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令和4年の読書の記録 池波正太郎『剣客商売 陽炎の男』

 剣客商売シリーズ第三作。還暦過ぎてるくせにめちゃくちゃ強い秋山小兵衛の生き様がカッコよすぎる。解説で常盤新平さんはそれを「エシックス」だと書いていました。「倫理」とか「道徳」とかそういう意味らしい。最近よく聞く「エシカル」と元は同じでしょうね、知らんけど。池波正太郎の『男の作法』を読み返せばもっと合点がいくかもしれません。小兵衛さんの生き方がエシックスなら、じゃあ私もエシックスを目指してみようかしらと思う。

 この巻で小兵衛さんの息子の大治郎と男勝りの剣の使い手・佐々木三冬の距離が少し縮まり今後の展開が気になるところであります。三冬はもともと小兵衛に惚れていたんやが、小兵衛には二十歳そこそこの「おはる」という妻がいるため諦めたわけですが、なんか知らんけどエシックスな生き方してるとおじいちゃんになっても若い女の子が寄ってくるわけでして、現代のおっさんたちはそういう暮らしに憧れを抱くいっぽう、いろいろエシックスには追いつけていないから、そこにいたる過程を全部すっ飛ばして知識マウントやマンスプレイニングに走ってしまうのではないか?という気がする。。

 他人から称賛を受けたい故に最も称賛から遠ざかることをしてしまいがちな悲しきおっさんたちこそ、今、剣客商売を読み秋山小兵衛からエシックスを学ぼう!

#令和4年  #読書の記録 #読書 #池波正太郎
#剣客商売  #エシックス

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