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一人目の客になれた話 紅屋編

涌井慎です。
趣味はオープンしたお店の
一人目の客になることです。

毎朝通る三条会商店街、
パンダ焼きでおなじみのタマヤが
閉店したあと、
何屋ができるんかと思ってたら、
どうやらホルモン鍋のお店が、
今日オープンするらしいと
チェックしておりました。

11時オープンらしいので、
20分前に到着。
今日もライバルはいない。
ライバルがいるとすれば、
オープンまでお店の人に相手されることなく
ただひたすら、一人、風に吹かれながら
待ち続けることを
やめたくなる気持ちだけだ。

お店をオープンする側からすると、
謙虚な気持ちもあるのかしら。

「どうしてこんな私どものような者が
オープンするお店に開店前から
並ぶ人がいるなんて、まさか!
何かの間違いにちがいない」

そうして開店するまで、
完全スルーを決め込まれ、
いざ開店すると満面に笑みを浮かべ
接客してくださるのですから、
世の中不思議なものですわね。

ところで本当に11時オープンなのかしら。
気になりました10時45分。
合ってるよたぶん。
信じろよ自分。
微分積分いい気分。

お、スタッフさんが出てきた。
が、しかし、
それなりに存在感には自信のある私を
居ないかのように通り過ぎる。
帰ってきたところを、
たまらず「11時ですよね」と聞くと、
にっこり微笑み「はい、そうです」。
これよ、これ。
この微笑みが最高に気持ちいいのよ。

よし、
あとは順番抜かしに気をつければ
一人目の客になれる。
と思っていたら、
「よかったら中に入られますか」と
声を掛けていただきました。

お言葉に甘えまして無事一人目に入店。
11月16日、三条会商店街内、
タマヤ跡にオープンした
ホルモン鍋紅屋の一人目の客は私です。
オープンを祝うお花が届くより先に
お店の中に入った男。

#note日記 #コラム #エッセイ
#一人目の客

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