海外駐在ミッション・インポッシブル
昨日オンラインサロンのメンバーから、海外駐在時に苦労したこと を聞かれました。
「日本本社と現地法人の板挟みになって大変だった」と一言で答えたのですが、昔やってたブログに、まさにそんなエピソードが残ってました。
ということで、駐在あるあるも交えて、再編集してお届けしたいと思います。
Day 1 ~ミッションはいつも突然に~
まだ人もまばらな早朝のオフィス。僕のブラックベリーが聞きなれた着信音を鳴らした。
取引先からだ。
「こう、試練のときを迎えることになりそうだよ。僕じゃなくて、君がね。日本本社が絡んでもめている件、今日中に解決できなければ取引停止だ」
・・・でた、いきなりの死の宣告!
っていうか、イギリス人って、こんなときでも英語表現カッコいいな。ミッション・インポッシブルかよ(※)。僕、トム・クルーズじゃないんですけど。
※イギリスなんだから喩えるなら 007 だろ、というツッコミが入りそうだが、突然の死刑宣告に動転している僕に、そんな余裕はない。
この顧客は、僕の取引先の中でも3本の指に入るVIPアカウント。万が一にも契約を落とすようなことになれば、ようやくつかんだ夢のロンドン駐在ライフは1年もたたずに ~ Fin ~ だ。旅行もゴルフもこれからなのに・・・
ただ、そこはピンチになると逆に燃えるタイプ。気分はすっかり、休暇中にミッション遂行のために呼び戻されたイーサン・ハントである。お馴染みのテーマソングが流れる中、悪の巣窟(言い過ぎ)・日本本社への潜入捜査を開始した(電話しただけ)。
ミッションの全貌がわかった。詳細は省くが、うちの日本本社が顧客の本社に迷惑をかけていて、それが原因でイギリスでの顧客の業務遂行に悪影響が生じている。そして、1日で解決するには当地で至急対処するしかない。
ここで気持ちが収まらないのが、この顧客を一緒に担当しているローカル社員の同僚(L君としよう)。
L君「いつも、何に使うのかもわからないような資料や報告を現地に要求してくる割に、こういうときは何の連絡も謝罪もないじゃないか。俺の知ったことじゃないね。」
はい、仰るとおり。100% agreeです。
とはいえ、こういうときに間に入るための駐在員である。ここで任務を放棄したら、住宅費や教育費まで会社に補助してもらって駐在している意味がない。
こう「ミスはお互い様でしょ(実際L君のチョンボで日本を困らせたことも多々ある)。気持ちはわかるけど、会社としてお客さんに迷惑かけてしまってるんだから、こちらサイドでできることをやろう。協力してくれないか」
なかなか首を縦に振らないL君だったが、最終的にはパブでビールをおごる約束で納得してくれた(イギリスではだいたいこれで解決する。むしろL君、最初からこれ狙いだったに違いない。したたかな英国流外交である)。
L君の協力のお陰もあり、深夜までかかってなんとか事態を打開し、無事に顧客に解決の報告をすることができた。
「やった。これで契約更新に向けた交渉に入ることができる」
と思ったのも束の間、それはさらに過酷な Season 2 への序章に過ぎなかったのである。
To be continued...
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