2023年6月9日から2024年1月16日の期間に観た映画まとめ+感想


 個人的な話で恐縮なのですが、2022年の4月から約8ヶ月ほどほぼ寝込んでまして、2023年に入ってからやっとそれ相応に動けるようになりました。
 最初は外出することそのものに恐怖や不安感があったり、人と顔を合わせたり会話することが恐かったり、自宅のまわりを5分ほど歩くだけで息切れしたりとなかなか大変だったのですが、それでも外出を楽しめるようになったり、エンタメを楽しめるようになったりと少しずつ回復していくなかで「映画鑑賞」というのは自分にちょうど良かったように感じます。
 リハビリ期間を経て、まだ通院は必要だとはいえ心身共にひとまずの回復はしましたんで、映画を観に行くようになってから映画館でしっかりと観た映画をまとめてみようと思います。

 まず観た映画と、観た回数はこちらです。

 美少女戦士セーラームーンCosmos 前編 1回
 美少女戦士セーラームーンCosmos 後編 3回
 怪物 6回
 ミンナのウタ 1回
 スイート·マイホーム 1回
 劇場版シティハンター 天使の涙 1回
 禁じられた遊び 1回
 名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 1回
 ミュータントタートルズ 1回
 ザ·クリエイター 1回
 キラーズ·オブ·ザ·フラワームーン 1回
 北極百貨店のコンシェルジュさん 1回
 椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常 1回
 ゴジラ‐1.0 1回
 カラオケ行こ! 2回

 僕、怪物大好きですね。

 もっと観に行ったような感覚すらあるんですが、6回なんですねぇ。
 とにかくこの作品は映画館で観ておきたいと思って、何度も通った記憶があります。
 カラオケ行こ!が現在、そんな感じなんでまだまだ観に行くと思いますね。
 ひとつひとつ作品の思い出や感想、印象的なことや話せることがあるようなら個人的な出来事なども綴っていきます。

「美少女戦士セーラームーンCosmos 前編 後編」

 90年代のやつをずっと見ていてなれるものならセーラー戦士になりたかったというくらいセーラームーンが大好きです。
 新作に関しては始まった当初は見ていたのですが追いかけられなくなり、 いつのまにやら最終作を映画でやるらしいと知り、そしてセーラーギャラクシアを林原めぐみが演じると知り、最後だけでもきちんと観たい、めぐさんの演じるギャラクシアが観たいと、映画館へ。
 登場人物と映画の尺が合ってなかったですねぇ。
 最も重要であり、きちんと見せたいであろう後編の中盤からラストまでに関しては良いんですが、新キャラ(敵)登場→変身→敵退場→新キャラ(敵)登場→変身→味方退場みたいなストーリーが続くというキャラの掘り下げや見せ場がなかなか無い悲しみと切なさがありました。
 90年代に放送された旧作には登場しなかったキャラクターや、変身やバトルを見ることが出来なかったキャラクターらがしっかりと登場したり、変身しバトルしてくれたことは嬉しかったですし、90年代版オマージュやリスペクトを感じる演出や選曲には心踊りましたが、それ故に残念だった点への思いも大きいです。
 そして、セーラームーンが今の時代に復活し、つらい現実や悲しい出来事、人々の争いに心を痛め苦しみながらも「私はどんなにつらいことや悲しいことがあったとしても大切な人々と共に今を生きていきたい」との思いで愛や希望を手放してしまいそうになっても、涙すら枯れ果ててしまっても、挫けてしまっても、再び立ち上がる姿に心打たれました。
 やはりセーラームーンは良いです。
 このCosmosだけでもいいから見てほしいですね。
 最終章なので「正義とは」「愛とは」「セーラー戦士とは」みたいな概念や信念、思想や作品そのもののテーマ性みたいなものを問うストーリーなんですよ。
 だからこそ、むしろなんとなくはセーラームーンを知ってるくらいの一見さんならここから入るのもアリだし、これだけ見るってのもアリかなと。
 劇場版だということや、尺の都合で、コンパクトにまとまってはいますし、最初から最後まできちんと登場してるのがセーラームーンだけですし。
 ファンからすればそこが問題ではあるんですが。

「怪物」

 何を語っても野暮っていうその一言に尽きると思ってしまうので、きちんと内容について綴ったことがない作品です。 
 観た人が何を感じたか、何を考えたかが全てだと僕自身は思ってしまうので、僕の視点や感想で、この作品を観た方やこれから観る方に余計なバイアスをかけたくないのですよ。
 アガサ·クリスティーがメアリー・ウェストマコット名義で発表した「春にして君を離れ」なんかにも同じような気持ちがあるんですけれど。
 概要は話せるけれど、明確なストーリーや結末やそれに対する感想や、僕自身の気持ちは可能な限り記したくないです。
 あえて何かを書くならば、みなとくんが可愛いということと、2回目に観に行ったときには冒頭のシーンが始まったタイミングからもう泣きそうだったという、それだけです。

