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BacklogとCacooで挑む展示会準備:成功の鍵を握るタスク管理術

こんにちは。
タスク管理ツールBacklogをサービス提供している株式会社ヌーラボのマーケティング部で働いている@takeko_Lsizeです。

私は今年の2024年2月より展示会担当を拝命して以来、2024年度の展示会年間計画と実行を担当しております。

前回は、目標設定のプロセスについてお話させていただきました。もしよろしければこちらも合わせてご一読いただけますと嬉しいです。

展示会に出展しマーケティング手法としての成功に近づくためには、詳細な準備が必要であり、その過程は多くのタスクが輻輳します。

また今までデジタル広告しか行ってこなかった我々には、今までの業務の進め方とは異なる業務が発生するためタスク管理が肝心要となってくるわけです。

そこで、手前味噌ですがヌーラボのBacklogやCacooを活用することで、準備作業を効率化し、チームの連携を強化した方法について本日はご紹介します。


1. 実際の準備手順とポイント

タスクの洗い出し

まずは展示会に出展するために、どのようなタスクが発生するか可能な限り最初に洗い出します。

私自身も今回初めて出展するため、ネット情報や書籍などを読み漁りどんなタスクが発生するかをGoogleスプレッドシート書き出すことから始めました。

この時も参考にさせていただいたのが、才流(サイル)さんのこの記事のテンプレートです。本当にこちらの記事には前回に引き続きお世話になりっぱなしです。


そして次に書籍で参考にしたものは、「顧客は展示会で見つけなさい-確実に集客・商談を増やす48の法則-弓削 徹 (著)」です。

こちらはどちらかという有形商材をイメージした説明が多い印象でしたが、非常にわかりやすくポイントがまとめられていて、常にこの本を開いていました。


タスクの洗い出しでの注意するポイント

ここでの注意ポイントとして、一般的に紹介されているタスクの他に自社独自のタスクがないか確認することをおすすめします。

当たり前のことを書いていますが、忙しいとついうっかりしてしまうのであえて書きます。

例えば

  • このタスクを遂行するにあたり、他部署への連携は必要ないか(他部署のリソースは大丈夫か)

  • 稟議で必要なフローを書き出せているのか

  • グラフィックデータ用に使用できるの大きい画像は何点か持っているか(画像ない場合は作ることから始まるので、タスク、スケジュール、コストも使います)

などなど

他部署との連携を見越したタスクや今持っている素材データなどの状況からタスクを洗い出さないと、蓋を開けてみたら間に合わない日程まで来ていたなんてことになりかねません。

Backlogへ課題(タスク)の一括登録でチーム内で見える化

ざっくり洗い出しが終わったら、Backlogの課題の一括登録機能を使用して、タスクをBacklogの課題として起票します。

このスプレッドシートを使えば他の展示会にも流用できるので本当におすすめです。

Backlog課題一括登録に使用したスプレッドシート


課題の期限設定

各タスクの締め切りを設定し、全体のスケジュールを作成します。進捗状況を定期的にチェックし、遅延が発生しないように管理します。

この時、上記の課題の一括登録の際にスプレッドシートからも可能ですが、私はBacklogのガントチャート上で変更すると視覚的にタスクの順序がわかりやすくておすすめだと思っております。

タスク期限が未定なものはグルーピングと1週間後の期限設定

展示会会社への入稿物は大体2〜3ヶ月前を目処に管理画面のサイトオープンとともに告知され、それまでは何ががいつの期限で連絡が来るのかわかりません。

かといってそれを待ってタスクを作らずにいるの危険です。また適当な日にちを入れてそれに従っていたら実際の期限に間に合わなかったということも避けたいです。

このようなケースが非常に多いのが展示会出展でのタスク管理の辛いところなのですが、私は下記2つの方法で期限がわかるまでの間を凌ぎました。

  1. 期限未定かつ、期限を決定する相手で親子課題でグルーピングする
     親課題:展示会会社(=期限を決定する相手)提出物の提出
     子課題①:展示会管理画面オンラインブース作成
     子課題②:インターネット申込

