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3月16日 スタプロフィナーレ@小田原

インプット過多

 私を育ててくれたスタプロ。昨年度は行けなかったスタプロフィナーレに参加した。画面上でしかあったことのない人たちと出会うことに楽しみよりも不安が勝っていた。せっかく関東まで来たので、ランチ会から参加することにした。東京から2時間の電車に揺られ小田原へ。待ち合わせ場所だった大きな提灯の近くに行くとそれが画面上の人たちとすぐに分かった。
「カモさん(仮)」
と言って手を振ってくれたので、とても安心した。小田原はアジが有名とのことでアジフライを食べ大満足。

 会場に着くと、かつ先生と優元先生がいた。普通にいるの!?と思った。それはとっても不思議な感覚で、思い描いていた「感動」とは違う形での対面になった。かつ先生と固く握手をして、参加者が来るのを待った。それから続々と現職メンバーや2期生のメンバーが入ってきた。年の近い2期生のメンバーとは話が弾み、とても楽しい思いをした。志を同じくした仲間に会える喜びを再確認した。振り返れば振り返るほど、濃密な時間であった。
 今回、学びが溢れインプット過多である。書くことでどれぐらい身になるのか、ということはあまり考えず、振り返っていく。

チャレンジ講座 にんさん

 にんさんはスタプロに行くと、必ずいる。そして難しい言葉を使っていて頭のいい人なんだと毎回思わされる。今回の講座では、親の視点からの教師の在り方を考えさせてくれた。『親はファンたれ』『一方通行の愛でいい』と、子どものいない私たちに訴えかけてくれているように感じた。そして目の前の子どもたちにもそんな親がいるのだと確認するきっかけになった。講座後お話しすると、
「どうやったらこんなお子さんになるのですか?」
は最強のワードだと教えてもらった。

国語の授業開き 長尾先生

「好きな言葉を書いてみましょう」から始まった長尾先生の授業、私は「継続」とゆっくり書き、次の指示を待った。「近くの人と二人組で何でその言葉が好きか、話をしてください。」古内しんごさんと話をした。「継続は大変なことだけど確実に力がつく方法だから」としんごさんに話すとうなずきながら微笑んでくれた。「国語は言葉を大切にする勉強です。今皆さんがやったように、文字を書いたり、話をしたり、それを聞いたりすることで賢くなることができます。また、物語や説明文を読むことも国語です。」と話してくれた。国語とは何か、ある意味これからの授業の趣意説明をするような授業だった。15分という短い時間だったが、国語の授業開きについて考えるきっかけになった。


授業力とは 古舘先生

「みなさん授業力って何だと思いますか?近くの人に授業力って何、と聞いてみてください」まさかここで古舘先生の講座を聞けるとは。古舘先生は「私は授業力とはバランス感覚だと思います。」と言った。ただ、その内容を思い出せない、今思うバランス感覚とは、イレギュラーにどのように対応するか、止めるのか促すのかというような話だったような気がする。(無念)また、スタプロの講座でやっていた、「〇〇合う」の出し合いをした。どうやら古舘先生は「白い黒板」という実践をしているようで、その時はすごくたくさんの数が出たと言っていて驚いた(数を思い出せないのも無念。)ただ、講座で見た黒板の映像は頭に残っているのでその数のイメージはついている。また内側の言葉と外側の言葉の話もしていたが、こちらは後述するので割愛。ただ、みっちー先生の「頭の言葉、胸の言葉、腹の言葉」の話を聞くことができたのは貴重だった。私も、腹の言葉、内側の言葉を増やせるように研鑽を続けなくてはならない。また、今年の反省として、低位の子を救えない、上位の子を伸ばせないというもがあった。後述するマインドセットの会やボイシーのスピンオフ企画(3月~5月編)のグランドデザインから読み取るに、学校とはクラスみんなで賢くなる場所だというマインドが古舘先生にはある。そしてそのことが上位の子を伸ばし、低位の子を引き上げるヒントになる気がして、とてもわくわくした。「〇〇合い」を子どもたちと考え続ける1年間にしたい。

