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義母と私のブルース 〜「ワーママあるある」 と息子の誕生日〜

恐怖とモヤモヤと安堵と……。
息子5歳の誕生日ウィークに起きたある “事件” をきっかけに、夫と「チーム育児」について考えたことを綴っていきます。

“絶対に休めない日” に限って子どもが発熱する不思議

先日のこと。息子、5歳の誕生日を迎えた翌日に、保育園で突然40度の熱を出し、その後救急搬送されるという出来事がありました。このところずっと元気で、当日も熱はおろか食欲も旺盛で普段通りだったのですが、朝9時半に突然保育園から電話が入りました。
   
そんな時に限って私は午前中のみ絶対に抜けられない大事なアポが入っていました。私の体はすでにクライアント先@東京駅。しかも、夫までもが年に数回しかない地方への出張中。

「今週はさぁ、昨日も一昨日も、在宅&リモートワークだったじゃん、私。何で、よりにもよって今なわけ!?」と心の中で阿鼻叫喚。

これぞ「ワーパパ&ワーママあるある」ですね(汗)
  
とはいえ、夫と私はもはやどうしようもないので、近所に住む義母にTELをし、私がアポを終え次第、昼に帰宅することを条件に保育園に行ってくれることになりました。
  
一安心した私は予定通り仕事へ。この日は取引先幹部への重要な取材。重厚な応接室に通され1時間半。が、カバンの中のiPhoneが15分おきにブーブー鳴る。何かあったのだろうか…大丈夫だろうか。取材が終わって着信を見たら義母からのLINEがたくさん入っていました。
  
なんと、義母と息子が保育園を出て20m進んだところで息子が突然ひきつけ(熱性けいれん)を起こし、泡を吹いて倒れたとのこと…。

「仕事と育児、どっちが大事?」 という不毛な議論

私の家系の遺伝で、息子は熱を出すたびに熱性けいれんが起きます。
(5歳だからそろそろ終息してほしいなと毎回願うも、まだ起きます。涙)

義母は自分の子育ても含めて、ひきつけを経験したことがなく、運悪くこの日初めてけいれんを目撃。孫のあまりの姿に気が動転し、パニックに陥り、救急車を呼んで総合病院へ向かいました。

義母自身、昔は子育てをしながらフルタイムで働いた「元祖ワーママ」。ゆえに、私を含め、働くママに対しては理解がある(と思っていました)。

ただ、今回の件で、元祖ワーママだからと言って自分の気持ちや価値観を理解してもらえるなんて甘すぎるんだ、ということがはっきり分かったんです。
約束通り、アポを終えて何とな13時に病院に着いた私に、義母はまくし立てました。

「遅すぎるよ!子どもが40度だっていうのに、その場で仕事を断れないなんてどうかしてるよ!!子どもと仕事、どっちが大事なの!?」
 
正直、あまりに突然で目が点になる私。
いや、まだ息子の顔見てないんで、せめて様子を見させてくださいませ〜〜

義母とは対照的に、私は過去何度も熱性けいれんを見ているからか、「いつものやつね」くらいの感じでかなり冷静で…。義母からすると、そんな私のクールな対応がまた癇に障ったのか、何やら言いたそうな顔。

 
「あのね。私も子どもが小さいころから働き詰めだったけど、それは家計が苦しかったからなのよ。さっちゃんのところはトモ(夫の名)がちゃんと稼いでるんだからそんなに頑張らなくていいんじゃないの? 」

おおお…来た来た!と思ったら次の瞬間、まさかのお言葉。

「働くなとは言わないけど、小学校に入るまではすぐにお迎えに行けるようなのでいいんじゃない? 駅前のスーパー、レジのパート募集してたわよ。」
    
ヒールで走って来たから足の小指が痛い。
でも、それ以上に胸が痛かった。

お義母さんの言ってること、理解はできるんです。あまり働かなかった夫(義父)に代わって必死に働き、苦労して2人の息子を育てたことは心からすごいと思ってるんです。だからこそ、反論ができない…いや、この場で反論なんてしちゃだめなんですよ。
      
働く理由は人それぞれ。

義母が生きた時代と私たちの時代は違うし、将来も違う。だから正論で返したって絶対にいいことなんかないんです。理論武装した私がここで彼女を相手に不毛な議論をしたって何もいいことないんです。
 
私は義母にひたすら「ありがとう」を伝えてタクシーに乗る彼女を見送ったのでした。

チーム育児を再定義

 
考えてみたら、私が義母に甘えていたんだと思います。
近くに住んでるからと言って「チーム育児」という言葉でごまかしてたんだと思います。

実際、義母はいつも「今の時代、女性が働くのは当たり前よね」とか、「私が元気なうちはサポートするから言ってね」と話してくれます。これは本当にありがたい。結婚して10年、息子がまだいなかった時代も含め、もしも義母が専業主婦信仰が厚い方だったらと思うとそっちのほうがぞっとします。

でも、今回分かったみたいに、働いたことがある女性だからって、働く理由や価値観まで一緒とは限らないんですよね。
     
この一件を経て、夫とは深夜までいろんな話をしました。そして、バクとしていた「チーム育児」を自分たちの言葉で再定義し直しました。
 
「親族内だけで考えないで、どんどん外のプロを巻き込もう」。
   
今までは自分たちだけで基本は何とか調整できていたのであまりシッターさんや家事代行は活用していなかったけれど、今後はガンガンアウトソースしようと思います。

プロを使わない手はないんです。  
    
“割切って外注する” というよりも、働く父や母の気持ちや価値観に少なからず共感できる方が「チーム」に加わってくれたら、働く親はもっと自信を持って、心から楽しんで育児も仕事もできるんじゃないかな。
 
子どものため、自分たちのために、プロに頼ろう。
 
*****

そんなこんなでバタバタと息子の誕生日ウィークは過ぎて行き。

お騒がせな張本人は、翌日には何事もなかったかのように元気になり、予定していた誕生日パーティも無事に出来ました。

息子よ、5歳のお誕生日おめでとう!!
これからもたくさん迷惑かけておくれ。


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