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競馬史上もっとも意味のないマッチレース

 2頭立てのレースというのは珍しいですが存在します。登録馬が2頭しかいないにもかかわらず強行開催することもあれば、5頭立てのうち3頭が取り消して仕方なく2頭立てになってしまうこともあります。個人的にマッチレースは結構好きです。

 2018年7月15日にウルグアイのマローニャス競馬場で行なわれたGⅢアソシアシオン・デ・プロピエタリオス・デ・S.P.C (ダ1600m - 3歳以上)も2頭立てでした。ワイルドイヴェント産駒の①エルトポ(El Topo)と、ブルックリンボーイ産駒の②ファンバステン(Van Basten)の2頭です。なんだかスーパーボレーを決めそうな名前をしてますねぇ。

 しかし、このマッチレースはおそらく競馬史上もっとも意味のないマッチレースとなりました。

 スタートから飛ばしていったファンバステンをエルトポが4コーナーで楽に捕まえると、直線も余裕の手応えで伸びて勝利しました。2頭の着差は17 1/4馬身という大差でした。

 17馬身もついたから不毛だったでしょうか? いえ、違います。

 レースから1ヶ月後の8月13日、マローニャス競馬場の裁決委員は1枚の報告書を発表しました。そこには、ファンバステンの検体からテストステロンの陽性反応が出たと書かれていました。4日後の8月17日、ファンバステンはドーピング違反で正式に失格となりました。1着エルトポ、以上。

 つまり、このマッチレースはゲートが開いた瞬間に勝敗が決まったのです。やる意味……。


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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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