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能登地震で通信キャリアが見せた意地~連携プレーと最新技術と

震災発生当初から、総務省の報告を毎日チェックしてます(震災以前から総務省ウォッチャーでしたが)。


そんでもって自分のTwitterアカウントに逐次その情報をアップしたりとか、


3日おきくらいに総務大臣が会見するんで、その動画を見たり。

そういう地味な作業をしてて(何のために?)、捏造報道撲滅運動がお留守になってました。

私が追っかけてたのは主にテレビ・ラジオなど放送関係の情報で、通信関係は横目で見る程度だったんだけど、両者を比較するとスピード感と自立度が違うなと感じた。

■通信キャリアは動きが早くて柔軟。日ごろの備えが効いてる

NTTドコモとKDDIが共同運用した「船上基地局」についての記事です。
沿岸部の被災が大きいとみて、1月2日に運用を判断。長崎からNTTドコモの船を持ってきて、KDDIの機材も積み込み、1月6日に運用開始。

事前のシミュレーションでかなり広いエリアをカバーできることがわかっており、実際にそれだけの電波が届いた」とのこと。船上基地局については、2020年に二社間で連携協定を結んでいたという。

用意周到ですなぁ…


ちなみにKDDIとソフトバンクは、移動基地局車の給油拠点を相互利用しているそうな。

日頃の「仁義なき戦い」とは打って変わった鮮やかな連係プレーに、感服いたしました。業界そのものが比較的新しいから、考え方が柔軟で合理的なのかもしれない。何が何でも復旧させるぞ、という意気込みを感じたな。

1月18日には4社共同で記者会見を開催。

土砂崩れによる道路の寸断、電柱倒壊と光ファイバー網の切断、そして大雪など、シビアな状況下での復旧の取り組みを報告しています。以下の記事には各社の対応がかなり詳しく書かれているので、お勧めです。


■新しいテクノロジーを積極的に投入

陸路が寸断され、海も荒れている場合、残るは空のみとなってしまいますが……ソフトバンクはドローン飛ばして、空から電波を供給。


スペースX社の衛星ブロードバンド「Starlink(スターリンク)」も大活躍。人工衛星からの電波を小型のアンテナで受けるという、シンプルな仕組み。

Wi-fiと組み合わせて避難所でインターネット環境作ったり、通信ケーブルが切れてしまった基地局につなげて復旧したりするのに使われてます。
基地局はたいてい山の上とかにあるんだけど、スターリンクアンテナは小型・軽量(51✕30cm、高さ最大54cm、重さ4.2kg)なので持ち運びが楽。

KDDIやソフトバンクはこれを数百台単位で自治体や電力会社、自衛隊に無償提供してるらしい。太っ腹ですね。

※ヤマダ電機では5万5000円で売ってます。他にはコストコなんかでも扱ってる。インターネット利用料金は税込6,600円/月。災害用にほしい…


そんなこんなで、通信キャリア各社の取り組みにより、発災当初は9割がたの中継局が停波してたのが、1月19日現在では立ち入り困難エリア以外は復旧ずみ(ただし応急復旧なので、本復旧はこれから)。

何はともあれ、通信網は速攻で復旧しないとまずいよね。


テレビ見られなくても死なないけど

電話つながらないと最悪死ぬ


通信各社の皆さま、どうぞよろしくお願いしますm(__)m


【追記】合同記者会見のフル動画はこちら。

各社ともスライドを駆使してわかりやすく説明してた。基礎知識なくてもよくわかるし、勉強になるのでぜひ見てほしい。

印象に残ったのはソフトバンクのスライドにあった、「被災者ひとりひとりのつながりをケアする」という言葉。

応急復旧とはいえ通信品質を気にかけているのだそう。基地局復旧させても、避難所がエリアの端にあると通信が安定しないので、近隣の基地局を追加で復旧させたりするらしい。

※1月末に3Gサービスを終了予定でしたが、被災者に配慮して4月まで延期するそうです。



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