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真鍋さんのノーベル賞 報道に対する違和感

真鍋淑郎さんが、ノーベル物理学賞を受賞されました。

僕は、人工衛星を活用した自然災害対応のデジタル化に取り組んでいるので、気候変動の研究に光が当たったことは、一個人としても非常に嬉しいです。

ただ、本件のメディアの報道の仕方に、少し違和感を感じています。いわく、「これで日本人の受賞は、アメリカ国籍を取得している人を含めて、〇〇人」だと。

アメリカ国籍の人を含めた日本人 ??

真鍋さんは、プリンストン大学上席研究員であり(御年90歳で現役!)、60年近くも前にアメリカ国籍を取得されています。誰がどう考えても、アメリカ人ですよね。

いみじくも、ご本人がアメリカ国籍を選んだ理由を語られているので、詳しくは下の記事をご覧ください。

別のnoteでも書いていますが、僕は 国境や国籍のない世界 を夢みています。ですので、本質的には、真鍋さんが日本人なのかアメリカ人なのか、はどうでもいいと思っています。

ただ、彼のように優秀な方が、日本では場所を得られずに海外を選ばざるを得なかった、という事実から目を背けていては、この流れは加速するばかりでしょう。

重要なのは、真鍋さんを日本人に含めるかどうかではなく、「日本にいては恐らくこのような研究成果は生まれなかった」ことであり、「彼が日本に帰りたくないと思っている」ことです。

日本には戻りたくない、という言葉の裏にある真意は推測するしかありませんが、多くの優秀な研究者やビジネスパーソンが、真鍋さんと同じように日本に居心地の悪さを感じ、海外に活躍の場を求めていることは間違いありません。

僕自身、海外在住を経て痛感しましたが、日本という国や社会は、"非居住者" に対してものすごく冷たいです。

身近な例でいっても、マイナンバーが抹消される、銀行口座・証券口座の機能が制限される、ローンが組めない、クレジットカードが作れない、といった数々の不便が生じます。

逆に、シンガポールの銀行は、日本に帰国した僕にそれまでと変わらないサービスを提供してくれています(現地で組んだ投資のためのローンも、そのままです)。

日本人として海外に出ただけでこんな状況なので、国籍を失った真鍋さんのような方々が、どのような扱いを受けてきたかは想像に難くありません。それを、めでたいことがあったときだけ、急に「日本人」だともてはやされるのは、正直どのような思いだろうと考えてしまいます。

そして、優秀な頭脳が他国に活躍の場を求めざるを得ないような環境では、海外のタレントがこの国を選ぶ理由はさらに少ない、と考えるのが自然です。少子化が進み、人口が減る日本にとって、これは死活問題です。

この素晴らしい国が、今後も魅力的であり続けるためには、尖った才能をもった人たちが生きやすい社会にしないといけないと強く感じます。

自分に何ができるのかを考えると無力感しかありませんが、少なくもこうした発信を続けていくことにも、何らかの価値はあると思って書きました。

皆さんは、今回の件、どう感じられましたでしょうか?本日もお読みいただき、ありがとうございました!

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