「ミンナのウタ」

 主演であるGENERATIONSの歌手活動のプロモーションをしている部分を削れば良いホラー映画になっていたと思いますよ。
 映画の中で曲が流れた際、曲に合わせてカラオケのように歌詞が表示される映画は始めて見ました。
 決して演技は悪くないし、ホラー映画としてきちんと作られているので、アイドル映画的なプロモーション部分がとにかくもったいない作品でした。

「スイート·マイホーム」

 窪田正孝くんが観たくて行きました。
 窪田くんのことは初主演作である「ケータイ捜査官7」ではじめて知り、当時「とんでもない演技をする子が出てきた」とテレビ東京系のゴールデンタイムでやってる特撮番組(ちなみに裏番組は当時大人気でブームを巻き起こしていたクイズヘキサゴン)を見ていた少数精鋭のオタクたちに衝撃を与えました。
 引退するつもりで残ってる仕事の整理中に受けざるをえなかったオーディションで主演が決まったっていう窪田くんと番組スタッフの数奇な運命や縁も、必然を感じさせるものがある名作なので「ケータイ捜査官7」を見たことが無いという特撮作品に抵抗のない方は是非一度見てみてください。
 一度、引退を決心するも、本気で1年間やりきろうと全力過ぎる演技でぶつかってくる窪田正孝凄いですし、やりきったことでこれからも役者続けるって決めてくれたことに感謝ですし。
 いや、この作品そのものがめっちゃ面白いんですけどね。
 で、この映画ですね。
 以前、書いたホラーって難しいということを考えさせられはじめます。
 この点は後でまた言及します。


「劇場版シティハンター 天使の涙」

 シティハンターに何の思い入れも関心もないのですが、友人に誘われて観に行きました。
 ぼやーっと設定やストーリーや知ってるし、アニメ版の再放送も見たことがあるのですが「こんな声だったっけ?」とか「これは原作者繋がりで登場しているキャラで、これはなにかしらのかたちでコラボとかしたことがあって登場しているキャラなのかな?」などと思いながら、一見さんは普通に面白く観ることが出来ました。

 

「禁じられた遊び」

 これもホラーですね。
 馴染みのないホラー映画を3作見てみて、キャラクターの掘り下げや怪奇のバックボーンの設定やその説明、ストーリーへの絡め方やさじ加減、ストーリー展開などもろもろ難しいよなぁと考えさせられました。
 それは僕が足りてないと感じる部分、蛇足であると感じた部分、そして「じゃああの尺でどうすれば良かったのか」と自分なりに考えてみたからなんですが。
 ぼやーっとしすぎてたら説明を求めたくなるけれど、説明されればされるほど怖くなくなるというのは心霊ものや怪奇ものの壁ですね。
 だから「結局、生きた人間が一番怖い」というような流れに行くのでしょうか。


「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」

 好きは好き。
 面白いか面白くないかでいうと面白いとは思うけれど、一番の見所は金のかかり方っていうのが正直なところですかねぇ。
 やはり最初から全世界上映を視野に入れて製作している世界規模の作品は金のかけ方が違うというのは凄く感じました。
 やっぱスクリーンの中に映っている世界がゴージャスですもん。
 それが作品に良い影響や効果をもたらすかどうかはまた別の話だとは思いますが、まぁ予算は多いにこしたことはないでしょう。
 子役の皆さんの演技がとても印象的でした。
 良かったです。

 
「ミュータントタートルズ」

 幼少期にアニメを見ていたので、新作アニメを映画でやるのかーと思って観に行きました。
 いわゆる人外ヒーローものなわけですけれど(主人公は人間とほぼ変わらない姿や知能を持つ亀のミュータント4兄弟)この年齢になって観てみるとフェティッシュなものを凄く感じましたね。 
 幼少期にも感じてたかもしれませんが、まぁスパイダーマンであるとか、人間に迫害されてしまうような身の上を持っていたり素性を隠さねばならないような事情を抱えているヒーローに感じてしまうフェチズムですよね。
 4兄弟な上、全員お年頃の男子であるっていうミュータントタートルズのなにかしらの性癖に刺さってくるかんじ凄い。
 一定のニーズがあるやつですよ。
 平たく言うなら程度の差こそあれ4人共アホなんですよね。
 不憫な身の上ではあるものの、年頃男子特有のアホさや明るさがあるので、深刻なシーンや悩み苦しむシーンでもそこまで重苦しいものにならず、一定のコミカルさや陽の空気感があります。 
 可愛いんですよ、タートルズ。
 続編に続く的な終わり方してたので、ちゃんと続くと良いなぁ。 
 人気再燃ってくらいの再ブレイクは難しいかもしれないけれど、改めてその魅力にふれることが出来て良かったです。
 良い作品でした。


