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ニューヨークでアパート賃貸・厳し過ぎる入居審査

コロナになってなんでも屋の私は、本業ではなかったはずの不動産ブローカーの仕事を去年の夏から真面目にやり始めている。てっとり早いところでまず賃貸から、、、
簡単かと思っていた賃貸も想像以上に大変だった、、、、

ニューヨークので ”アパートを借りれる人間” になる為に必要とされる収入と書類
これが日本では想像を上回る程厳しいのだ。

どう言う事かと言うと、殆どの大家が最低限、家賃の40倍の年収を証明しないと入居審査に通らないのだ。

大体このコロナで家賃が下がったとは言え、1ベットルーム借りるのに大体2000ドルは必要(21−22万くらい)、、と言う事は年収が8万ドル(850万くらい)は最低ないと入居審査に落ちるのだ。
現実年収が500から600万円くらいと聞くと、微妙だな、この人無理だろうなと思ってしまう。
2ベッドルームだと3000ドル(32万円)くらいになるので年収1200万円は必要だ。

それだけではない。
クレジットスコアも最低650、、出来れば700以上は欲しい。(最高は850くらい)

どれだけ沢山の問い合わせがあっても、アパートが気に入ってすぐ申し込みたいって言われても、凄く信頼出来そうな良い人だったとしても、どれだけ銀行に貯金があったとしても、最新の収入証明を提出しないといけない。

私がここ数ヶ月手広くやっているビルはこの5つの書類が必要だ。(社員の場合)

1、確定申告書 (昨年か今年の)
2、源泉徴収票 
3、銀行明細 (先月の)
4、最新の給料明細 (先月と今月分)
5、雇用主からのレター (日にちは今月のもの) (現役の従業員であり、年収は幾らかという明細が書かれている)

これだけ証明書類を提出出来たとしても審査に通らない場合も結構ある。

例えば、去年の確定申告によれば前年は某会社で働いていたのに、去年の11月から病院で働いているとなっていて、給料明細もあり雇用主からの手紙もあるけど、それを確認する為に電話しても誰も出ないし、誰も口頭で証明してくれない、、待っている間に時間切れ、他の希望者の為にユニットをマーケットに戻したい、、などなど、もう、、、、せっかくここまで収入がある人がいて、アパートを借りたいと言ってくれ、収入もクレジットもいい感じ、、良かったと思っていても
これまでどれだけの人が審査に落ちた事か。。。

先日も年収2000万もある透析専門のナースが、クレジットスコアが低いと言う理由で入居出来なかった。

貯金はかなりあるから1年分の家賃を前払いすると申し出た人も、現在休職中である故に断られた。

大家が探しているのは今現在の貯金ではなく、安定した収入のある現役で働く人なんだなと言う事がよく分かった。
勿論大家によるが、私が今やっている2−3件の大型のレンタルアパートはみんなそうだ。

賃貸とはいえ、ニューヨークではクロージングまで持って行くのは本当に至難の技

私の不動産業務は実際の物件を見せに行く時以外は殆ど家で仕事をしている。
電話やメール、ショートメッセージである程度見込み客を厳選して、物件も私が予め撮っておいたビデオを見せているので、実際の物件を見せると言う時点では
上で挙げた書類も全部揃っていて審査に通ると私が思った客のみ、、そんなに数はない。

でもこれ、、と思ったクライアントさんには徹底的にケアをするので
ある所から私は彼らのセクレタリーの様であったり、ずっと”大丈夫よ” と手を握っているベビーシッターさんの様であったり、する。
私が親切にすればする程、、本当に些細な事でもすぐメッセージが来る。
夜でも朝でもお構いなし。
I am not your mother!!!って叫びたくなるくらい。
常識ある人だと思っていても、突然あり得ない事を言い出したりする。
ブチ切れた事も何度もある。
後面白いことに人種によってある程度の傾向が分かる様になってきた。
(それは又別の機会に、、、)差別をする訳ではないが取り合わせが来た時のラストネームである程度想像がついたりするので面白い。

家でこう言った人たちとやり取りしているのを密かに聞いている13歳の息子は(リモートなのでずっと家にいる)、、、”ママ??どうしたの? 又ディールをクローズし損ねたの? また変なやつに当たった?? ストレス??”
とか色々聞いて来る。

今まで何度、せっかく上手く行った、もうクローズ出来ると思っていた物件をクローズし損ねた事か。。。

ニューヨーカーっていうのは本当に多様な人達で、よく言うとダイバーシティだとかユニークとか形容されるが、悪く言うと癖の強い、変わった人、面倒臭い人達も本当に多い。

ここで不動産エージェントを真面目にやり始めたここ半年で会った、それはそれは様々な人達、色んな事情を抱えた人達と出会うチャンスが合った。

それらの人たちの事は又折々書いて行きたいと思う。





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