音読指導 優元先生

 「〇〇ページ白い帽子、題名に指を置いてください。近くの人と確認してください。」音読指導という講座名でありながら、授業技術をふんだんに詰め込んだ講座をしていた。優元先生は重要な授業技術は4つあると話した。
〇端的な説明・発問
 無駄な言葉をそぎ落とす。
〇明確な作業指示
「題名に指を置いてください。」
〇細やかな確認
「周りの人と確認してください。」確認は裏作業指示
〇温かな価値づけ
「〇〇さん早いですね。〇〇さんはたくさんの人と確認していて助かるなあ」 
これらは、以前のTOSS教え方セミナーでも聞いた内容で、優元先生やかつ先生はTOSSで学んでいることも分かり、地元のTOSSの活動にも参加しようと思った。確かに発問や指示を考えて臨んだ授業は、子どもたちも生き生きしていたように思う。ちなみにここで冒頭の「〇〇ページ白い帽子、題名に指を置いてください。近くの人と確認してください。」という言葉を前で発表できた。後にみっちー先生が、立ち姿、目線、声という話をされたが、この一言でも考えていないと難しく授業技術の奥深さを感じた。

漢字指導、けんか指導 かつ先生

「空に指をさして、川という字を書きます。さんはい」
「1,2,3」
「〇〇さんの声がいいなあ、もう一度さんはい」
「1,2,3」
「今やったのを空書きと言います。空書き、さんはい」
「空書き」
待ちに待っていたかつ先生の講座。TOSS由来の無駄のそぎ落とされたテンポの良い指示、温かな価値づけ、、、漢字の導入はこれで行こうと決めた。とりわけかつ先生が大事にされていたのが「指書き」だった。
「次に、詩という字を指で押さえてください。押さえたら周りの人と確認します。」
「次にこの字を指でなぞってください」
「お、〇〇さん声を出して書くと覚えるんだったよね。」
「今やったのを指書きと言います。指書き、さんはい」
「指書き」
「今、指書きをしたら指が熱くなったでしょう?実は指が切れるととっても痛いんです。指は脳と直接つながっていて指からの情報は脳にそのまま入ります。だから、指書きを一生懸命やると漢字を覚えられるからね。」
「もう一度指書きをします。」
「お、カモさん、強く文字を抑えているね。」
軽やかな、趣意説明、フィードバックであった。
「これをやると子どもたちは勝手に漢字をやるようになります。」
子どもたちの様子がありありと浮かんだ。
来年度の漢字指導は
①空書き
②指書き
③なぞり書き
④写し書き
で行く。また、スタプロ講座の葛原先生の漢字学習、小テストと合わせて定着率、学ぶ力まで鍛える。

 けんか指導は実は2回ほど見たことがあった。これが今年の生徒指導の要となり、ある程度自然な流れで指導することができていた。
①落ち着いて話せる場所へ
座らせたり、周りの児童と離したり
②1人1回ずつ言い分を聞く
されていやだったことと、しちゃったこと(ちょっとでも)
③子どもに判断させる
「お互いよくないところがあったみたいだけど、どうする?」
④心のとげを抜く
「言い残したことはない?」
今年1年、③の子どもに判断させるが難しかった感じがするがかつ先生の言葉をお借りすることで今年度よりも自然に対応できるような気がした。

渡辺道治先生

教師として身に着け磨き続けたい一生モノの基礎技能

 みっちー先生の著書は、読み終わった後に「よし、やろう」と思うものが多い。たとえ話が上手で、話している内容がすっと入ってくる。まさに「いい説明は概念+具体例」のお手本のような先生である。また、たとえ話にもつながるが、非常に物知りな先生である。「汗かけ、恥かけ、文を書け」には、読む本の種類は教育書だけでなく、他業種の本や、小説、なども読むと書かれていた。

