Sexy Zoneのシングル曲をリリース順に振り返ってみる 前編


 Sexy Zoneというグループはどちらかといえばカップリング曲やアルバム単位で語りたいんですけれど、事務所の都合に振り回されたり、自分達の色が出てきたりという点がわかりやすいですし、とっつきやすくもあるので、今回はシングル曲を中心に1度、振り返ってみようかと。
 2022年7月現在までに21枚リリースされており、絶対に長くなるのでカップリング曲やアルバムに関することはひとまずは出来る限り補足程度に留めておきます。


 
1枚目:Sexy Zone
 お馴染みのデビュー曲です。
 白い宮殿で白い衣装に身を包んだ少年たちが赤い薔薇を持って面妖な曲を歌い踊るMVがあまりにもショッキングで、その衝撃は凄まじかったです。
 あんなもん虜になるに決まっています。
 本当に名曲だと思いますし、おそらくはわけがわからないオーダーが主に歌詞に関してはアレコレあったと思いますが、よくこの歌詞を書けましたね。
 とりあえずデビュー曲らしいフレーズとバレーボールタイアップらしいフレーズ、Sexy Zoneというグループ名はなんとかして入れ込まなければならなかったはずだと考えるとプロは凄いなぁと思います。
 小西康陽が「慎吾ママのおはロック」を提供した際のエピソードをプロデュースワークをまとめたBOXセットのライナーノーツに綴ってありましたが、とんでもない量のオーダーとダメ出しが来るそうですからね。
 慎吾ママのプロフィールや番組内での言動、入れてほしいフレーズ、曲の構成の変更依頼とか怒濤のオーダーだそうで。
 「大きなマスを相手にするとはこういうことなのだな」と思ったそうですが。
 「Sexy Zone」という曲に関して1点、重要なのは声変わりすることを想定して製作された曲であるということでしょうか。
 本当にこれは重要。
 10代の子たちのデビュー曲っぽいテイストではないんですよね。
 この後のキラキラアイドル路線を考えると、それこそこんなクールなデビュー曲なのにすぐ路線変更したみたいな印象になってしまうわけで。
 ただ、このデビュー曲は今後1番歌うことになる曲だろうからということで、大人になればなるほど似合う曲、かっこよく歌える曲として製作したんですね。
 あと、めっちゃバックトラックに金がかかってて大好き。
 こんなに金かかってる曲はそうそうない。
 だから、デビュー2年目から一気に予算の削減されたのがわかって悲しくなるんですが。



2枚目:Ladyダイヤモンド

 かわいい。
 とにかくかわいい。
 唐突な俳句(川柳)はともかくとして王道アイドルソングですよ。
 当時、この曲をデビュー曲にすればよかったのにという声もありましたね。
    実はセカンドシングルを出すか否か大人たちの会議が開かれて、首の皮がなんとか繋がってのリリースだったことを後に本人たちが明かしてます。
 ただ、この曲はリリース当時からふまけんのキーがギリギリで、すぐに原キーでは歌えなくなっちゃったんですよ。
 聡マリと比べたら目立ちませんがふまけんも声変わりしたんで。
 儚いですが、それがデビューが早かったグループの感慨深い点ですね。

3枚目:Sexy Summerに雪が降る

 どういうことなのか理解に苦しみます。
 リリース当時からそんな名曲。
 春夏秋冬いつでも歌える汎用性の高い曲で、数年間くらいは特番出演時にずっとこの曲を歌ってた記憶。
 「Sexy Zone」(曲)と「Sexy Summerに雪が降る」で数年は回してましたね。
    歌詞について5人で真剣に意味や解釈を話し合ったというエピソードが好きです。