「ザ·クリエイター」

 戦争を止める最終兵器は人工知能を搭載した子供だったという洋画です。
 人間とAIの境目が無くなってしまった世界でAIとの共存を望む人間たちと、望まない人間たちが戦争をしており、機械を自在にコントロール出来るパワーを持ったAI (子供)が最終兵器だったという非常に壮大なストーリーで、空飛ぶ戦艦からレーザーやミサイルがぶっぱなされるシーンは圧巻ですし、最終兵器でAIたちを滅ぼそうと考えていた主人公が徐々に子供(最終兵器)と心を通わせていくという人間ドラマもあります。
 良い感じの要素は詰め込まれていますし、見応えもあったのですが、面白かったかというと言葉に困るような作品でしたね。
 あれだけ金かかってればそりゃあ迫力も見応えもあるよなぁと思ってしまいます。
 そんな作品ですね。
 ストーリーや登場人物に説得力が欠けているとでも言えばいいのでしょうか。
 ウケ狙い要素や面白要素を詰め込んだはいいけれど、きちんと料理しきれてないというか。
 一定のクオリティーにはもちろん達してますし、見応えはあります。
 ただねぇ……みたいな作品。


「キラーズ·オブ·ザ·フラワームーン」

 ずっと胸糞悪い話が続く名作です。
 間違いなく人は選びますし、3時間ほど胸糞悪い話を観るのは疲れはしますが、それでも名作。
 油田で莫大な財産を手に入れた原住民たちをひっそりと着実に食い物にして殺していって財産を得ていく白人たちという陰惨なストーリーで、原住民の女性と財産目当てに結婚するディカプリオがホントに良い演技してるんですが、結婚相手の女性を演じている方がそれを上回る演技を披露しており、僕は魅了されました。
 感情を表に出さず、それでも何かを訴える表情や視線を見せるという静の演技が凄かった。
 ディカプリオは叔父の権力や指示のもとに奥さんの姉妹を銃殺したり、家ごと爆殺したりと、とんでもない悪行ぶりを披露し、奥さんにもこっそり毒物を盛り続けて殺害しようとする非道ぶりなのですが、このディカプリオ演じる主人公がいつもちょっと抜けてたり、失敗しちゃったりする人物で。
 原住民の財産に目をつける前から悪事に手を染めていた悪い人物ではあるんですが、本気で好きになった女性と結婚しちゃったんですよね。
 楽して生きていきたい、しんどいことはしたくない、一生遊んで暮らしたいみたいなダメなタイプの方で、金を吸い上げるために何十年も原住民たちと交流し地盤がためしてきた権力者の叔父を頼って集落へやってきて、良いように叔父に使われるという、そんな主人公で、良い人ではないけれど、悪い人ともいえず、どこか憎めない情けなさと愛嬌があって。 
 叔父に金のために原住民との結婚しろと吹き込まれ、ホントに好きな女性と結婚しちゃうというそんな主人公ですから。
 そして、奥さんも奥さんで白人たちが金を狙っていることを知っており、身の危険もわかっていながら主人公に惚れてしまい結婚しちゃうんですよ。
 そして、自分の身の回りの人々が次から次へと亡くなっていき、自分の体調もおかしくなっていき、主人に疑惑を抱くものの、信じたい気持ちを捨てきれず、でも次から次へと人死にが起こっていき……というまぁ陰惨な話です。
 事件がついに明るみになって、最終的にどうなったかというところまできちんと描かれるのですが、2時間くらいは陰惨話が続くので胸糞悪いです。
 ただ、だからこその話でもあります。
 金(自己愛)と愛情(夫婦愛や家族愛)の狭間でずっと揺れ動き続ける主人公と、夫が悪事を働いていることはわかっているのにずっと共に生活し続け、夫の愛を信じようとする奥さんが最終的にどうなるのかは見所のひとつです。
 僕はこのふたりの結末にある意味で胸打たれました。
 なるほどね、と。
 この作品は観てみてほしい。
 色々堪え忍ばねばならないけれど。
 とにかくずっとつらいので。


