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オタクは気軽な好きを許さない

「俺オタクでマンガ大好きなんすよ!ワンピースとか!」という発言を馬鹿にするような風潮があるけど、ワンピースは巻数も多いし読破はすごいことだ』という意見を見て、オタクと一般人の歩み寄り方って全く違うんだなーと思いまして。

上記の発言を「ワンピースも読んでるし、漫画が大好きだ。故に自分はオタクである」という額面通りに受け取ってしまうと、オタク人生を歩んでいる人間からすると妙な違和感を覚えるであろうことは想像に難くありません。

オタクは良くも悪くも探求者なので(画像:典型的なオタク語り/バーナード嬢曰く。© 施川ユウキ)、オタクを自称し、自己紹介で好きな作品を挙げた以上、目の前の人物は「何のキャラがお気に入りで、どこの展開が好きなのか」といった拘りを持っているのだ…という考えを持ちがちですし、中には「同一ジャンル者かも」と高揚感を覚える人もいるかも知れません。

帰属している文化の違い

オタクとしては自ジャンルを持ち出した以上は語り合えるかも…と構えるかも知れませんが、冒頭の自称マンガ大好きくんは「ワンピースを語れるよ」ではなく、「自分もオタクだから怖くないですよ」というアピールをして「私の情報を開示しました。これでお互い歩み寄れますが如何しますか」という一般人特有の提案しているのではないでしょうか。※ ただし対話の途中で「pixivで毎日ボア・ハンコックのタグを漁ってます」といった言葉が出た場合は例外

要するにこれらはコミュニケーション文化の違いが生んでしまう齟齬であると推測できます。オタクは「好き」を中心に語り合うラップバトルでお互いの仲を深めてくことが多いので、数年来付き合いがあるし、好きなジャンルや性癖も知ってるけど、本名も職業も、場合により性別すら知らないという状況が生まれます。そんな特殊文化に一般人の文化で立ち向かうと「薄いやつ!墜ちろ!」という結論に落ちてしまうのも無理からぬ話ではないかと思います。

そういえば一般人の初対面の人に自ジャンルの話を出され、思わず語ってしまってドン引きさせてしまった経験や失敗、覚えがないですか?あれって前述の逆の立場になってるので相手から「いやなに語ってんのこの人…気持ち悪い」という印象を抱かれるんでしょうね…あれ、涙が止まらないな?

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