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1人目の投票者になった話

趣味はオープンしたお店の1人目の客になることですが、転じて、投票会場で誰よりも早く投票することも趣味にしております。転じたなー。

引越しをしない限り、もちろん毎回同じ投票会場へ投票しにいくわけなんですが、選挙って、毎回スタッフの方のメンバーも同じなんです。いや、多少の入れ替えはあるのかもしれないですけど、主要メンバーは同じ。

投票会場は近くの中学校の体育館です。
校門を入り、正面の校舎を左に迂回して体育館へ続く屋根のある屋外廊下を歩いていくわけですが、午前6時すぎ、その廊下を歩いていると、選挙会場たる体育館の入口に女性スタッフがいるのが見えました。

あちらも私を確認したらしく、奥へ消えていきます。体育館に靴の音が響き、やがてその靴音は二重になり、入口に近づいてきました。
その頃には私はもう入口に到着しており、さっき見かけた女性スタッフと奥にいたであろう男性スタッフが出迎えてくれました。

たぶん、私を見かけた女性スタッフが「◯◯さん、いつもの1人目の人、来はりましたよ!」「ほんまか、まだ1時間前やで。スタッフも2人しかいてへんのに」などという会話があったのではないかと想像するだに私は胸がワクワクしてしまう。

どちらのスタッフさんも、もうすでに顔見知り。コロナ禍の選挙は全てこの人たちが私を出迎えてくれています。

「いつもありがとうございます」
「こちらこそ、いつもありがとうございます」
「では今日もいつもの選挙と同じ段取りで」
「了解しております」

これだけのやり取りが気持ちよくて仕方がない。思うに人それぞれ、何か、こういう心地よさが投票会場にあったなら、もっと投票率は上がるに違いない。

葉桜の下、鳩らしき鳥がぷぅ〜っと屁みたいに鳴きました。

投票開始10分前におじいさんがやってきて「あんた投票並んでるんかいな」と言っていたので「はい」と答えると「せっかく早くきたのにほんならわしは最初に投票箱の中を確かめることがでけへんのか」とおっしゃる。
「ごめんなさい」と謝るのも変なんですが謝りますと「投票箱の中、確かめられへんのならもうええわ」「いつも最初にわしが確かめとるのに」と未練がましいし、いつも最初に確かめてるは嘘やし。だってコロナ禍に入って以降はこの選挙会場ではずっと僕が1人目に投票しているんですから。

選挙会場のスタッフさんに向けて大声で「今日はもう(このわけのわからん若僧のせいで)投票箱の中を確かめられへんさかい、もう帰るわ!」と言い放って帰っていかはりました。

ごめんね、おじいちゃん。
でも僕、1時間前から並んでますねん。
人生の大先輩ですけど、ほんまにこういうじじいにだけは、絶対にならないでおこうと思いましたね。

令和5年4月9日、京都市議会議員一般選挙、京都府議会議員一般選挙、中京区第二十二投票区投票所の1人目の投票者は私です。

#1人目の客 #1人目の客涌井
#選挙 #選挙に行こう

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