「北極百貨店のコンシェルジュさん」

 こちらも名作ですね。
 1時間ちょっとという短さでさくっと見せてくる中編アニメ映画です。
 人間が絶滅させてしまった動物たちが欲望を満たしにやってくる百貨店で、動物たちの欲を満たすお手伝いをするために働き始めた新人コンシェルジュの女性が主人公のハートウォーミングストーリーです。
 上に書いたような世界観設定は登場人物たちやストーリーにとってはわりとどうでもいい部分になってまして、この物語の主題になってくる部分は「自分は何のためにこの仕事を選んでここにいるのか」「相手にとっての幸せは何なのか」「自分は何をすべきなのか」なんですよ。
 刺さりましたねぇ。
 人間誰しも考えるときってあると思うんですよ。
 接客業やサービス業やってるとなおさら。
 人の幸せを心から願う自分と、仕事として平穏無事に物事を進めるために人と接してる自分の板挟みになったり。
 なんかちょっと違うなぁとか、自分はこれで良いのかなぁとか考えてしまったり。
 人として大切にしていきたい気持ちを丁寧に伝えてくれてとても見やすい尺にまとめてくれてる全方位に親切な作品だと思いました。
 優しさに満ちてる。

  

「椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常」

 コンサートツアーのDVD·BDがリリースされるタイミングで映画館にて収録されている本編映像が公開されたのを観に行きました。
 が、映画ではないのでねぇ。
 ライブビューイングなどの体験も無いんですが、そんな中で「映画館でコンサートを観るってどんなかんじなんだろー」と思って観に行ってみた次第です。
 是非、DVD·BDをお買い求めください。


「ゴジラ‐1.0」

 そういえば幼少期に親と一緒にゴジラの映画を観に行ったことがあったなぁと思い、なんとなく観に行ってみました。
 ゴジラシリーズには様々なパターン、バリエーションがあることは知っていましたが、戦後ものだとは思っていませんでした。
 それくらいの事前情報で観に行ってます。
 戦争が終わった日本にゴジラの驚異が! と、ざっくり説明するとそういう話です。
 戦争によって癒えぬ傷を負ってしまった人々がどうにかこうにか懸命に生き、復興の兆しが見えてきて日常を取り戻し始めたとき、ゴジラが現れ、再び日常が崩壊するという。
 平和に穏やかに生きていきたい人々との対比や描かれ方により、ゴジラが戦争や災害、抗いようのない理不尽な暴力のメタファーとして機能しているのがこの作品の特徴でしょうか。
 非常に良い作品だと思いましたし、ゴジラシリーズに明るくはないものの「なるほど。こういうアプローチなのね」と感心されられましたが、能天気にドンパチやってる怪獣映画を期待してた自分がいたので、楽しい気持ちにはどうしてもなれなかったのも事実です。
 平凡で幸せな日常を手にするために懸命に生きる人々の物語としては非常に優れた作品なのも事実だと思っていますが、僕が思ってたのとは違いました。
 それもまた出会いと巡り合わせというもので、面白いですが。


「カラオケ行こ!」

 齋藤潤くんをどうしてもスクリーンで観たくて行ってきました。
 まだまだ観るべきだと思い、2回目行きました。
 とにかく僕好みの作品なんですけれど、万人受けという観点から見るとこの作品ってどうなんでしょう。
 僕が万人受けするものをなかなか好まない性分だったり、何が万人受けなのか最早わからなくなっている領域に突入してる感があったりで、そこらへんを推し量るのが難しいです。
 とりあえず「合唱部部長の男子中学生が飄々としながらも危険な香りを漂わせる明るく楽しいアダルトな魅力ムンムンなヤクザに歌の上達方法を教えてくれと頼まれてカラオケに連れていかれる」という、なかなかとんでもないストーリーを許容出来るかどうかがまず問題としてはあると思うのですが、ただ、この作品において一貫して描かれるこのストーリーってとても重要ではあるけれど、本質や本題はそこじゃないよねっていうのもまた事実ではあります。
 だから、このあらすじ通りの話ではあるんですけれど、このあらすじを入り口として紹介するのはより多くの方に観てもらいたいと思う場合、どうなんだろうって思ってる。
 そこを一旦、気にせず観てもらえたら気に入ってもらえるんじゃないかなーと。
 たとえば夏休みの始まりにたまたま出会ってなんとなく仲良くなってしまってとても大切な人になってしまった相手とのそんなふうには思ってもいなかった最初で最後の夏、青春の終わり、大人と子供の時の過ぎ去り方や重みの違い、全ては幻だったんじゃないかとさえ思ってしまうような突拍子もなく唐突で非現実的な世界の住人たちとの出会いと別れ、過ぎ去ってしまったあとにずっとその姿を探し追い続けてしまうような心に残る大切で愛しい思いと思い出。
 そんな出会いと別れを経験する少年の物語で、とてもセンチな気持ちになって、胸を締め付けられるような思いになる作品です。
 しんみりするし、きゅんきゅんするし、どう表現すればいいのかわかんない気持ちになって泣けてくる。

 

 ひとまずまとめてみました。

 長文になりましたね。

 まぁ記録と記憶ということで。

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