな中でも成功や成長を感じられる事も多くありました。

①ジャンプの技術向上
 風などの条件が良い時は比較的誰でも飛距離を出しやすいですが、追い風など悪い条件の時に大きく距離を落とさずまとめられる様になってきたのを今季実感しました。
試合数が極端に少ない国内戦ではかなり重要な事で、数試合ある中で悪い条件に当たってしまう事は少なくないです。ましてや風の補正(ウィンドファクター=WF)を導入している試合は約半分。
そんなこんな中でこの成長は捨て試合がなくなり常に上位にいることができた事に繋がりました。


②クロカンの技術向上
 これが一番大きいです。ざっくり言うと、上半身と下半身の連動性が高まったこと、悪いポジションになる時間が大きく減ったこと。この2つが改善され効率の良いフォームになったと感じます。試みた事がいくつかあり、それが上手くリンクしていった感じです。これはシーズン前もシーズン中にもどんどん良くなっていったので、来季に繋がる良い傾向でした。

③最大速度の向上
 ④でのテクニック向上ともリンクしますが、最大速度が上がった手応えを大きく感じました。スプリントなどのトレーニングや、レース中のアタック時など、効果を感じる場面が多かったです。一気にスピードを上げられるパワー(※ここでは分かりやすさ重視でパワーと書きます)もそうですが、スピードを出せる技術を高められたのが大きいです。

④狙い通りのピーク
 12月の全日本コンバインド、2月に予定されていた全日本選手権と国体を最大の目標に見据えそこにピークを合わせられる様に計画しました。
さすがに12月は間に合わせられませんでしたが、2月はかなり良い状態へピーキング出来ていました。結局試合は延期と中止になってしまいました。もし試合があったらどういうパフォーマンスができていただろうと考えると残念でした。
しかし逆を返せば、そこから3月へピークを変更する事は上手くいきませんでした。今後こういったイレギュラーな予定変更が今まで以上に出てくる可能性があり、対応できる術を持つのはこれからの課題です。

失敗で挙げた夏の体調不良で、正直「今季全くダメかも...」と不安だらけのシーズンインでしたが、それなりに戦えたのは成長と成功があったからかと思います。マイナス要素をプラス要素でカバーできた感があります。
しかし、長いシーズンの終盤はさすがにボロが出てしまった様な気がします。


ではここから上手くいかなかった要因について。
分かりやすく“失敗”と書きますが、個人的には試行錯誤した結果なので失敗とは考えず良い経験だと捉えています。だいぶ遠回りしてしまいましたが。
他人の成功体験は簡単に真似しがちですが、失敗体験からも同じくらい学べる部分が多いです。私は遠回りしてしまいましたが、これを読んでくれた方やその周りの方は、これを踏まえて最善を探って頂けると私の経験が浮かばれます。

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