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岩崎俊一さんのこと

岩崎俊一「幸福を見つめるコピー展」@ナカノギンザギャラリーに行ってきた。

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ときどき、コピーってどうやって書くんだっけ?と、行き詰まることがあって、そんなとき岩崎さんのコピーを見返すと、ちょっとだけコピーを考える道筋のようなものがわかった気がして、また少し進むことができるようになる。

もちろん真似はできない。真似はできないんだけど、コピーの基礎と本質が詰まっているから、見ているだけで何か学び取れるような気がする。基礎にして最高峰。岩崎さんのコピーは、私にとってそんな感じ。

コピーライター2年目のときに、宣伝会議上級クラスで岩崎さんの授業を受けた。最初の課題がでたとき、私のコピーをすごく褒めてくださった。数年後、そのコピーにアートディレクターの丸田昌哉さんが絵をつけてくれて、毎広の一般部門に応募したらグランプリをいただいた。だから、岩崎さんのことは、勝手に恩師のように思っている。

フリーになって、しばらくして、岩崎さんと再会したときにその話をしたら、私のことは覚えてないけどそのコピーは覚えている、と仰った。その後、博報堂の女子たちと何度か岩崎さんを囲んで飲みに行ったりした。女の子がお好きな方。という印象はとてもある。

2014年、博報堂の嶋さんから、12月にB&Bで岩崎さんの出版記念トークをやるから、その話し相手をやれと言われた。なんて素敵なオファーだろう。私は舞い上がって、岩崎さんの本を付箋はりながら読み込んだ。けれどそのトークは、岩崎さんの体調不良で延期になった。来年はできるといいなあ。と思っていたら、訃報が届いた。私の記憶が正しければ、それはトークをするはずの日だった。

岩崎さんのコピーを久しぶりに浴びるように読みながら、そんな思い出がどっと蘇ってきて、ギャラリーで少し泣いてしまいました。こんなに年月が経っても、やっぱりそのコピーたちはきらきらと心に入ってくる。それはやっぱりコピーの基礎と本質が詰まっているからじゃないかと思うのです。

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