40歳で海外転職した話 ③
前回の続きです。
ずいぶんと脱線しましたが、エージェントの勧めに乗ってカジュアル面談とやらを受けてみることにしたのでした。ワナは、ワナだとわかっていれば怖くないのであります。と、少なくとも当時は思っていたわけであります。
初めての英文履歴書
エージェントに、「non-commitment basis の前提であれば、話をきくのはやぶさかではない」と伝えました。
昨日も書きましたが、ノーコミットメントであることは当たり前なので、わざわざ念押しするまでもないんですよね。でも、これがあるだけで心理的負担が軽くなるのだから面白いものです。
エージェントからは、先方に送るための英文履歴書(CVと言います)を用意するように言われました。日本語の履歴書すら、就活時点で止まっているんだけど・・・。
ひな形はエージェントがくれたので、そこにプロフィール、これまでやってきたこと、実績などを入れていきました。ただ、日本語の履歴書とは書き方やアピールの仕方が違います。ネットで色々と調べて、一応それっぽい内容に仕立てて送付しました。
忙しい中、英語でこうした作業をするのは正直面倒ですが、一度やってしまえば後は定期的にアップデートするだけです。外資系・海外転職、MBA留学などを視野に入れている方は、時間があるときに作り込んでおかれることをお勧めします。
表現に自信がない場合は、オンラインの添削サービスも活用できます。僕はエージェントが簡単なネイティブチェックをしてくれたので、今から思えば一石二鳥でした。
準備は入念に
面談は2週間後にセットされました。
エージェントは「カジュアルに話してお互いを理解する場。社風や業務内容を理解してもらえればいいよー」などと言っていましたが、当然そんなわけはなく、これはれっきとした一次面接です。
それどころか、僕にとっては就活以来16年ぶりの面接であり、初めての転職面接であり、しかも英語面接です。いかに日頃からポジティブ思考を心掛けているとはいえ、ノー準備で臨むほど自信過剰ではありません。
まず本屋で英語面接の対策本を買い、それを熟読しながら想定質問に対する回答を英語でWord数ページにまとめていきました。また、こちらから確認したい点についても、細かくリストアップしておきます。
これは就活、転職、留学などあらゆる面接に共通することですが、最後の「何か聞きたいことはありますか?」に対して、どれだけ切れ味の鋭い質問ができるかが勝負です。間違ってもホームページを読めばわかるようなことを質問してはいけません。
ということで、公式サイトを読みこんだ上で、事前にエージェントから聞いておいた面談相手のプロフィールをLinkedInで確認しておきます。
最後に、家族に余計な心配をかけないよう、使用後の面接対策本にしっかりカバーをして本棚の後ろにしまって準備万端!
いざカジュアル面談へ
当日です。面談といっても相手はシンガポールにいるので対面ではなく、WhatsApp(西洋版LINE。当時はzoomもなかった)のビデオコールでした。
当時の僕は、PC版WhatsAppの存在を知らなかったので、自宅の部屋の机に慎重に携帯を立て、小さい画面に食い入るようにして面接を受けました。オンラインの利点をフルに活かして、用意したWordのカンペを壁に貼っておきます。
先方は、このポジションの直属の上司となるアジア地域の責任者と、連携機会が多いと想定される部門のヘッドでした。二人ともオーストラリア人です。
なごやかな雰囲気のもと、会社概要、アジア・パシフィック地域のオペレーション、取扱商品、新規ポストとして日本人を置く背景などについて、説明を受けました。
慣れないオーストラリアのアクセントで、途中何度か聞き取れない部分がありました。でも、オンライン面談だと「ちょっと電波が悪くて」という必殺技が使えるので大助かりです。
こちらからは、略歴と現職での役割や業務内容について説明。ここまではゲームプランどおり。非常に順調です。
続いて先方から「本社営業→英国駐在→商品企画なんて恵まれたキャリアに見えるけど、なぜこのポジションを考えてみようと思ったの?」という、核心にせまる質問が。
「いや non-commitment だと聞いたので何となく」とも言えず、ちゃんと真面目に答えましたよ。
①新規ポジションかつ日本人ひとりで、0→1に近い経験が積める
②現職では管轄する数字は大きいが裁量が小さい。僕は逆を求めたい。
③駐在中に担ってきた役割と近く、即戦力として貢献する自信がある
④人事ローテーションに左右される受け身の会社人生ではなく、人生のハンドルを自分で握って主体的にキャリアを構築したい
⑤アジアのハブとして成長を続けるシンガポールに魅力を感じる
⑥真に多様性のある組織で働きたい
めっちゃ本気のやつ(笑)
ということで、カジュアル面談は非常に好感触のもとで終了し、後日エージェントからもお褒めの言葉をいただいたのでした。
これ、やばい流れじゃないか?
To be continued...
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