  2. 課題の期限日を1週間後に設定し期限の確認を定例業務にする
    ※展示会まで1年以上あった場合はもう少し間隔をあけて良い

これによって、実際の期限に対してタスクを遅らせることがなく、何のタスクを管理しなければいけないかをアラート出せるようにできました。

この時、1週間後の期限日までに、展示会会社からまだ連絡がなかったとします。その時はBacklogの新しいガントチャート上で親課題・子課題の両方を選択し次の1週間後にドラッグ&ドロップで期限を変更することができるのでおすすめです。

タスクの期限を設定することも、大事なタスク管理というタスクです。そのために期限を流動的に変更できるBacklogのようなタスク管理ツールはとても使いやすいので是非この機会にタスク管理ツールをまだお使いでない方は、検討してみてください。

2. 課題(タスク)の詳細化と役割分担

課題の詳細化とは下記4つのステップで進めます。

  1. 課題(タスク)の完了条件を書き出す

  2. その課題の完了条件までのステップの書き出す

  3. これから作成するであろう資料の保存場所を明記する

  4. あれば)過去類似タスクなどを検索し、参考できそうな関連資料を明記


2-1. 課題(タスク)の完了条件を書き出す

まずこのタスクがどうなったら完了にするかを書き出します

例えば、ユニフォームを作成するというタスクでも、

  • ユニフォームのデザインを作成したら完了

  • ユニフォームのデザインを作成し、Wチェックしたら完了

  • ユニフォームのデザインを作成し、Wチェックし、フォルダに格納したら完了

  • ユニフォーム制作した後、支払い対応まで終わったら完了

と、その対応する人の立場や捉え方によってもさまざまあるので件名に書ききれない完了条件を必ず書き出します。

2-2. その課題の完了条件までのステップの書き出す

完了条件がわかったら次はそこまでの、ステップを書き出します。
タスクをさらに小さく噛み砕いて、因数分解するようなことです。
できればここのステップごとも期限を入れると尚良いです。

ここで、自分の担当業務以外の対応が発生する場合はその担当者とできれば打ち合わせを実施してステップの洗い出しを手伝ってもらうところから、一緒に入っていただいた方が良いと思います。

(次回の展示会以降は課題の中でのコメントのやり取りでも良いかと思います)

Backlogの課題の詳細/ステップの書き出し

このようにステップを洗い出すことで、タスクのステークホルダーを洗い出すことができます。

Backlogの場合、課題の詳細欄でステップごとのメンションすることで各メンバーの役割と責任を明確にし、タスクを効率的に分担します。誰がどのステップでタスクを担当するかを明示することで、責任の所在を明確にします。

2-3. これから作成するであろう資料の保存場所を明記する

今回の例では、成果物はユニフォームそのものになります。

しかし作成までに実施した下記のようなコミュニケーション自体も仕事の成果と言えると思います。この資料を次の仕事をするときに活用することで、タスクの処理時間やコミュニケーションコストが大幅に減少します。