4枚目:Real Sexy! / BAD BOYS
    両A面シングルなんですが「BAD BOYS」はMVが製作されていません。
    健人さんの初主演ドラマの主題歌だったんですが、Sexy Zoneは「主演ドラマのタイアップ曲のMV作ってない」「主演ドラマの主題歌を歌ってない」みたいな事例が多いです。
 おそらくなんですが、この時期に関しては急に主演ドラマやることになったり、急なレコーディングだったり、急にシングル曲になったり、そういうことだったんではないかと。
 本人たちが「MV撮っておきたかった」みたいなことを言ってるのを聞いたりします。
 そりゃそうだよなと。  
 2曲共、デビュー1年目に比べると力抜けちゃったというか、悪くはないけれどもくらいの出来に落ち着いた印象ですね。
 制作費が減ったんでしょうね。
 MVもCGの多用で誤魔化そうとしたのか、はたまたスケジュールの問題か。
 とりあえずなんか安いです。

5枚目:バィバィDuバィ 〜See you again〜 / A MY GIRL FRIEND

 問題作と名バラードです。
 ジャニーがドバイに行きたかったから製作された困惑曲と、しょりたんの主演ドラマの主題歌です。
 ただし、主演ドラマ主題歌「A MY GIRL FRIEND」はMV製作されてません。
 またしてもです。
 前作から3人体制曲と5人体制曲が出来はじめて、3人体制曲のMVは無いので、その辺の問題も絡んでいるやもしれません。
 問題作、困惑曲と評していますし、Sexy Zoneというグループの発表した曲、それこそジャニーズアイドルの発表した曲の中でも屈指のトンチンカンである「バイバイDuバィ」ではありますが、めっちゃ楽しいです。
 よくわからないけれど、とにかく楽しい。
 これはこれで良い曲なのだと思います。
 そして「A MY GIRL FRIEND」
 1番は最初から最後までしょりたんのか細いヴィスパー気味な声で歌われるソロ仕様。
 2番からふまけんが情感たっぷりに歌い上げるという、主演ドラマ主題歌とか役割分担であるとか、そういうもろもろがとてもわかりやすくなっている曲ですが、ホントに大好きですね。
 この時期のしょりたんにこのテイストの曲で、1番丸々ひとりで歌わせた英断に感謝したい。
 デビュー2年目からって曲数がどんどん増えていって、どうしても影が薄くなってしまっている曲や、セットリストにマッチしない曲、入らなくなっている曲が増えてしまったと感じるのですが、Sexy Zoneはここぞというときにしっかり引っ張り出してきて披露してくれる安心感や喜びがあります。
 「バイバイDuバィ」なんかは最早、名刺みたいなものなので当然ここぞというときを見計らってがっつり披露してくれます。
 嬉しい。 

6枚目:King & Queen & Joker

 リリース当時は歌詞が切なかったなぁという思い出。
 凄く好きな曲だから余計に。
 聡マリがバックダンサー状態で「これが僕達の運命なんだよ」って風磨に歌われるのつらさしかない。
 ラブトライアングルっていうモチーフ(歌詞)なので、まぁ当然3人を想定してますよねっていうことで、好きな曲なんですけれど、思い出が邪魔をする。
 この時期はしんどい時期、前半戦ですね。

7枚目:男 never give up

 ついに関ジャニ∞化したのかと噂された曲。
 本人たちもそんなふうな言及してた。
 特別、思い入れはないんですが。
 勝利「♪元気だせよー」
 健人「♪夢諦めんなよ」
 風磨「♪オッマエラッシックスゥゥゥッスゥゥゥッメェェェェェェェェ」←このやけくそ気味な熱唱が好きです。
    3人体制の曲で全体的にしっかり良さが出てるのは風磨だと感じる。

