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ゴールキーパー(クソ野郎)から調教師(笑顔)に転身した人がいる

 野球選手からボートレーサーに。サッカー選手からYouTuberに。プロレスラーから政治家に。スポーツ選手のセカンドキャリアは色々です。

 ガストン・セッサ(Gastón Sessa)というサッカー選手をご存じですか? もし知っているのなら、あなたはよほどのサッカーオタクです。セッサはアルゼンチン人のゴールキーパーで、ベレス・サルスフィエルドという名門クラブに所属していました。愛称はガト(Gato)です。

 セッサは "ある意味" 有名な選手です。超問題児なんです。審判に詰め寄ってレッドカードを食らったことは何度もあるし、ボールボーイが渡してくれたボールを思いっきり蹴り返してぶち当てたこともあります。ファンに暴力を振るって逮捕されたこともあります。

 そんな問題児セッサのもっとも有名なプレーは2007年のものです。ロドリゴ・パラシオという、サッカー好きなら知らない人のいない超有名選手の顔面をライダーキックしました。気になる方は映像をご覧ください。どさくさに紛れた感を出しつつアホほど露骨で笑えます。

「史上もっともクソ野郎なゴールキーパー」とも言われたガト・セッサは2017年12月に現役を引退を発表しました。彼がセカンドキャリアとして選んだのは競馬界でした。サウセ・グランデという名義で競走馬を所有し、その馬たちを管理する調教師となったのです。

 セッサは2022年から調教師として活動しています。アルゼンチン・スタッドブックにも登録されており、これまで13頭の管理馬がレースに出走しました。

 調教師としての記念すべき初出走は5月5日のラ・プラタ競馬場2R。トルナソラード(Tornazolado)という4歳牡馬で6着でした。

 初勝利は10月10日のパレルモ競馬場5Rであげました。⑥モストペイナーダ(Most Peinada)というモストインプルーヴド産駒の4歳牝馬での鮮やかな差し切り勝ちでした。

「初勝利をあげられて嬉しい。馬はとても良かった。これまではラ・プラタ競馬場で走らせていたが、パレルモ競馬場に舞台が変わって直線での伸びが素晴らしかった。親友が競走馬を所有していたので、競馬は身近な存在だった。競馬に関わろうと思ったのはサッカー選手を引退してから。どんどんのめり込んでいった。今は毎日馬と一緒に過ごし、この世界を冷静に楽しんでいる。休息、食事、健康など、サッカー選手だった自身の経験を馬にも活かせる」と、ガストン・セッサは初勝利後のインタビューで述べました。この満面の笑みよ。

 2022年10月20日現在、調教師としての通算成績は50戦1勝です。クソ野郎だったゴールキーパーから心優しい(?)競馬の調教師に。どうか癇癪を起こすことなく活動を続けてもらいたいところです。


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木下 昂也(Koya Kinoshita)
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