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早期英語 と 日本語力 とのトレードオフ

早期英語と日本語力との間にトレードオフがあるのかについて、Xで議論されていたので、我が家の実体験を交えて私見を書いてみます。

短期 vs 長期

僕はこれは時間軸の問題だと思っていて、「短期的にはあり」「長期的にはほぼなし(あっても僅か)」という意見です。

中学生ぐらいまでは言語能力が飛躍的に伸びる時期である一方でそれぞれの言語に割ける時間には限りがあるため、少なからずトレードオフは発生すると思います。

巷でよく引き合いに出されるような、英検1級レベルの英語力と御三家レベルの国語力を両立できるのは、ごく一握りの超優秀層だけでしょう。

うちの息子たちや他の帰国子女を見ていても、中学生ぐらいまでは、英語を頑張って伸ばした分、日本語が停滞する傾向は明確にでています。その子の本来の言語力を100とすると、合計キャパシティは劇的には増えずに各言語に配分されていくイメージです(全く増えないという訳でもない気はしますが)

一方で、長期的には両言語ともに本人の生まれ持った言語能力に近いところに落ち着いていくと感じていて、ちゃんと鍛えることで英語100、日本語100に近い形にもっていけると思っています。

つまり、長い目でみればトレードオフの要素は軽減されるていくのかなと。

早期英語はやるべきか?

では、仮に短期的にはトレードオフが存在するとして、それでも早期英語をやるべきかですが、僕の意見はYesです。

長期的にはデメリットは解消に向かうというのが理由のひとつですが、より大きいのは言語学習の臨界期の存在。10代前半ぐらいまでにある言語の音声に十分に触れておくかどうかで、リスニングや発音の最終到達点とそこに至るスピードが劇的に変わるというあれです。

この点だけをみても、早期英語をするメリットは短期的なトレードオフを確実に上回ると感じていて、もっと言うと、この恩恵を享受するレベルの触れ方であれば、日本語に大きな悪影響を生じさせなくても十分に実現可能だと思います。

ただ、「何が何でも中学受験で御三家にいかせたい」みたいな目標があるとすると、この短期的デメリットの可能性が無視できないものになってくるのでしょう。なので、結局はそれぞれのご家庭の価値観に照らして判断することになりそうですね。

我が家の事例

ちなみに息子たちの事例でいうと、それぞれの中学入学時点の到達レベルは以下のような感じでした。

✅長男
小学校6年間をほぼ英語に振り切ったので、英語は渋幕・渋渋の帰国枠に届いたものの(≒同世代のネイティブと比べても遜色ないレベル)、国語は四谷偏差値で50ぐらい。

✅次男
小3で英検準1をとっていたが(長男より早かった)、帰国後に四教科受験向けに切り替え。卒業時点で英語力は英検2級ぐらいまで落ち、国語も御三家レベルには届かず(サピ偏差値60弱。最初は30台だった...)

英語に絞った長男、結果的に両方をやった次男の差をみると、明らかにトレードオフがありそうです。

ただ、3年たった現在では、次男の日本語は完全にネイティブですし、かつ英語の音声もしっかり残っていて、発音やリスニングは僕なんかをはるかに上回っています。

これを見ても、早期に英語に触れた恩恵は長期的には計り知れないなと感じます。

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