  • 打ち合わせ議事録

  • ラフデータ

  • 入稿データ

これらを残す場所をはじめに明記するとよりタスク管理が簡単になります。

Backlogの課題の詳細/資料の保存場所の書き出し

2-4. あれば)過去類似タスクなどを検索し、参考できそうな関連資料を明記

先にも書きましたが、他メンバーなどに教えてもらって類似タスクがあればそれを参考に進めるのが一番近道です。

Backlogであれば過去の課題(タスク)も検索し、課題へのリンクを簡単にコピー、貼り付けることができます。


効率化ポイント 同じような業務が発生する仕事はテンプレートへ

ここでさらに、これからの自分がラクできるようにするためのTipsです。ある程度繰り返し発生している業務は課題のテンプレートを作成することをおすすめします。

私の場合、発注契約に関連する事務作業が繰り返し発生していることに着目しました。

展示会会社、代理店、印刷会社、ノベルティ会社、運送会社、オプション関連会社と大小問わずたくさんの会社さんとお仕事をさせていただきました。

契約業務と一括りにいっても、関連する法令に抵触しないかなどの確認作業、予算申請、捺印の伴う契約手続きなど確認工程がたくさんあります。

これらを毎回参照先のヌーラボ社内BacklogWikiや、毎回行う申請ステップを書き出しテンプレート化し「何をしなければいけないか」を考える時間を短縮しました。

課題テンプレート編集画面

3. 情報共有と、コミュニケーションの方法

ここまでタスクを書き出し→課題起票(チームに見える化)→担当アサインと進んできましたがここからはそれらをどのようなコミュニケーションをして進めてきたかのお話です。

他メンバーと新たな種類の仕事に着手する前はミーティング

展示会という新たな施策を始めるために、今回はマーケティング部全体のキックオフを3月に実施しました。さらにそれとは別に、重要な枝葉の最初のとっかかりはミーティングを実施しました。

例えば、下記の通りのミーティングを実施しました。

  • チラシ、パンフレット作成するためのコンテンツ担当、デザイン担当と

  • メール施策のための、IM担当と

  • PR担当と

そこで出たミーティングの議事録をまた関連課題に貼り付けたり、決まった工程を課題詳細のステップに追加することでミーティングの振り返りもカンタンにしてみました。

特に話した内容は

  • 目的や、誰に、何を伝えるために、どういうものを作るか

  • 私の見積もった工程・工数以外に発生するものはないか?

  • 他業務との兼ね合いで、スケジュールはバッファを持てているか?

  • ステップは問題ないか?確認フローの順番は?

というような内容です。お互いに慣れてきたら次からはBacklogのみ、チャットのみで良いと思います。

こんな感じはCacooで見える化

展示会出展を進める中で、お客さまに対して新たなコミュニケーションを設計する必要がありました。例えば、パンフレットやメール施策など、これまでのデジタル領域とは違う設計が必要となります。

そこで私の頭の中で描いている最初の「こんな感じにしたい」をラフとしてCacooで共有し、デザイン・コンテンツチームに作業を開始してもらいました。

Cacooのラフ作成の一部

また、下記のようなブースでの運営、メールのオペレーション設計などは担当者と一緒にこちらがブースで行うこと、メール設計でできることを繋ぎ合わせて作成しました。

Cacooのような同時編集できるツールを使用することで、関係者で議論と思考と議事録作成、業務フロー作成を同時にすることで、あとで誰かがドキュメントにまとめるという手間もないのでおすすめです。

さらに、この図にDFD(データフロー図)を追加することで、CRMやMAツールを通じた社内のリード情報の流れを可視化することをおすすめします。Cacooなどのオンライン作図ツールを使用してこれらを、管理することでリード情報などの取り扱いに関するタスクも洗い出すことができます。

まとめ

展示会出展の準備は、多くのタスクと細かな調整が求められ、時に大変な時もありますが、チーム全体で協力し合い、一歩一歩進めていくことで、大きな成果を生み出すことができると考えております。

BacklogとCacooの活用による展示会準備の効果
タスクの洗い出しから、詳細化、役割分担、そしてコミュニケーションまで、非常に多くのタスクがあるように思われますが、一つひとつのタスクを丁寧に進めることで、ゴールが見えてきます。

また、Backlogのようなプロジェクト・タスク管理ツールや、Cacooのようなオンライン作図ツールを駆使することで、個人ではなくチームでの効率的な作業進行が可能となります。
是非他のツールをご利用の皆様は、他のツールでの工夫内容を教えていただけると嬉しいです。

目標あってのチームです。チーム全体が一体となって目標を達成する瞬間は、とても充実感のある瞬間です。
展示会が皆様にとって素晴らしい成果をもたらすことを心より願っています。


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