「人間は、心を動かしたい生き物である。」
そう話し、
「ウキウキ、ワクワクする言葉を思いつくままに書きだしてみてください。」
「3つ書たら、立って1つ発表しましょうか。」
と言った。「授業を研ぐ」の授業映像にあったあのシーンで使われていた授業技術だ。それだけで全身に鳥肌が立った。
「AIには心を動かすことができない。」
と言った。逆に心を動かす授業や関わりをしていなければ、人間がやっている意味がない、そう言われているように感じた。そのために授業力をあげ、人間性を磨かなければならない。(古舘先生が『授業力はバランス感覚』『(授業)技術は人間性を超えない』と話していたのとつながりがある。)
「われわれの仕事の一番の相棒は言葉だと思うんですね。で、この言葉、パートナーの力を存分に引き出すために何をするのかということが僕は仕事の技術の中心に来ると思っているんですよ。この『言葉の力を開放する』ということが」
と言って、言葉の力を開放するための訓練の仕方やマインドセットのお話をしてくれた。

授業力の話に入った。
「料理が上手い人の3条件って皆さんなんだと思いますか。」
「近くの人と話してみてください。」
「ある雑誌には書いてあった言葉が3つあるんですけど、1つは模倣力(レシピ通りに忠実に作れる力)。で、次に想像力(これとこれを混ぜたらこういう味になるなとイメージできる力)。で、最後に即興力です。」
「こうするとくっきりしません?みなさん、料理上手って一言で言いますけど…」
「これと同じように授業力ってものを3つに分けてみましょう。授業が上手い人の3条件って言ったら皆さんはなんて書きますか?」
「ちょっと書いてみてください。」
私は、
・教材の理解
・実態をつかむ(切り取り力)
・即興力(対応力、ユーモア)
と書いた。
その間に古舘先生の『巻き込む力』の話があった。
みっちー先生は
・言葉が研がれていること(くっきりと端的に)←シャドーイング何年間も
とだけ話した。(あと2つを聞き逃したと思ったが、アーカイブを見ると1つだけだった。)
基礎技術で言うと
・声
・目線
・立ち姿
と話した。みっちー先生の主張は『授業力とは何か』とつきつめることではなく、『何かを磨こうと思った時に3つくらいの要素に分けるとよい』ということなのだと思った。そして今回のトークテーマ『言葉の力を解放』するための3つの要素を話してくれたのだと思った。

言葉の力を解放する3要素

努力量は初心者から初めて県大会ベスト8ぐらい
〇声
・シャドーイング
〇目線
・一人を2秒見つめるとよい。(正確には0.5秒から1秒)
・デットポイント、癖がある。(効き目は右)
・目を見開いて驚く、細めて喜ぶ
セロトニンファイブ
ほえむ
める
なす
わる
つめる
〇立ち姿
・メラビアンの法則 言語情報7パーセント
          音声情報が38パーセント
          視覚情報が55パーセント
・チュートリアルの徳井さん ダークスーツに黒ネクタイ(地味なもの) 「芸を際立たせるため」
・役者は入った瞬間に合否が分かる 『服装や立ち姿がしゃべっている』

名言集

『突き詰めるとか登り詰めるというのは面白い営み』
『一生懸命やっていると神様が見ていてくれる』
『先生の喜ぶ姿や驚く姿は大好物』
『すべての経験がむだにならない稀有な仕事』

最後に「汗かけ、恥かけ、文を書け」に書いてあった初任時代の話を聞いて終了。

まとめ

 どんだけ書いてもインプット過多で、現場に返せるだけの余力のなさに悩む。でも、講座でつながった過去の学びも確かにある。これからも学び続け、今回の学びがつながり、広がっていくことに思いを馳せる。また、たくさんの人とつながることができた。『学ぶことでつながる縁があり、縁によってつながる学びがある』と実感した、濃い土曜日だった。

先生方、話してくれた方々、ありがとうございました。なにより、この学びを生み出してくれたかつ先生、、ありがとうじゃ足りないくらいの感情を抱いております。また、必ず会いに行きます。





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