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くるぶし

佐藤忠良さんのことは今まで何度も書いていますが、初めてお伺いした時にはアトリエにいっぱい蒐集した他の作家、ピカソやドガやマンズーや香月泰男やの絵や彫刻がたくさん飾ってあって、額に入ったロダンのお話をしてくださって。


僕が前にフランスに行った時にある画廊でこの絵を見つけてね。
画商は「多分ロダンだけどサインもないし、よくわからない」って言うんだよ。だからすごく安くてね。でもね、僕はひと目見てこれが気に入ってね、これはロダンに間違いないって思ったの。だってね、ロダンでなければこんなに上手にくるぶしを描けるわけないって言ったのよ。

でさ、1981年にロダン美術館で僕の展示をしてくださるってことになって、どの作品を飾るかロダン美術館の館長がここ(忠良さんのアトリエ)まで見にきたのよね、女性の館長さんでさ。そうしたらその時、この絵を見て「あなたこれはどうしたの?」って聞くのよ。で「フランスの画廊で買ったけどロダンかどうかはわからない」って答えたら、「これは間違いなくロダンです。私が証明書つけますよ、でもなんでわかったんですか?」って言うからさ、「こんなくるぶしはロダンでなければ描けない」ってその時も答えたのよ、嬉しかったよね、安かったし(笑)



実は初めてお伺いしたのは1999年のことで、このエピソード痺れたんだけど「あれ?『くるぶし』って聞いたと思うけど、そんなに地味なところだったけ?」って不安になりまして、なんか「耳」だったような(それはゴッホかなあ)、肘だったような・・・ってずっと疑問だったんですよね。痺れたエピソードなのに、どの部位か忘れてしまっていた・・・・


さて、今、神奈川県立近代美術館で「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」の展覧会が始まっています。本展覧会は佐藤忠良さんの作品だけではなく、忠良さんが蒐集した美術コレクションの多くが展示されている展覧会のようです。
そこにロダンが出品されていることが判明しました。

展覧会HPはこちら「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」

ちなみに忠良さんはご存命の時に自分の作品、作品の石膏型(型が甘くなるので20体までしか鋳物にしてはいけないと決めておられました)そうしてこういう自ら購入した蒐集品を宮城県立美術館に寄贈されています。

スクリーンショットで勝手に載せているので問題ありましたら教えてください・・・


「くるぶし」で間違いなさそうです。
再会を楽しみにいたしております。

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