8枚目:君にHITOMEBORE

 3人体制が生んだ1番の名曲です。
 ただ、この曲はふまけんで成立しちゃってるのでしょりたんがいる意味について考えてしまうという新たな問題を生みました。
 本当に良い曲なんですけれど、これだったらふまけんのデュエット曲にした方が宜しくなかろうかと思わせてしまった1曲ですね。
 健人さんのソロコンサートで「これまでにリリースしたSexy Zoneの全シングル曲をひとりでやりきる」っていうのがあったんですけれど、その後、聡マリがふたりでコンサートしたときに「自分達が参加出来なかった曲に対してファンにモヤモヤした気持ちを抱かせ続けないように、参加出来なかった曲を聡マリでやってみせる」ってのがあったんですね。
 そして、5人体制に戻ってからは3人体制時代の曲も普通にセットリストに入ってきますし、5人仕様の歌割りに変わってます。
 そして、3人体制曲の中でおそらく1番披露されている回数が多いのがこの「君にHITOMEBORE」なんじゃないでしょうか。
 3人体制の曲を封印するグループ、メンバーじゃなくて良かった。
 ファンの気持ちに寄り添ってくれるメンバーたちで良かった。
 この曲が封印曲扱いになって何事もなかったふうに活動を続けられてたらそれこそつらいですよ。

9枚目:Cha-Cha-Cha チャンピオン

 タイアップに思いっきり寄せた曲で「♪チャチャチャチャンピオーン」というフレーズは非常に耳触りが良く、印象にも残るんですがそれだけといえばそれだけの曲です。
 なんかマリがこの曲、好きなのかなと思わせる言動をデビュー5周年の際にリリースしたベストアルバムの特典DVD内でしてたんですが、メンバー同士でバタバタした会話を繰り広げておりマリの真意がイマイチ掴めなかったんですよね。
 音楽性みたいな小難しい話ではなく、明るく楽しく前向きな歌詞で振りも覚えやすいみたいなことかもしれませんが。
 そういう狙いで製作して披露した曲でしょうから。

10枚目:カラフル Eyes

 この曲が5人体制に戻れるかどうかの勝負曲でした。
 中居さんがジャニーに直談判してくれたことで5人体制に戻れたことは今では有名ですが、おそらく久々にきちんと5人でリリースしてみて世の反応やセールスを事務所が確認・把握するための曲だったんだろうと思います。
 と、いうのも風磨がラジオで物凄く真剣にSexy Zoneを好きでいてくれている人、応援し続けてくれている人にこの曲を聞いてもらいたいし、購入してもらいたいという思いを何度も伝えてたんですよ。
 久々の5人でのシングル、
   久々のデビュー当時の延長線上にあるキラキラアイドルソング。
 これで今後が決まってしまうから必死に訴えようとしているんだろうなと察しました。
 個人的にはですが、はじめて風磨がグループのために本気になった、本気で自分の思いを自分の言葉でなんとかファンに伝えようとしている姿を表だった場で見せたという印象を受けました。
 全員、ホントに若かったですし、経験も浅いうちにデビューしてますからね。
 健人さんなんかはデビュー曲のリリースイベント中(イベントとイベントの間)に大学の面接へ行ってますし、風磨は風磨でデビューしてから大学受験が終わるまでかなり精神的に波が激しく荒んでましたし。
 ジャニーズアイドルの高年齢化が問題視されていますが、若いうちにデビューするとそれはそれで弊害も非常に大きいよなぁと思わされます。
 受験とデビューが重なるとかそりゃとんでもない目に遭ってるよと。
 本題。
 デビュー当時から渋谷系フレーバーを感じさせる曲はアルバム曲やカップリング曲にちらほら収録されていたんですが、シングル曲でここまでフレーバーを感じさせるのは初ですね。
 デビューして5年。
 デビュー当時と同じような路線で行くにしてもちょっと考えないといけない。
 あの頃より成長したSexy Zoneをお見せしようというところでしょうか。
 思い入れは非常に強い1曲ですし、好きな曲でもあります。
 ただ、ここからがSexy Zoneの面白いところですので。
 結果としてキラキラ路線はここまでで、ここからは等身大路線へ寄っていきます。
 そのへんは後半で。


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