育児をしながら働く女性に贈りたい言葉

今年のGWによんだ本で一番印象に残っているのは
上野千鶴子さんが書かれた
「女の子はどう生きるか 教えて、上野先生!」です。

その本の最後に、2019年(平成31年)度東京大学学部入学式祝辞の
全文が掲載されています。
2019年の当時はニュースに取り上げられるなどしたので
「へー」という感想だけでしたが、今一度文字を読み直してみると
これって本当の意味で“育児をしながら働く女性へのエール
(私へのエールかな)”だなと感じました。

『ご入学おめでとうございます。あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。

(中略)

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。

決して、私自身が「勝ち残ってきた」ということを言いたいのではなく、
子育てをしながら、仕事をするためには、家族や周りの理解と協力、
そしてもちろん、両立しようとしている本人の努力や頑張りがあったからこそだと思っています。

『頑張ったら報われる』と信じて、栄養を考えた食事を作り、
快適な部屋で過ごしたいだろうからと掃除や洗濯をし、
将来のことを考えて習い事に連れていき、子育てをしています。

けれども、ふと立ち止まった時、
「会社という組織の中において、仕事で成果を出し、評価され、
信頼を得ていく。もっと子供と関わりたいという気持ちを抑えて、
男性社員同様に残業や出張も厭わず対応する。」
これってどこか、勝ち抜くための行為をしていないかなと。。。

だからこそ、これからの人生は「自分が勝ち抜く為だけに使わないでください」
「恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。」と読んで
自分の弱さを認め、支え合って生きていかなくてはと思いました。

女性が弱者とは全く思っていません。私が私のことを“弱者“であると
認めることだと思っています。

明日からまた新しい一日です。自分の弱さと向き合いながら、
その中でできることを最大限取り組んで行きたいと思っています。

祝辞の全文は以下をご覧ください。👇

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