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書籍「青い壺」(有吉佐和子著/文春文庫)

有吉佐和子文学の傑作と言われており、まさにその評判どおりの本でした。

話は、ある陶芸家が焼き上げた一つのうつくしい青い壺をめぐる13の連作短編集となっています。

青い壺は、売られたり、贈呈されたり、盗まれたり、海外に持ち出されたりして、持ち主を次々と変えていきます。
そしてその度に、壺は、遺産相続争い、病気、嫁姑の関係などのさまざまな人間模様の中に身を置いて、周囲の人たちの人生の「観察者」となっていきます。

★ ★ ★

ということでこの本は「壺目線」の小説なのですが、
ふと、同じような「楽器目線」の小説があったら面白いなと思いました。

たとえば、私が今趣味で弾いている楽器(コントラバス)は約80年前にチェコで作られて、これまで国や持ち主を変えてさまざまな人間模様を見てきたはずなので、
そういう楽器を「観察者」とした小説があったら是非読んでみたいと考えた次第です。

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