彼氏の親との初対面エピソード
※マンガはページ下にリンクがあります
結婚前にハルさん(現夫)のご両親に会わせてもらった。ご両親は共に耳の聞こえない方だった。
特別約束をしたわけでもお願いしたわけでもなく、ハルさんの自宅に用事があるついでの面会だったように思う。
それでも前夜には緊張して眠れなかったし、鏡の前で自己紹介の手話を練習した。
田舎特有の文化によって事前にアポを取る習慣がない。約束をしてしまえばかしこまった対応となり、結婚挨拶と思われかねないので結果アポなし訪問となった。一般的に想像されるよりは異常な行動と思われることはない。そして聞こえないということへの理解も想像も難しいまま体当たりでの初対面になった。
ジィジ
多少驚かせたことに間違いないけれど、私はジィジから全くの無視をされてしまった。
想像では理由はなんとでも語れるけれども、この対応は今後も頻発することになる。
初回は突然訪問した失礼にも理由があったと考えていたが、どうやら関係なく、無視をするもしないも、ジィジ次第であると分かったので、次第に私は気にするのを止めることができた。
これは聴覚障害に直接の関係はないが、それの二次障害と呼べるものかと思っている。コミュニケーションの難しい人だった。
その後もハルさんとバァバは間に入ってコミュニケーションの橋渡しを担っていた。
ただ、孫の存在は大きく、音も言葉も関係なくその存在を通して私とジィジの間にも絆を作ってくれたように思う。孫を可愛がりたい、大切にしたいという愛情をいつも感じさせてもらった。
バァバ
バァバは「初めまして」「少し」これだけの手話を見てずいぶんと喜んでくれた。大変に気立ての良い人でニコニコと温かく迎えてくれたことを覚えている。私が無視された事を知ればすぐにジィジを叱りに行くフットワークの軽さや、強さをもっていた。
会う度優しく、私に分かるように声を出し、手話をして紙に書いてくれたが、バァバだけでは私は「聴覚障害者が聞こえる人に合わせていること」に気が付かなかったかもしれない。
2人とも異なる
バァバは自分では聞こえない声を喉から出して私に話しかけたし、ジィジは無視をした。
両極端な対応を受けることで私は障害は同じでも当然ながら個人は異なるのだと心に刻むことができたのだった。
聴覚障害者に人生で初めて会った経験としては充分にパンチの効いたものになったように思う。
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