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平均リード獲得の1.8倍!展示会での試行錯誤と成功のヒント

こんにちは。
タスク管理ツールBacklogをサービス提供している株式会社ヌーラボのマーケティング部で働いている@takeko_Lsizeです。

私は今年の2024年2月より展示会担当を拝命して以来、2024年度の展示会年間計画と実行を担当しております。
私が展示会担当になって初めて出展した「DX総合EXPO SUMMER」(6月11日~13日)では、同一小間規模の平均数の約1.8倍のリードを獲得することができました。

展示会出展の目的はリード獲得だけではありませんが、角なしの、いわゆる良い場所と言われるところではありませんでした。それにもかかわらず、我々がこのような結果を出せたのは、ヌーラボのチームワークの成果と考えています。

そこで、ここまでどのように我々ヌーラボがチームで試行錯誤し、出展に至ったかをお話しできればと思います。(展示会出展をご経験の方には少し物足りない内容かもしれませんが、ご容赦ください。)

初めて年間での展示会出展計画を作成した際に実施した社内説明会に使用した資料(一部)や、目標設定のプロセス、現状課題把握、6月展示会出展で実際に行ったことを複数回に分けてご紹介していきたいと思います。

今回はその中でも目標設定のプロセスについてお話させていただきます。


展示会の目的と意義

1. なぜ私たちが展示会に出展するのか

Backlogは、プロジェクト管理ツールとしてご存知いただいている方もいらっしゃるかもしれません。

しかしBacklogは、エンジニアのみならず、バックオフィス業務やマーケティング業務など、あらゆる部署の業務管理、タスク管理を一元化できるツールでもあります。

私たちヌーラボも、日々の業務をすべてBacklogで管理し、効率的に進めています。

この多用途性をより多くの業種・職種の方々に知っていただくため、今季から展示会への出展を計画しました。展示会では、Backlogの使い方や導入事例をご紹介し、実際の操作をご覧いただける場を提供します。

エンジニアの方だけでなく、全てのビジネスパーソンに役立つツールであることを、ぜひ実感していただければと思っております。

2. BtoBマーケティング手法としての展示会

無知が故の発言をお許しいただきたいのですが、私は展示会担当になる以前までは展示会というマーケティングチャネルに対して懐疑的でした。

しかし、今回計画から出展まで実施し結論として、「展示会とは企業がオンラインでは出会えないような偶発的な出会いでお客さまへのご提案の機会創出を作り出すための重要な場」だと考えております。

この考えは他の出展企業側も、来場者側も変わらないのではないかと考えています。

出展企業側からみた場合、2023年Sansan株式会社の実施の「BtoBマーケティングに関する実態調査」ではBtoBマーケティングで実施している施策の第1位「展示会への出展」(42.0%)という調査結果も出ています。

Sansan株式会社の実施の「BtoBマーケティングに関する実態調査」

また、来場者の視点から見ると、展示会からの情報源を重視する企業が多いことがわかります。

2023年以降、製品やサービスの検討に関わる場合に各情報源をどの程度重視するかを聞いたところ、「提供企業のWebサイト」を重視するとの回答が 20.5%で最上位となり、次いで「展示会(リアル・オンライン含め)」が 18.1%と続きました。

2023年版 共同調査「BtoB商材の購買行動に関する実態調査レポート2023」


3. 目標を設定する際に考慮すべき視点

初めて展示会に本格的に参画する前に、この展示会というマーケティングチャネルのできること・できないことを整理しました。

展示会出展では多くの時間を費やします。そして出展当日のブース内対応以外にも、出展までの準備期間含めマーケティング部署内のみならず多くのチームメンバーの協力が不可欠です。

そのためにまずは全員がこの展示会出展で何ができて、何ができないかを認識し、社内の期待値調整を実施しました。

これらによって、各メンバーで展示会当日にここまでできる、展示会後は何をしなければいけないといったそれぞれの持ち場での力点を見出してもらうきっかけを作ることができました。

3月に実施した展示会出展に伴うマーケティング部内説明会で使用した資料より

展示会の準備と目標設定

1. 展示会選定の判断基準

ネット情報としてもたくさん載っているのですが、まずは教科書的なものを見たいなと思ったので見本市展示会総合ハンドブックを購入しました。

そして同じマーケ部のメンバーからの情報提供でおおよそ大カテゴリで60種ほど、件数で700件ほどの展示会をピックアップしました。

1-1 Who(誰に)
ターゲットとなる来場者が来てくださるのか。展示会会社から過去の来場者属性が公開されているためそこから確認しました。

その際に活用したのが才流(サイル)さんの投資対効果を試算できる「展示会計画・出展準備テンプレート」です。

私の中で700件から数十件まで絞り込み上長に予算相談する際に活用させていただきました。本当にこちらの資料には助けていただきました。

1-2 What(何を)
誰にと同様に、過去他社の展示会出展状況を調査し、我々のサービスBacklogでどのような来場者の課題を解決できるかを仮説設定しました。

1-3 How(予算:どうやって)
展示会出展にかかる予算やリソースを考慮し、コスト効率を試算し抽出しました。

上記3点の視点を俯瞰して確認できるドキュメントを作成しました。
この時も才流(サイル)さんの投資対効果を試算できる「展示会計画・出展準備テンプレート」を少しカスタマイズさせていただきました。

カスタマイズの内容は、年間の獲得リードを過去の来場者数から試算したものと、コストを積み上げたものを予算案として一覧で確認できるようにし、どこの展示会にいくらで出れば、年間でのコストを簡単に管理できるようにドキュメントを作成しました。

独自カスタマイズ後(※表示されているすべての展示会に出展するわけではありません。 )


2. 展示会出展目的

展示会出展の目的は、「販路開拓」「新商品の発表」「テストマーケティング」「代理展・パートナー、提携先開拓」「認知度向上」「ブランディング」など様々あるかと思います。

我々ヌーラボは冒頭でも記載している通り、認知度向上し、想起を獲得してそれによってBacklogによる売り上げ最大化をしていくことだと思います。

そのことから、展示会当日現場で狙うのはリード獲得か、商談獲得かまで絞りました。
その中で過去の商談からのリードタイムや、今回のかけられるコスト(=小間数や場所)などから、今回の展示会出展目的をリード創出として定義しました。

3月に実施した展示会出展に伴うマーケティング部内説明会で使用した資料より

3. 展示会出展目標

ここが一番悩んだ内容です。過去、3日間という大規模展示会の出展実績がない中で、目標数値をどのように定めるか本当に苦慮しました。
具体的数値はお伝えできませんが、目標数値を試算する中で比較検討した数字をお伝えします。

  • リード獲得単価5,000円が良いとされている(諸説あり。業界によりますが、展示会のリード獲得単価の相場はもっと高いという情報もあります。)

  • 自社Web広告CPA比較

  • 同一展示会過去来場者数からの5%(場所や小間数の影響も加味してください)

  • ユニットエコノミクス、LTV / CAC ≻ 3の考え(Saas企業であればですが、厳密には社員の人件費も検討する必要があると思うので参考までに)

これらを元に、リード獲得数を各展示会ごとで選定し、積み上げたものを今季の数値目標として展示会出展におけるKGIとしました。

チャレンジ元年だからこそのマニフェスト

目標設定まで決まったら、さぁ!Backlogにタスクを課題起票して仕事を始めたいところですが、もう少しお付き合いください。

今季から展示会に複数回出展することを、初めてチャレンジしていく中で常々意識していた言葉があります。

「成果を出すために正しく努力する」

これは私の上席である@hiro_zephyrと本展示会出展を計画する中で、常に議論してきた言葉の一つです。

この言葉を意識し、実現するために私は行動目標もマニフェストとしてマーケ部内で発表し約束をさせていただきました。

このようにマニフェストを共有することで、チーム全体が同じ方向を向いて努力することができます。

私がなぜここまでドキュメントに残すことを推奨しているかはヌーラボの原田(@yasuhirox)のこちらの記事もご覧ください。

まとめ

以上、展示会の目的・目標を考える視点について説明しました。

展示会はBtoBマーケティングの一部として有効な方法ですが、出展には数ヶ月前からの準備やコストがかかります。

そのため、出展だけで満足してしまうこともあるかもしれませんが、マーケティングとして成功させるためには準備から目標設定、目標決定プロセスをオープンにし、チーム全員が協力できるように共有することが重要です。

今回の記事が展示会出展に関心のある方々の一助となり、目標の達成に繋がれば幸いです。次回は出展に際し、実際にBacklogやCacooを使って運営をしてみた内容もご紹介できればと思います。

さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。

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